【開催見解】第12回川崎競馬(1/28~2/1 重賞:川崎記念[JpnI])
初日のメインレースは、かながわグルメフェスタ2019in厚木杯。クラスはB2B3による混合戦で距離は1400メートル。ジーケーワンの前走は案外だったが、これはA2下で相手が強力だったため。結果9着でも0秒8差だったし、1400メートルでB2下の条件なら力量上位は明白。一時調子を崩していたドリームキングだが、昨秋から調子を上げており本来の行きっぷりも戻った。前走はB1下で2着だから同馬もこの条件は有利。同型を捌ければチャンス十分だ。デスヨネは前走で連勝はストップしたが、極端な落ち込みは見られない。ただ、実績はあるといっても久々の1400メートルだけに乗り方がやや難しくなる。アップドラフトは前走900メートルで変わり身を見せたが、元々は1400メートル~1600メートルがベストのタイプ。前走に比べやや相手は上がったが、互角以上の競馬ができそうだ。デキは高いレベルで安定トウカイボーイは距離への対応が課題で、重賞でも勝ち負けを演じているアンジュキッスとグラスサファイヤはともに休み明けだけにやや割り引きが必要。
2日目のメインレースは佐々木竹見カップ、ジョッキーズグランプリ第2戦ヴィクトリーチャレンジ。距離は1600メートルでクラスはB3。実力伯仲のメンバー構成だが、注目したいのはショウナンガレオン。中央では芝を中心に使われていたが、移籍後は2着、1着、3着と安定した走りを続けている。2走前は43秒台でVを飾ったが、この組み合わせなら自分の持ち時計だけ走って十分に勝ち負け。前走は展開のアヤだし、上がり最速の脚を使っていただけに評価は下がらない。バララットゴールドも中央では芝専門だったが、移籍後は1着、2着、1着と抜群の安定感を誇っている。移籍前から出遅れが続いているが、それでもこの成績は能力の証明。クラスは上がるが、一連の内容から決め手勝負になれば互角以上だろう。プレミアムゲームは休み明けを勝利したあとの2戦は案外な走りが続いたが、前走Vで復活を遂げた。引き続き1600メートルでもあるし、C級から上がってくる馬も多数いる組み合わせなら連勝の可能性は十分。手堅い走りを続けてこのクラスの安定勢力になりつつあるホワイトキングダム、後手に回った前走でも差を詰めて調子落ちは感じないブレイブブロッサム、前走で豪快な差し切りを決めたジェイチャレンジ、混戦で台頭の予感タニノホウザン、ヒミノブリランテといった辺りも上位争いは可能。
9Rに行われる佐々木竹見カップ、ジョッキーズグランプリ第1戦マイスターチャレンジにも触れておきたい。距離は1500メートルでクラスはC2。中心になるのはミッキーオフィサーだろう。中央1000万からの移籍初戦だった前走はC2で順当勝ち。引き続きクラスは据え置きだし、本来ならB3格付けでもおかしくないほど。明らかにC2格付けは恵まれているし、普通に走れば今回も結果はついてくるはず。連勝中と勢い十分なのはシカゴジャズ。前走も快勝だったが、特に目立ったのは2走前で後続を2秒2も千切る圧勝劇。逃げられなかった時に多少不安も感じるが、強力な同型が不在ならここも自分の競馬に徹するのみで完全燃焼の逃げ。前走でシカゴジャズの2着だったウインスーペリアは移籍前なら12戦連続で3着以内をキープと安定感抜群の内容。自在に捌け展開不問だけに今回も崩れることはない。移籍初戦の前走は5着だったデルマアツヒメだが、出遅れもあり多少リズムが悪かった。10キロ減だっただけに馬体の回復はポイントになるが、園田A級からの移籍だから力は通用するはずで一叩きで前進可能だ。その他では復調の兆しが窺えるオクシー、移籍後は手堅くまとめているブルベアアオジソといった辺りも上位圏内。
3日目のメインレースは大一番の川崎記念で距離は2100メートル。当面の相手と思われたサウンドトゥルーが回避しただけにケイティブレイブの独壇場となりそう。昨年の勝ち馬だし、3走前にはJBCクラシックを制覇。メンバーを考えれば前走の東京大賞典3着も十分に評価できる内容。死角らしい死角は見当たらない。前走の浦和記念Vで完全復活を遂げたオールブラッシュは17年の勝ち馬で昨年のかしわ記念でも2着に好走している。ひと捲りで快勝とレース振りに進境が窺えたし、もうひと花の予感は十分。大井ではサッパリだが、南関の左回りでは(2110)と大きな崩れがない点も魅力。気性面から全くアテにはならないミツバだが、マーキュリーカップを連覇など交流重賞での実績は十分。前走の名古屋グランプリ2着と状態を上げているし、引き続き長距離戦なら上位圏内。クイーン賞2着サルサディオーネも状態を上げているが、牡馬相手の2100メートルでは多少分が悪く連下級の評価で良さそう。一叩きされたコパノチャーリーもこれまで重賞では着外が続いており、ある程度展開の助けが必要。16年の東京大賞典馬アポロケンタッキーはムラ駆け傾向で掴みにくいが、ここまでメンバーが下がれば流れ次第で出番もありそう。地方勢は正直なところかなり見劣り苦戦は免れない。
4日目のメインレースは地方交流の多摩川オープンで距離は1600メートル。休み明けながら前走の大師オープン2着ラブミークンが中心となりそう。これまで6戦連続で連対を確保しているし、前走の勝ち馬はUEAダービー3着などがあるゴールデンバローズだから相手が悪かっただけ。強力な同型は不在だし、時計的にも計算できるだけに信頼度は高い。前走ゴールドカップ2着が光るバンドオンザランが当面の相手。道営と南関で重賞3勝の実績があるし、着実に良化で本調子。オープン特別なら崩れはないだろう。ウェイトアンドシーの前走は適性外の1000メートルだっただけに参考外。川崎は4戦全勝でこの舞台の重賞を2度制している。名古屋に遠征した疲れも抜けているはずで期待は大きい。サンタアニタトロフィー4着のフォクスホールは今回休み明け、それならば状態の良さが目立つハドソンホーネットとゼンノウラヌス、移籍初戦でも中央でオープン勝ちがあるアルタイルといった辺りが上位を形成する。
5日目のメインレースは馬事畜産振興協議会杯。クラスはB1B2による混合線で距離は1600メートル。注目したいのはファーストスキップ。前走は順当勝ちだったが、2着馬はその後に船橋記念で2着だからハイレベル。ロジータ記念でも4着があるだけにこの条件でも素質は楽に通用。自在に捌け展開に左右されないのは大きな強味。前走で久々にVを飾ったブルーフォレストはこれで波に乗りそう。先行しても差しに回っても詰めが甘いレース振りだったが、捲り気味に早目に動く競馬で新境地。一叩きされ型通り良化気配なのは昨年の京浜盃2着のワグナーコーヴ。結果的に前走は中途半端な競馬になってしまったが、本来の逃げる形なら初コースでも好勝負可能だ。リネンスカッシュの前走は久々で微妙に思えたが、連対確保だから休養効果で立ち直った。A2下でも通用のメドはついているだけに再度B1下なら上位争いだろう。キングルアウは園田オープンで勝ち負けを演じており、この条件は有利。大型馬だけに仕上がり面はポイントになるが、一気に突き抜けるだけの力を秘めているのは間違いない。中央1000万からの移籍となるジェイケイライアン、タケルラグーン、復調しているアルゴノート、好状態キングスガイにも十分チャンスはある。
(勝馬 小栗 啓裕)