【開催見解】第17回大井競馬(1/21~25 重賞:TCK女王盃[JpnIII])

2019年1月20日

 初日のメインレースはA2、B1、B2によるウェルカム2019賞で距離は2000メートル。まず取り上げたいのはワークアンドラブ。元々は中央2勝馬だが、道営に移籍してから力をつけて重賞でも勝ち負けできるレベルにまで到達。移籍初戦だった前走の東京大賞典はさすがに相手が強かったが、1秒2差の7着ならむしろ好走の部類で、時計的にも上々だった。1度使って型通り良化気配だし、大幅にメンバーが楽になっているここは絶好のチャンスだろう。スギノグローアップも昨夏からメキメキ力をつけている。重賞でも入着を果たしているし、前走は金盃トライアルで勝ち馬の大駆けにあいながらもきっちりと2着を死守。自在に捌ける脚質だけに、展開に左右されず崩れはなさそうだ。近走は一貫して大井狙いのダイリュウハヤテは金盃トライアルで4着だったが、これは距離適性の差が出た印象。2000メートルなら持ち味を存分に生かせるし、距離は違うが、2走前にはこの条件でも勝っており力量的には互角。移籍初戦を鮮やかに決めたワンパーセントは地方移籍で素質開花の予感。大型馬だけに更に上積みが見込めるし、中央では右回りで2勝だから初コースに対する不安も感じない。ただ、初距離だけに仕掛け処がポイントになりそう。人気薄ながら移籍初戦の前走で2着と好走したコアレスキングは元々は中~長距離がベストのタイプ。前走の1400メートルよりは競馬がしやすいはずだし、反動がなければここでも互角。他では前走Vで波に乗りそうな女傑ラヴェリータ産駒ワンフォーオールにも注目したい。

 

 2日目のメインレースは3歳牝馬オープンによる桃花賞で距離は1600メートル。まずは昨年末の東京2歳優駿牝馬2着、3着ラブミーピンクとマルパソを取り上げる。前者は絶好枠でロスなく進められたことはあるが、鋭い決め手を披露したし、1200メートルだったが、2走前も鋭い末脚を駆使して差し切った。メンバーのレベルも高かっただけにフロック視は危険だろう。後者は後手に回って惨敗もあり得たケースだったが、外目を回って進出して中身十分の内容だった。短距離色の強い血統背景ではあるが、距離はオールマイティーにこなせる。だが、ともに人気薄だっただけに過信は禁物。4番人気だったグレイアンジェラは道営でブロッサムC2着があるし、一枚落ちのメンバーなら素質的にも好勝負になるはず。そのグレイアンジェラを退けてブロッサムCを勝ったのがイージーナウ。今回は移籍初戦になるが、川崎の内田厩舎なら初戦からきっちり仕上げてくるはずだし、自身の力は発揮できる。1700メートルで連続して好走は地力強化の証だ。その他では園田と金沢の重賞で上位争いを演じているブレイクフリーと、出走できれば近親にエアグルーヴがいる良血リトミックグルーヴも素質は互角。

 

 3日目のメインレースは4歳以上の古馬牝馬によるTCK女王盃で距離は1800メートル。中心になるのはラビットランだろう。3歳時にはローズSを制しているが、元々はダート戦でデビューした馬だし、再びダート路線に戻してからは3着、1着、2着と安定した走りを見せている。前走のJBCレディスクラシックは惜敗だったが、着差を考えても悲観する内容ではないし、2走前には門別で行われたブリーダーズゴールドC快勝だから大井1800メートルもイメージと合う。当面の相手はアイアンテーラー。新馬でVを飾ったものの、その後はなかなか成績が安定しなかったが、昨夏に中京ダート1900メートルでレコード勝ち、JBCレディスクラシックは8着に終わったが、前走のクイーン賞では逃げて後続を3馬身突き放す快勝劇。今回は同型がいるが、スピード上位はこの馬だし、今回も自分の競馬に徹するのみ。完全燃焼の逃げだ。実績面で互角以上なのはワンミリオンス。17年のこのレースの勝ち馬でその後はエンプレス杯も制している。それから2年近く勝ち星からは遠ざかっているが、力が衰えてきた印象はない。精神面の問題に思えるだけにキッカケひとつで上位争いに加われるはず。まだ準オープンの身だが、ビスカリアはJBCレディスクラシックで6着ながら0秒6差で牝馬同士ならオープンでもやれる手応えを掴んだはずだし、休みを挟んで3連勝中のエイシンセラードも素質は一級品で目が離せない。迎え撃つ地方勢は昨年のこの舞台で行われたレディスプレリュード2、3着のブランシェクールとアルティマウェポンが大将格だが、レベルの高い明け4歳クレイジーアクセルは牡馬相手の東京湾Cを制して関東オークス3着、戸塚記念3着、ロジータ記念2着だから古馬相手でも見劣る印象はない。

 

 4日目のメインレースは4歳以上の古馬によるウインタースプリントで距離は1200メートル。一枚落ちの相手で、得意の大井1200メートルならキャンドルグラスにとって譲れない1戦だろう。この舞台で行われたアフター5スター賞3着、中央勢が相手で分が悪いと思えた東京盃が5着と健闘。その後は今回と同条件のレースに勝ち、前走の浦和1400メートルで行われたゴールドCは3着だったが、これは初コースの影響が多少あった様子。デキに変動はなく状態は高いレベルで安定している。ヨンカーは転入後3着、1着と移籍が成功した形。ベストは1000メートルに思えるが、1200メートルなら大きな減点にはならないし、オープン馬が相手でもスピード負けはしない。先週の船橋記念に登録がありながらもこちらに回ってきたサトノスピードオーにも注目したい。移籍後は(7・4・0・2)で着外がなく、オープンでも勝ち負けできることは証明済み。ただ、これまで右回りの経験が1度しかないだけに初コースへの対応がポイントになる。その他ではこの距離で13勝を挙げているプリサイスキング、ここ2戦は1600メートルで案外な走りが続いているが、短距離なら安定した走りを見せるブルージェットも面白い存在。

 

 5日目のメインレースはB1とB2によるガーネット賞で距離は1200メートル。順調に使い込まれている馬たちの信頼度が今ひとつだけに、休み明けでアライアが有力候補になりそう。大井に移籍後は(8・1・2・0)と大きな崩れを見せていないし、時計的にも安定した走りを続けている。調試時の見た目は多少余裕があるように思えたが、動きに重苦しさは感じなかったし、本番までには理想的な馬体重で出走できそう。自身の走りができれば結果はついてくるはず。前走1000万交流で4着だったモシオトゥニヤは出遅れて番手からの競馬になったにも関わらず大崩れせず、気性面での成長が窺える。時計も詰められそうな感触だし、この条件なら上位争いに加われる。前走は発馬で躓き強引な競馬になってしまったマドモアゼルサキだが、調子落ちは皆無。この馬も13秒台が計算できるだけにスタートが決まれば巻き返してくる。前走Vで復活を遂げたマックスゴーゴーは軽い馬場でも12秒台の時計があるし、元々は力のある馬。前走は逃げ切ったが、控えても競馬はできるタイプ。デビューから9戦連続で連対を果たしていたスリーフォールドは今回が走り頃の叩き3戦目。発馬が甘いのは課題だが、ひと絞りあれば本来の決め手が発揮できるはずで上位圏内。その他では近走の安定駆けが光るロイヤルサーティン、移籍初戦3着で上々の滑り出しキタサンコンサート辺りも上位を窺う。

 

(勝馬 小栗 啓裕)

 

勝馬

 

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