【開催見解】浦和競馬（2020/1/14～17　重賞：ニューイヤーカップ）

　令和元年度、第12回浦和競馬は１月14日から17日までの４日間開催。開催２日目の15日には重賞のニューイヤーカップが行われる。明け３歳馬、初の重賞であり、昨年はトーセンガーネット（南関東牝馬２冠）、一昨年はヤマノファイト（羽田盃）、３年前はヒガシウィルウィン（東京ダービー、ジャパンダートダービー）が制している出世レース。今年も必見の一戦だ。

　開催初日のメインはＢ２三組・Ｂ３一組による1400メートル戦の迎春特別。ツーエムカイザーは休み明けの前走を見事な逃げ切り。脆さはあるが、自分の形に持ち込めれば実に渋太い。反動なども見られないだけに、あとは同型エスシーエイトとの兼ね合いひとつだろう。引き続き主戦の森騎手が鞍上なのも強調材料。ブルーローズは勝ち味には遅いが、スッと流れに乗れるレース巧者で抜群の安定感。課題は最後の詰めだけ。同様にティースワロも堅実な走りを続けていて、現在2018年の９月から13戦連続の掲示板。明けて８歳になったが元気一杯。今回もまず上位争いに。ハヤブサライデンの前々走は距離2000メートル、前走は勝負どころで不利と前２走の敗因は明らか。３走前の1400メートルでは３着。デキ落ちはなく、ここは見直し。川崎のエルフィは休み明けでも鉄砲で勝ち鞍。前々走の浦和1400メートルでは１分27秒５の好時計で勝っており、復帰緒戦から軽くは扱えない存在。

　２日目のメインは３歳馬による重賞のニューイヤーカップで距離は1600メートル。前記した通り、近年は南関東クラシックへ直結する重要な一戦となっており、今年も好メンバーが揃った。まず注目は川崎のグリーンロード。何しろ７馬身差で圧勝した前走の時計１分42秒４は前日の全日本２歳優駿の勝ち時計と０秒５差という非常に優秀なモノ。その全日本２歳優駿を勝ったヴァケーションと同じ高月厩舎の所属で、父は南関東向きのパイロ、そして鞍上は森騎手。間違いなくクラシックを狙える大物だろう。初コースで当日の気配には注意したいが、枠順は２番枠と恵まれた。力通りなら重賞初制覇有望。ヒイロメープルは先行力があっていかにも小回りの浦和向きといったタイプ。この馬の父もパイロ。鞍上は吉原騎手で、自分の形ですんなりと先行できれば重賞でも十分通用。過去６年で優勝馬を３頭送り出しているのが小久保厩舎。今年はファルコンウィングとチョウライリンがエントリー。ファルコンウィングは前走が圧巻の大差勝ちで、チョウライリンは鎌倉記念５着、平和賞３着、ハイセイコー記念３着と２歳重賞路線で堅実な走り。地の利も味方にここも上位争いへ。

　３日目のメインはＡ２・Ｂ１による新春賞で距離は1500メートル。フランシスコダイゴはスプリンターと思っていたのだが、初の１周競馬だった1400メートルの前走を４馬身差の完勝。あの内容なら100メートル延びて1500メートルになっても割り引く必要などなさそう。移籍後２、２、１着。このクラスでは力上位の存在だけに、道中スムーズに運べれば連勝の期待十分。アドミラルティはＢ１下条件を逃げて連勝中。完全に軌道に乗ったとみていい。格上相手でも自分の形さえ持ち込めればひとクラス上の力を発揮するタイプ。ここでも互角以上に。スマートドレイクは好位から抜け出してきた前走が実に強い内容。あの走りができれば昇級してメンバー強化でも大きく崩れることはないはず。他では休み明けのトーセンボルガ、ファーストスキップ、フォクスホールあたり。いずれもこの条件ならあっさり勝って何ら不思議はない力量馬。当日の気配優先ではあるが、無視するのは危険。

　開催最終日のメインはＢ２一組による1400メートル戦の睦月特別。マーガレットスカイは移籍緒戦になるがＪＲＡで２勝、２勝クラスで掲示板が２回あり、休み明けの前走で０秒６差の５着に入っての南関東Ｂ２転入。これは明らかに恵まれており、機動力があるので小回りの浦和コースも問題ないはず。また兄ヒコーキグモは大井デビューで５勝と、地方のダートもＯＫの血筋。揉まれずスムーズなレース運びができればＶ発進の期待大。ツルマルキングオーはＡ２下で４着、４着ときてのＢ２降級。３走前には今回と同条件を完勝していて、流れさえ向いてくれればまず勝ち負けに。船橋のグラッブユアダイヤは浦和で４戦して１着、２着、２着、１着。今回も浦和照準のローテーションで順調に乗り込めており、勝って同条件なら重視は当然。ダイヤルミナスも同様に浦和狙い。ちょっと間隔は開いたが、長期休養明け３戦目で要注目。川崎のブレークオンスルーも叩き３戦目で躍進を警戒。

　（ケイバブック・齊藤大輔）