【開催見解】第6回名古屋競馬（6/5～8 重賞：東海ダービー）

　第６回名古屋競馬は６月５日(火)から８日(金)までの連続４日間、「東海ダービーシリーズ」が開催されます。初日から順にメイン競走を紹介していきましょう。

　初日・６月５日は「第48回東海ダービー」（１９００ｍ）
　勝負ごとに絶対という言葉は禁句ですが、デビュー以来10戦10勝。重賞７連勝中のサムライドライブにはその表現を使わざるをえません。一冠目となった駿蹄賞も後続をぶっちぎる圧勝劇。距離が延びるにつれて２着以下の差も広がっています。これでも体質の弱さを抱えながらのもので、パンとすればいったいどこまで強いのか。今回の東海ダービーは目標ではありますが、将来を見据えれば単なる通過点なのかも。体質面、メンタル面の強化がなれば、秋以降は全国区へ打って出ることも可能でしょう。他の出走馬とは完全に勝負付けが終わっており、当確印をつけていいと思います。焦点の相手探しは、笠松・笹野博司厩舎の２頭、ドリームスイーブル、ビップレイジングが有力。無難にいくなら前者で、1900ｍも向きそう。重賞３勝の後者は当日輸送に課題を残している現状ですが、前走のぎふ清流カップはあまりにも大味な競馬だっただけに見直しは利きそうです。地元・名古屋からは重賞連勝中のウォーターループ。以前はハナにこだわった戦法をとっていましたが、ここ２走は好位からの競馬で勝利。砂を被っても問題なく、ひと皮むけた印象です。他ではキンショーウィークですが、距離延長はプラスとは言えないでしょう。出来の良さでどこまで。

　２日目・６月６日は中央500万条件との交流戦「名古屋ＣＣ　ネプチューン賞」（１９００ｍ）
　1400ｍ戦では展開に紛れがあったりで地元馬の善戦も見られますが、1900ｍでは力勝負になることが多く、今回もＪＲＡ勢が中心でしょう。キーフラッシュは唯一の３歳馬で芝、ダートを問わず、小回り向きの機動力が武器。行きたがる気性なので折り合いが鍵のようです。ハッピーマテリアル、ワイドコマンダーはいずれも障害入りを経験しており、陣営も現状打破に試行錯誤しているようですが、今度は地方交流に活路を求めてきました。その成否やいかに。エスシーレオーネは中央では未勝利ですが、兵庫在籍時に1870ｍを３勝しており、距離、地方の砂への適性は高そうです。迎え撃つ地元勢ではインストアイベント。中央時の最終格は1000万条件で本来は格上なのですが、額面通りにいかないのが交流戦。折り合い面に課題があって1900ｍがいいとは言えず、勝ち負けまでは？といった状況です。

　３日目・６月７日はＡ－２組の「しゃくなげ特別」（１６００ｍ）
　すでにオープン勝ちのあるオンワードハドソン、新春盃の勝ち馬アスタークライ、快速ウォーターディルらに、３連勝の昇り馬エバーゴールド、当地移籍後５戦３勝のアイルーロスが挑みます。特にアイルーロスは明らかに距離不足の1400ｍで苦しみながら結果を残してきました。待ちに待った距離延長だけに陣営も力が入っているようです。馬券のお勧めはこの馬でしょう。なお、一昨年の東京２歳優駿牝馬の勝ち馬ピンクドッグウッドも登録があります。ただ、当地再転入後の２戦はいずれもしんがりの大敗。今回は２月以来でもあり、まずは無事に走ってくれれば…という段階ではないでしょうか。

　４日目・６月８日はＡ－１組の「パールオープン」（１８００ｍ）
　注目は何と言ってもカツゲキキトキトの出走でしょう。かきつばた記念では地元の期待を一身に背負いましたが、結果は惨敗。ただ、ダメージはなく、今後しばらくは得意の中、長距離路線を歩みそうです。錦見勇夫調教師は「ここの勝ち方次第で次走を決める」とのことで、７月は帝王賞へ勇躍東上するのか、はたまた手堅く地元の名港盃にするのか、ローテも気になるところです。重賞の常連・メモリージルバ、ヴェリテが相手筆頭ですが、いずれも暑さに強いほうではなく、実績より出来重視のスタンスなら、前走で１分27秒５を叩き出したアイファーヴリル。他では距離を味方にブランニュー、相手なりのリョーシンンヒナタといった感じになりそうです。
　また、２、３Ｒに今年初めてとなる新馬戦が２鞍組まれています。回避馬も出そうで、２競走成立するかは微妙ですが、能試で48秒台をマークした馬もいて、前評判ではなかなか。こちらもぜひ注目していただきたいと思います。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）