【開催見解】第20回大井競馬 (3/18~3/22 重賞:京浜盃)
大井開催は3月18日から22日まで5日間の昼間開催。春の訪れとともにクラシックの足音が近づいている。
20日に実施される第42回京浜盃(SII)は、3着までの馬にクラシック第一冠「第64回羽田盃(4月24日)」への優先出走権が与えられる重要なステップ。
京浜盃勝ち馬の多くはこのあと羽田盃へと駒を進めているが、過去10年だけを見ても、ナイキハイグレード、クラーベセクレタ、ハッピースプリント、タービランス、ヤマノファイトの5頭がこの後、第一冠を制覇。クラシックへ直結するレースといえるだろう。それだけに春を占う一戦として注目度は高い。今年は生え抜きも骨っぽく、完成度の高い道営からの移籍組との対戦が楽しみだ。
また、21日には2018年大井競馬場で最も活躍した人馬が選ばれた「TCK大賞」の受賞馬・受賞者の表彰式を実施。TCK大賞(最優秀賞)にはクリスタルシルバー号が輝いている。
受賞馬・受賞者は以下の通り。
■TCKホープ賞 ラプラス号、アークヴィグラス号、クロスケ号
■TCKグロリアス賞 モジアナフレイバー号
■TCKスプリンター賞 アピア号
■TCKミストレス賞 ブランシェクール号
■優秀調教師賞 藤田輝信、森下淳平
■調教技術賞 米田英世、荒山勝徳
■調教奨励賞 中道啓二
■最優秀騎手賞 矢野貴之
■優秀騎手賞 真島大輔、笹川翼
■騎乗技術賞 御神本訓史、的場文男
■新人騎手賞 吉井章
■フェアプレー賞 笹川翼
■特別賞 的場文男、吉井竜一
■最優秀厩務員賞 荒美年政(福永敏厩舎)
■優秀厩務員賞 堀田優志(藤田輝信厩舎)、小泉哲三(藤田輝信厩舎)、森木 孝(藤田輝信厩舎)、須田譲(森下淳平厩舎)、木股智康(的場直之厩舎)
さて、初日は「ブリリアントカップトライアル」がメイン。
勝ち馬にはブリリアントカップ(4月9日)への優先出走権が与えられるA2以下の1800m戦。
格下馬にも本番と同距離で出走チャンスが用意された一戦はスギノグローアップを中心視。昨年は4勝、2着3回という好成績をあげた上がり馬。東京記念4着に続いての重賞挑戦した前走の金盃では長丁場を最後まで好位で粘って結果8着。短期放牧後を挟んでリフレッシュし、自己条件なら負けられない。
ひと息入ったモンスターキングは、中央500万下からの移籍以来6戦して3勝、2着1回、3着1回と好走続き。格上馬への挑戦になるが実力は遜色なくどこまで食い込めるか。
ペイシャゴンジセは東京記念5着、金盃7着とオープン馬に揉まれて力をつけてきた一頭。追い込み一手で流れ次第では豪快に突き抜ける。
2日目「隅田川オープン」は華やかな顔ぶれ。
重賞勝ちこそないがUAEダービー3着するなど中央から鳴り物入りで移籍してきたゴールデンバローズにとっては3走目の今回は正念場となる一戦。前走の報知グランプリCでは中団から外目を上がっていったぶん最後の切れ脚が鈍って4着。展開が向かなかったこともありマイルへの距離短縮するのはプラスに働きそう。これまで挙げた6勝はすべて左回りであり、地元大井の右回りをスムーズにこなせるかはひとつの壁になる。
3歳時には羽田盃、東京ダービーを制した二冠馬ハッピースプリントが、長期休養から道営移籍を経て、南関東に再転入。すでに8歳になっているが復活劇を期待したい。報知グランプリCから始動予定が抽選除外となり、出走が1ヶ月ほど延びたがそのぶん乗り込み量も増え態勢は整った。
休養明けになるバルダッサーレは東京ダービー馬ながら適性はマイル。ひと叩きされた上積みは十分。
安定した成績を残しているバンドオンザランだが、このところ抽選漏れ続き。重賞勝ちしている大井コースで自在な脚で立ち回る。
3日目は「第42回京浜盃」。
これまでしのぎを削ってきた3歳トップクラスに加えて強力な移籍馬も加わり、2019年クラシックを占う見逃せない一戦になった。
平和賞、雲取賞と重賞2勝ヒカリオーソの新たな引き出しに期待。
どちらも逃げ切っているが気性面の成長顕著で抑えた競馬にも対応できる。トモの強化でギアが一段階上がった。
全日本2歳優駿で地方最先5着したウィンターフェルが南関東入りして始動。ゲートの課題はあるが素質の高さは相当にもの。間隔はあいたが緒戦から十分通用。
ハイセイコー記念2着以来になるシビックヴァーゴは乗り込み量豊富で好仕上がりな実力馬。精神面も強化されている。
前走ではレース前半で気を抜く点もあったが、スイッチが入ってからは長くいい脚を使ったアギト。
雲取賞で13番人気ながら3着に飛び込んだ成長株カジノフォンテン。牝馬ダートグレードで活躍した重賞6勝の女傑ジーナフォンテンを母に持つ
移籍緒戦ホワイトヘッドは北海道2歳優駿で追い込んで4着の切れ者。
4日目のメインは「ダービースタリオンマスターズ賞」。
大井1000mのオープン競走は2017年から設けられた超電撃戦。
この距離でオープン競走が実施されるのは斬新な取り組みとされたが、これを機会に新馬戦時だけでなくB級、C級でも1000m戦が組まれるようになった。
昨年までは「弥生賞」として行われていたが、前年の優勝馬アピアが今年も断トツ。1000m戦は6戦して負け知らず。船橋記念連覇、習志野きらっとスプリントと1000m重賞3勝している。ベスト条件でどんな強い競馬を見せるのか楽しみでならない。
中央時代には短距離で5勝しているドラゴンゲート。大井コースは3度目になるが1000m戦でダッシュ良くスピードを生かすことができれば。
穴ならアポロナイスジャブ。アピアから流しても高配当になりそうだ。先行してバテるレースが続いているが、転入時の連勝はインパクト大きく、息の入らない1000mで進境見せるかも。
最終日のメイン「若葉賞」はB1二組、B2二組による1200m戦。
本命はマックスゴーゴー。前走こそ先手が取れず苦戦したが、B2、B1と連勝した快速馬で、巻き返しを期待する。
相手はデニストン。1200m戦でも抜群の切れ脚で毎回確実に伸びてくる。休み明けは一戦ごとにタイムも詰め上昇急。
南関東移籍後は短距離の差し馬として安定した走りを見せてきたレベルスリー。
競馬ブック 中川明美