【開催見解】第8回川崎競馬(10/9~13 重賞:鎌倉記念)
平成29年度組合営第8回の川崎競馬は10月9日~13日の5日間開催。
初日のメインは「怪獣酒場コラボ記念 宇宙忍者「バルタン店長」杯 」 B2一組 1600メートル
浦和のジョーウォルターは、前走B1下特別戦で同厩のワイルドダラー(転入後4連勝中)に食い下がっての0秒2差2着。休み明けを思えば合格点以上の内容で、今回は遠征とはいえ叩き2戦目でB2戦。ここで転入後初勝利を決める。同厩舎キャプテンロビンも上昇余地ある3歳馬。戸塚記念大敗は度外視して、自己条件なら見直し可能。船橋から遠征してくるプラトンイミシャンも前3戦2、2、1着で、前走は大井のB1下特別勝ちと充実している。
迎え撃つ地元・川崎勢では前開催同条件で1、2着だったドンンディヴィーノ、ドリームキングが再度首位争い有望で、同レース5着だったドリームパッカードも休み明けを叩かれた上積みを見込めば、それ以上の走りが望めそう。
2日目のメインは「~豊かな時間を、家族と一緒に~ 湘南二宮「きみのふるさとになりたい」記念 」 A2・B1 1500メートル
初日同様に他場からの遠征組が強力か。前開催同条件1、2着のエスケイアリュール、タマモベルモットに加えて、少し間隔はあいたが川崎コース〔3310〕が光るベイビータピットの3頭に注目したい。ノースカルロスも川崎〔5200〕だが、前走休み明けをシンガリ負けで状態が気になるところ。順調さを取り戻せば…だが、叩き一変まではどうか。
地元川崎勢では先手を主張できればケイエスソードか。快速牝馬ディーズプリモは地力自体はここでも互角だが、近走は短距離タイプに推移している印象で距離が気になるところ。
3日目のメインは「鎌倉記念」 SIII 1500メートル
南関東では今年最初の2歳重賞。例年のことながら道営からの遠征馬と南関東生え抜き馬との地区レベルをみる上でも、ひとつ基準となる一戦だ。
浦和のシェーンリートに注目したい。ここまで4戦3勝。2戦目の大井遠征こそ2着と敗れたが、地元では3勝すべて楽勝。負けた一戦を含めてもセンスの高さを感じるし、血統面もマックスビューティに繋がる母系に母父ディープインパクト、父は新種牡馬とはいえすでに実績は十分のヘニーヒューズ。ここで勝ち負けするようだと、来春までみえてくる。
川崎ではセイヴェルビット、ポッドジゼルの八木正喜厩舎2頭。スタートに課題はあるもののスピード能力の高そうな前者、デビュー2連勝を決めたようにセンスの高さが光る後者とも甲乙つけがたい。ゴールドパテックも負けた一戦は不利があったもので、前走も出遅れながら差し切りと能力高い。
道営勢は今年JRA遠征でも結果を残してハイレベルな世代か。モリノラスボスはここまで〔3200〕。前走盛岡の芝の1600メートルで重賞初制覇を飾ったわけだが、遠征と距離と左回りを克服済みの利は大きい。マッドドッグは6頭立てとはいえ当時3戦3勝で重賞も制していたサザンヴィグラスに土をつけた前走が距離1700メートルでのものでこちらも距離は問題ないはず。課題は左回り。ユニバーサルライト、ダモンデはここまでの良績は短距離で、左回りに加えて距離面もひとつカギを握る。
4日目のメインは「富士見オープン」 3歳上オープン 2000メートル
タマモネイヴィーは今年の大井記念で2着、前々走は金沢のイヌワシ賞3着
などこの距離の重賞で好走をみせている。オープン特別のここは巻き返しを期す一戦だろう。グランユニヴェールの2000メートル大敗は東京ダービーでのもの。血統面からも距離不安があるとも思えず、休み明けを叩いた上積みを見込めば、格上相手のここでも久々の勝利もありそうだ。実績上位のクラージュドール、オメガスカイツリーだが、ここはともに5月以来の実戦。前者は7歳、後者は9歳でもあり、まずは気配をみたいところか。3歳牝馬アップトゥユーは関東オークス5着以来の実戦。東京プリンセス賞を含め能力の高さは認めても、いきなり古馬の牡馬のオープン相手。まずここは胸を借りる戦いになりそうだ。
5日目のメインは「一票の重み、1点の重み 川崎市長選挙記念」 B2二組B3一組 1500メートル
地元川崎勢ではアイルオブワンダーが筆頭か。相手強化の前走5着でも、勝ち馬からの着差はわずか0秒5差。今回は再度同条件となるだけに、経験を積んだプラスを見込めば、今度は勝ち負けを期待できる。ヴィグシュテラウスは以前は逃げ一手のイメージだったが、近走は差す競馬で結果を出しておりひと皮向けた印象がある。ここは休み明けで相手もそろったが、仕上がりさえよければベストの千五で好勝負可能。ほかでは勝ちが遠いが今季8戦して2着5回のシンゲツ、前走シンガリ人気ながら2着したグランドエンジェルに注目か。
他場からの遠征組も顔ぶれ豊かで、安定したレース運びが魅力のファイアフォンテン、転厩2戦目で古巣の川崎に臨むヌオヴォチメント、同じく叩き2戦目マサノジェットあたりに注目したい。現状では出否未定だが、インマイヒーロー、ウォースピリッツ、エヌティボタン、ライムチェイサーあたりも出走してくれば軽視できない実力馬だ。
文 日刊競馬 津田英憲