【開催見解】第25回名古屋競馬(2/13～16　重賞：梅見月杯)

　第25回名古屋競馬は２月13日(火)～16日(金)までの連続４日間開催で「梅見月杯シリーズ」が行われます。では、各日のメイン競走を紹介していきましょう。

　初日はＢ－１組「こいぬ座特別」（1400ｍ）。勝ち組戦だけあって、好調馬が顔を揃えました。人気に推されそうなのはラモントルドール。転入当初はのちに新春盃を勝つアスタークライや現Ａ級のメモリートニックと好勝負を演じており、いったん調子を崩したものの、ここへきての３連勝は復調間違いなしと見ていいのでは。　距離の長短を問いませんし、勝ち残りでの１キロ増も特に影響はなさそうです。ホッコーカゲムシャは転入初戦となった２走前はプラス64キロで驚かせてくれましたが、数字ほど極端に太い馬体でもなく、２走目の前走はマイナス６キロと引き締めてきました。Ｃ－３組を勝ったばかりですが、あえて格上挑戦でここに登録。陣営の期待の程がうかがえます。ヴォルスングは1400ｍは２走前に同条件で３着。いささか距離不足は否めません。前走から装着したブリンカー効果でどこまで。マイル戦以上なら同馬の評価をもっと上げるんでしょうが…。決め手勝負になったときのアンカーマン。また、陣営が太鼓判を押すメイショウハガネなど惑星陣も多彩です。

　２日目はＡ－３ａ組「クロッカス特別」（1600ｍ）。ここは明け４歳馬２頭に注目。メモリートニックは移籍後（５３１０）と一度も馬券を外していません。当初はスピード志向が強い印象でしたが、1600ｍに延びても（２０００）と結果はむしろ良くなっています。中間も順調そのもので、陣営も力が入っている様子。対するはサンタンパ。昨年の東海ダービー２着馬で、秋以降は不振に陥っていましたが、ここへきてようやく復調ムード。距離延長もプラスに作用するはずです。粘っこい競馬ができているテイエムタービン、ゲスワット、ケントリュウコウあたりがどこまで抵抗するかでしょう。

　３日目はＡ－２組「紅梅特別」（1800ｍ）。新春盃勝ちで一気に株を上げたアスタークライ。ひと息入った格好にはなりますが、仕上げには定評のある厩舎で動ける態勢。今回もベストの距離だけに楽しみです。ただ、その重賞ウイナーを差し置いて、おそらく圧倒的な１番人気に推されそうなのが名古屋10戦10勝のアセイラントでしょう。体調と相談しながらのローテで今回は11月以来となりますが、その間もしっかりと乗り込まれていました。パンとすれば重賞の１つ２つは取れる逸材です。ある程度納得いく仕上げでないと使ってこないはずですし、ここは無傷の11連勝に期待。オープン勝ちのあるマヤノオントロジー、手堅いシンゼンタイガもこの２頭の前では影が薄くなりそうです。

　４日目はシリーズメインでもある「第19回梅見月杯」（1900ｍ）。金沢馬の出走はありませんが、兵庫から２頭の遠征をみました。では、その兵庫勢から。エイシンニシパは重賞５勝馬で、東海地区でも一昨年の岐阜金賞、そして昨年の名港盃を勝っています。近２走は掲示板止まりですが、それでも大きくは負けていませんし、実績からも怖い怖い刺客となりそう。もう１頭のエルドリッジは兵庫再転入戦となった前走をひと叩きしての遠征。中央500万条件勝ちは1900ｍダートなので、条件は向きそうです。迎え撃つ地元勢は大将カツゲキキトキト不在の布陣ですが、なかなかの役者揃い。正月の名古屋記念を勝って遂に重賞ウイナーの仲間入りを果たしたサンデンバロン。前走オープンでも貫禄を見せましたし、中１週で使えるのは体質強化が成った証しでしょう。1900ｍは微妙に長いかもですが、そこは勢いで。実力馬のアサクサポイントは希望能試を受けての仕上げでこれは11月の北國王冠２着時と同じパターンの調整。明け４歳馬ポルタディソーニは本質的にはもう少し暖かい季節向きですが、ゆったりと間隔をあけたことで馬体をふっくら見せています。距離も特に心配はないかと。ここへきての充実ぶりと競馬のうまさが光るテイエムシャンパン、悲願のタイトル奪取に向けて燃えるヴェリテはハナを奪えれば。古豪コスモナーダム、メモリージルバも軽視はできません。前がガンガンやり合えばブランニューの決め脚が炸裂…といった具合にまさに多士済々のメンバー構成。どの馬が１番人気になるのか、どんな展開、どんな流れになるのか。そして結果は如何に？　本命党から穴党まで楽しめるレースになるのは間違いないでしょう。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）