【開催見解】第19回笠松競馬(2/5～2/9　重賞：ウインター争覇)

　2月5日から9日まで連続5日間の日程で「如月シリーズ」が行われる笠松けいば。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしていきたい。

　初日はB-1組の「こぶし特別」。出走10頭中、9頭が前走で勝ち鞍を挙げた好調馬ぞろいの一戦。中でも注目はデビュー後10戦8勝、2着2回とまだ連対を外していないメモリージュネス。すでにこのクラスで2着の実績があり、ここも楽しみ。ただ、前走もハナ差の辛勝でＣ級のころのような圧倒的な強さはないだけに、他馬もチャンスはありそう。前走が6馬身差の圧勝で「引き続き調子がいいので、すんなり先行なら楽しみ」と藤原騎手が語るワンダフルキングス、1600mの自己ベストを更新したワイルドジークは好調さが目を引くし、ハードルソングの自在脚や、こちらに来てからも金沢での実績通りの走りを見せてくれているプレシャスムーンも互角以上の力はあるとみた。

　2日目はC-16組による「如月特別」。下級条件ながら、こちらも前走勝ちの好調馬が集まるクラス。しかも全てが4歳馬といわば登竜門的なレースだが、潜在能力ではリネンマックスが優位とみる。前走は800mの上、相手関係にもかなり恵まれていたのは確かだが、余裕たっぷりの勝ちっぷりでセンスの良さは見せてくれた。「まだ息遣いが本当でないので距離延長は微妙だけど、素質は上だと思うよ」と陣営からは距離を心配する声も聞かれたが、この相手なら問題ないとみる。豪快なマクりで快勝し勢いづきそうなアザブジュウバン、転入初戦を叩いてさらに上積みが見込めるクリノダヴィンチが相手候補としては有力だが、差し脚堅実なハコダテオウカ、前走時計が上々のビップディオスも差はなさそう。

　3日目はA-3組の「うぐいす特別」。金沢から冬期遠征中のディアグリスターは遠征初戦となった前走が重賞・白銀争覇で0秒3差の3着。いきなり地力のあるところを見せてくれたし、環境になれた上積みを考えると、A-3組のここでは単不動に近いレベルか。同じ白銀争覇で７着だったデルマチョウスケだが、前走ではこのクラスで3着に軌道を修正。しかも吹雪に近い、視界の悪い状況で差してきたのは着順以上に内容があり、まともなら上位争い必至。そのほかにも引き続き攻め馬の気配がいいマユノジャスター、取り消し後をひと叩きされて気配アップのチュウワワンダー、差し脚堅実なコパノチャールズも連なら圏内だ。

　4日目はシリーズメインとなる「第35回ウインター争覇」。2011年を最後に休止されていたが、今年から東海地区限定の重賞として復活。このメンバーなら前走、東海ゴールドカップで見せ場たっぷりの3着だったハタノリヴィールに期待したい。軽い捻挫のようなものがあり1カ月以上間があいた点だけが不安材料だが、直前の動きは及第点。他地区からの遠征馬がいないここなら万全の状態でなくても間に合っていい。笠松で（3112）の堅実味を誇る、名古屋キクノセントロも上位の一角。ここ2走は笠松で[7][4]着とひと息だが、2走前は出遅れ、前走は展開が向かずと敗因はあった。すんなり好位から運べれば変わり身十分だ。中央3勝のヘイローフォンテンは転入以来[2][1][2]着とハイレベル。取り口に安定感があるし、実績的にみても初オープンのここでも互角にやれていい。ここ３走、オープンで[4][4][2]着と安定しているクロノスバローズは一戦ごとにペースになれて地力をつけており、勝ち馬の抜けたここならオープン勝利のチャンスあり。いずれにせよ、各馬とも遠征馬がいないここは重賞ゲットの絶好機だけに、白熱した戦いとなりそうだ。

　5日目はC-1組による「寒椿特別」。ここも前走勝ちの勢いがある馬、特に中央から転入して大崩れせず活躍している面々が集まるクラスだが、中心は笠松デビューの生え抜きであるカサマツブライトだ。芝とはいえ中央500万でも大敗しなかった素質馬で軽快なスピードが売り。「この中間も元気いっぱいですよ」と調教をつける佐藤騎手が語る通り、攻め馬のムードは良好。モマれると力を発揮できない面はあるが、そこさえクリアできれば好勝負必至だ。転入以来バテたところをみせていないトチノマドンナも潜在能力は十分。2走前のこのクラスで6着だが、大崩れはしていないし、クラス慣れが見込める上、距離も1400mのここなら反撃あり。時計面ではセイソが上位。12月以降の4走で1分29秒台が3回。持ち時計もメンバー中最速だけに、スムーズに運べれば速さで押し切れていい。そのほかミリオーレ、エイシンフローラも中間の気配はまずまずだった。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）