【開催見解】第26回名古屋競馬(2/26～3/2　重賞：スプリングカップ)

今度の名古屋競馬は「スプリングカップシリーズ」と銘打って、２月２６日～３月２日の計５日間で開催されます。ここでは各日のメインレースの展望をお伝えします。

　初日のメインはＢ－１組「こじし座特別」（１６００ｍ）
　前開催に比べると寂しい頭数になってしまいました。それでも勝ち組の特別戦らしく勢いのある馬、あるいは好素質馬が出走しており、それなりに見ごたえのある一戦になりそうです。中でも転入初戦を好時計で勝ったテイエムアニマンテは高い支持を集めるでしょう。初めて逃げる形になっても戸惑った様子はなく、最後の直線もハミをかけ直される程度で、手応えに余裕を残しての勝利。１６００ｍは中央時に芝での２走のみと経験が少ない点がどうかも、あの勝ちっぷりなら期待にこたえてくれるはず。相手は充実一途のビターレ、アンカーマンとみましたが、前者が少しテン乗りに不安を残しているぶん、後者の方が安心感があるように思います。

　２日目はシリーズメインの３歳重賞「第４３回スプリングカップ」（１６００ｍ）
　３歳クラシック前哨戦という位置づけの一戦で、今や全国区の活躍を見せているカツゲキキトキトが初めて制した重賞でもあります。今年の注目は何と言ってもサムライドライブ。重賞４連勝を含めて７戦７勝、しかも前走では後続との差を９馬身にまで広げました。すでに対戦しているメンバーの大半が白旗ムードになっても仕方ないところ。これを負かすとすれば、金沢から冬期遠征で笠松に滞在中のノブイチ。前走が２カ月ぶりだったことから上積みが見込めますし、引き続き鞍上が岡部騎手なのは心強い材料。徹底マークの形がかなえば、よもやのシーンがあるかもしれません。

　３日目のメインはＡ－３ａ組・中央５００万の交流「名古屋ＣＣミネルヴァ賞」（１９００ｍ）
　今年になってから初の古馬による交流戦は１９００ｍが舞台。過去の傾向から中央馬優勢とみるのが妥当ですが、純然たる中央平地での２勝馬はウインランブルのみという布陣です。このあたりに地元馬がつけ入る隙があるかもしれません。それでも中心は前述したウインランブルが最適とみています。１番人気に支持されて６着だった前走は誤算でしたが、直前の追い切りがあまりにも動かなすぎた印象で、それで０秒３差というのは力があってこそでしょう。中間は坂路でしっかりとした動きを見せており、巻き返せる態勢にあります。トーセンメリッサは極端な脚質が少々気になりますが、勝負根性には見るべきものがあり、小回りに戸惑いを見せなければ上位争いになりそうです。これらに次ぐのがウイングエンペラーで、スムーズに前々の競馬ができれば出し抜くことも可能だと思います。地元馬では体調重視ならシンゼンタイガ、意外性ならコウエイサムライやキタノシャーロットを絡めて高配当を狙うのもアリでしょう。

　４日目のメインはＡ－２組「黄梅特別」（１４００ｍ）
　重賞の梅見月杯で後方から４着に食い込んだブランニュー。強敵相手に大健闘と言えるのですが、よくも悪くも相手なりのタイプ。しかも距離が１４００ｍになるのは歓迎できません。しかし、これがテイエムシャンパンにとっては好都合で、馬力がアップしてきた今なら反撃必至でしょう。他では伸び盛りの４歳勢に注目です。新春盃勝ちのアスタークライは、ひと息後を叩いてどこまで気配が持ち直しているか、圧倒的な内容で遠征初戦を勝ったハシルキセキは、すんなり先行できるかが鍵になりそう。特に後者が内枠を引いた場合、斜に見るのも馬券作戦としては妙手かもしれません。格上的な存在であるドナルトソンあたりが奮起してくれれば、さらに面白くなりそうです。

　５日目のメインはＡ－１組「コーラルオープン」（１６００ｍ）
　回避馬が続出して少頭数になりそうなのは残念です。梅見月杯でらしさを見せたヴェリテを中心視しますが、時折ポカを見せるケースがあるだけに楽観できないというのが本音です。過去２度のＡ－１組では５、４着と一歩足りなかったリョーシンヒナタにとってはここは絶好のチャンスと思えます。前走のマクり勝ちをつなげたいマヤノオントロジー、衰えを感じさせないメモリージルバは首位争いも可能でしょう。馬体が絞れたトータルビクトリーも展開次第で上位に食い込む余地がありそうです。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）