【開催見解】第12回川崎競馬(1/27~31)
【開催見解】第12回川崎競馬(1/27~31日)
組合営第12回川崎競馬は1月27日から31日までの5日間開催で全60鞍。
初日のメインはB2二組「睦月特別」1600メートル
B2昇格初戦でも、プレジデントハートが勢いで突破する。JRA未勝利からの転入だったが、南関東移籍でその素質が開花。前2戦はスタート出遅れながらも2、1着と結果を出し、地力の高さをうかがわせた。本来は好位置で競馬できる馬だけに信頼度は高い。ビッグショットは連対から遠ざかっている近況でも、レースぶり自体には安定感があり大崩れは少ないタイプ。再転入初戦のタニマサホークはJRAで1勝、1000万条件でも差のない競馬をしており、以前より地力アップしている印象。JRAでは1200メートル中心で使われていたが、かつて1500メートルで2連対しており、1600メートルならこなせるか。前走より相手関係が緩和するカネトシスインガー、強力な末脚を秘めるダージープレミアムも争覇圏内。
2日目のメインはB3、C1選定馬「ヴィクトリーチャレンジ」2100メートル
「第12回佐々木竹見カップ」の第2戦として行われる当競走。2100メートルというダートでは長距離に区分されるレースで、全国の名手達の駆け引き、手綱さばきに注目したい。また、各騎手がどの馬に乗るかも当然ながら勝敗をわけるポイントだ。
ビーユアエンジェルは3歳時にサルビアカップ(ロジータ記念TR)3着、昨年の当レースも4着ながら0秒1差と距離に対応はOK。前走は崩れたがスタート不利もあったし、巻き返しは可能だ。昨年秋から2000メートル中心のローテーションで結果を出しているプリンセザ。今回は格上B3馬との争いになるが、距離的な不安がないのは強みになる。ヘッドサクセッサーは2000メートル以上の距離は初めてだが、イメージ的にはこの距離は向くはず。穴なら昨年の当レースの勝ち馬コウエイクレスト。前走は勝ち馬圧巻でも2着トキノワイルドとは0秒2差。連覇に向けて調子は上がってきている。
3日目のメインは「第63回川崎記念」2100メートル
ホッコータルマエが今年初戦をここで迎える。ジャパンカップダートこそ3着に敗れたものの、続く東京大賞典ではキッチリと巻き返してみせた。まだ明け5歳と若く、長期に渡ってこの路線の主役を張れる馬だけに、ここでもアッサリと勲章を上積みしたい。ランフォルセは一昨年の当レース2着馬。ダイオライト記念、浦和記念など勝ちも含め左回りのダート中長距離に適性が高い。トウショウフリークは姉にスイープトウショウを持つ良血馬。前走の名古屋グランプリではシビルウォーには完敗の格好も、前述ランフォルセや実績あるエーシンモアオバーには先着と力のあるところを見せた。すんなり先手なら。芝路線から路線変更のムスカテール。デビュー時ダート2連勝から適性はあるはずで、その地力を考慮ならいきなり快走の可能性も十分にある。フリートストリートは地方競馬場でまだ実績なく、距離もどうか。地方所属馬では良血サイオン、古豪カキツバタロイヤルなどが出走予定。この舞台ではさすがに厳しい戦いになりそうだが、善戦を期待したいところ。
4日目のメインは地方交流「多摩川オープン」1600メートル
明け12歳、年齢的に衰えが懸念されたマズルブラスト。前走大師オープンではそれもあって8番人気だったが、結果はそれを覆す快勝劇。まだまだやれることを結果で示してみせた。その前走と同条件の今回、再度快走があっても驚けない。その前走で結果マズルに敗れた1番人気タマモスクワート。とはいえ、川崎コース〔4231〕の実績から、川崎1600メートル1分38秒5の持ち時計からも再度有力視できる存在だ。ソルテは大晦日に大井「おおとりオープン」快勝。クラシック好走の実力馬が古馬に通用することを証明した。明け4歳、血統からも今年更に飛躍が期待できる馬で、年明け初戦のここもキッチリ結果を出したい。ヴォルテックスもベスト1600メートルに戻って巻き返しに期待できるし、転入初戦サミットストーンも距離は短いが、金沢での実績、内容からはヒケは取らないか。大師オープン4着の高知トーホウカイザーもコース2度目で前進ありそう。
5日目のメインはA2二組B1一組「立春特別」1600メートル
前3戦5、3、2着と足踏みが続くロンドンアイだが、本来はこのあたりで燻っているべき器ではない。今回格上A2との混合戦だが、前々走ですでにA級通用自体は証明済みで、勝って軌道に乗りたいところだ。トーセンマドローナは前走は少し距離が足りなかったか。川崎1600メートルは条件ベスト、年齢的な衰えもなく争覇圏だ。ローズデュルワは月1走のローテーションで大事に使われている点が好感。明け7歳の牝馬だが、前走ミラーコロの0秒3差3着からは衰えも感じない。転入後2勝を川崎1600メートルであげているイーサンヘイローも、当然有力視。転入初戦で久々でも、JRA実績からカネトシリープインも態勢が整っていれば侮れず、混戦になるとみればビクトリースガの末脚にも注意が必要か。
文 日刊競馬 鎌田智也