【開催見解】第1回笠松競馬(4/3～6　重賞：新緑賞)

　４月３日から６日まで連続４日間の日程で、平成30年度最初となる「新緑賞シリーズ」が開催される笠松けいば。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしたい。

　まず初日はＢ－１組による「淡墨桜特別」（１８００ｍ）。前走で勝ち鞍を挙げた好調馬が多くいるが、中でも転入以来２，２，１，２，１着とまだ底を見せていないのがロケットバイオ。前走時計も１分42秒４と優秀で、昇級のここも勢いで突破しそうだ。骨折明けで昨年９月以来と久々のぶん２番手の評価にしたが、ドリームダークアイはこのクラス２勝の実力馬であり、同じようなローテで勝った実績からみて鉄砲も問題なく、初戦からマークが必要。そのほか1800ｍでしぶとい末脚が生きそうなダンシングハルク、休み明けを叩きつつ順調に良化中のシークレットオースも上位争い必至の力を備えており、人気どころの実力は拮抗している。

　２日目はシリーズメインとなる３歳重賞「第44回新緑賞」（１６００ｍ）。今年は名古屋サムライドライブの独壇場となっている東海公営の３歳戦線だが、それに待ったをかける馬が現れるか注目の一戦だ。中でも実績的にサラヒメとビップレイジングは有力な存在。前者は道営でデビューし３，２，１，１着のあと、園田プリンセスカップも快勝。南関東移籍後はやや伸び悩んだ格好だが、直前の追い切りでは併走馬を圧倒し、仕上げのよさと能力を感じさせていた。後者も道営デビューで（１１１２）の実績をひっさげて笠松に転入。秋風ジュニア、ジュニアクランと２つのＪＲＡ認定競走を制した実績の持ち主。さすがに中央では壁に当たってしまったが、笠松復帰初戦の前走はほぼ持ったままの快勝で東海公営レベルなら力上位のところをアピールしただけに、ここも楽しみ。馬場見せの意味も込めて出張した前走で古馬Ａ－３組を逃げ切った名古屋クルセイズスピリツも有力な１頭。マイペースに持ち込めたとはいえ、歴戦の実力馬をあっさり退けたスピードは同世代相手なら一枚上。前述２頭が相手でも、速さで押し切って不思議はない。さらに２走連続でサムライドライブに敗れているものの２着はきっちり確保して地力の高さを印象づけたドリームスイーブル、ここへきて連勝と着実に力をつけているメモリーメガトンも素質的には大差なく、ハイレベルな戦いが期待される。

　３日目はＡ－１・Ｂ級以上オープンの「東海クラウン」（１９００ｍ）。前開催に重賞・マーチカップ、そして次開催にはオグリキャップ記念が控えていて、いつもより手薄な印象は否めない。そんなメンバー構成なら前走マーチカップで見せ場たっぷりの２着に健闘したフロリダパンサーの軸は動かしがたい。控えてインでモマれるような格好になりながら最後までしぶとく伸びた内容は中央準オープンの底力を感じさせるには十分なもの。「逃げた方が手ごたえがいいけど、あの競馬ができたのは大きい」と筒井騎手も満足げで、ここはきっちり決めておきたい。南関東Ｂ－３組から転入のシーザワールドが相手筆頭格。まだ５歳であり、今年に入ってからも上位争いができているように、まだまだこれからの馬。今回の勝ちっぷり次第では今後の古馬オープン戦線をにぎわす存在となり得る。前走で中団から差し切ったマラカイトスター、ゴールドブレードの２頭も引き続き中間は好ムードで前半の立ち回りや展開次第では上位争いに加わってきそう。

　４日目はＣ－１組による「笠松町商工会特別」（１６００ｍ）。さすがはＣ－１特別らしく今回も前走勝ちの好調馬がズラリとそろって目移りしそうな好メンバーとなったが、勢いという点ではストーミーワンダーが一歩リード。２走前には1600ｍで１分41秒６、そして前走は1400ｍで１分27秒９と、Ｃ級としてはかなりハイレベルな時計を連発。逃げ・先行・差しとどんな展開でも勝ち鞍がある自在派だけに大崩れは考えにくい。メリルフォンテンは距離延長の前走が道中５番手から一気にマクって５馬身差の圧勝。時計は１分44秒３と地味だが、距離適性の高さを感じさせる勝ちっぷりで再度1600ｍのここは楽しみだ。前走２着ではあるが、勝ち馬にぴったりマークされながら粘り込んだコスモヴェッキオもこの距離が合っている印象。中央１勝の実力から考えてもＣ級なら実力上位といえる。1600ｍで３戦して１勝、２着１回のアップルパンチ、同じく３戦して２着、３着が１回ずつあるスマートリンクもすんなりなら粘り込み十分で、ここらが穴候補となりそう。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）