【開催見解】第13回川崎競馬(2/26~3/2 重賞:エンプレス杯[JpnII])
川崎競馬は2月26日~3月2日までの5日間開催。
今回は全日12レース制。
体調を崩していた山崎騎手や御神本騎手、真島騎手、ゲートでケガをした吉原騎手など大井開催で騎乗変更となっていた上位騎手が騎乗再開する。特に吉原騎手は期間限定期間が3月2日までとあってラストスパートが期待できそうだ。
3日目(2月28日)には古馬牝馬によるダートグレード第64回エンプレス杯が行われる。第37回まではキヨフジ記念と称され歴史を刻んできたレースで、今ではサブタイトルになっているキヨフジとは昭和20年代に川崎で大活躍し、中央競馬に移籍したのちオークスを制覇。地方競馬出身馬として初めてクラシック競走を勝った名牝である。
初日メイン競走は「マーケットスクエア川崎イースト2周年記念」。B3三組による1500m戦。
ターミガンを中心視する。明け4歳にしてキャリアはまだ6戦。デビューから3連勝して素質の片鱗を見せたが、5戦したところで休養を挟み正月開催で復帰。緒戦はスタートであおって後手を踏むかたちで道中も苦しい展開となって4着だったが、ひと叩きした上積みも含め必勝態勢だろう。外厩のミッドウェーファームの坂路で入念に乗り込まれている。
前走は降級戦で2着するもこれで再び昇級したレジェンドセプター。川崎の1500mはこれまで9戦して2着が3回、3着1回と惜しいレースは続いているが持ちタイムからは十分通用。
休み明け2戦目の前走で逃げ切り勝ちドゥアイドゥは、太目感も解消している。
抑える競馬が身についてきたメインアクト。
2日目はA2下の「東京中日スポーツ如月杯」。
勝ち馬には川崎マイラーズ(5月16日)への優先出走権が与えられる初春恒例のマイル準重賞だ。
エスケイアリュールは昨秋から4連勝中。船橋所属ながら川崎コースにターゲットを絞って7歳にして本格化。今回は距離短縮になるがマイナス材料にはならないだろうし、切れ脚発揮で重賞戦線へとステップアップを狙う。
休み明けをオープン戦で2度叩かれたシグナルプロシードはA2条件なら。
JBCスプリントに出走するなど積極的に格上に挑戦してきたバーンザワールドは昨年の川崎マイラーズで3着に健闘した実績があり今年もトライアルからの参戦を目指す。
3日目は「第64回エンプレス杯」。
距離2100mの古馬牝馬によるダートグレード競走で、レースの駆け引きだけでなく、スタミナも要求される一戦だ。
昨年出走時には新星と目されていたワンミリオンスが見事戴冠。その後は捻挫等のアクシデントもあり昨年はマリーンC(6着)、JBCレディスクラシック(4着)と2戦したのみ。その間にはホワイトフーガやララベルをはじめ、昨年出走メンバーの2着リンダリンダ、3着ヴィータアレグリア、4着ポッドガゼール、5着タイニーダンサー等が揃って繁殖入り。牝馬ダートグレード界の世代交代は進んでいるが、実績ある川崎2100mで新女王の座を確固たるものにしてほしい。
雪の影響で3Rまでが馬場整備のため取りやめになる馬場コンディションのなか、ダート転向3戦目でTCK女王盃を勝ったミッシングリンク。
プリンシアコメータは前走では一番人気に推されながら6着となったが府中の2100mで好走実績もあり巻き返し必至。
アンジュデジールは川崎コースでダートグレード勝ちがあり、2100mの関東オークスでは2着の実績からも適性十分。
4日目はB1二組・B2一組の「早春特別」がメイン。距離は1600m。
近走はあと一歩勝ちきれずにいるが川崎マイルで好走を続けているゼンノウラヌスがひと息後を叩かれて上昇ムード。位置取り問わないタイプで流れ次第で立ち回れるのは強味。一年ぶりの勝利の美酒を期待する。
ロジストームは中央からの移籍3戦目から軌道にのり4連勝。前走の猛虎特別は先行策が取れなかったぶんが最後響いて3着も、自分の競馬ができれば差はない。
最終日のメインは「新規登録で楽天スーパーポイントプレゼント 神奈川県アプリ・マイME-BYOカルテ杯」。B2二組・B3一組の1500m戦。
連対を外したのは6着だったデビュー戦だけという4歳馬サンシール。8戦6勝のレース内容は非凡なスピードを生かしてのもの。川崎コースは初めてになるがこの勢いは止まりそうにない。
相手は休み明けで重目感のあった馬体が絞れたパイロスター。
ヴィランドリーは金沢から移籍以来、掲示板を外したのは1度だけという堅実派。
競馬ブック 中川明美