【開催見解】第3回門別競馬(5/15~22 重賞:赤レンガ記念)
第3回門別競馬展望
前開催は重賞レースこそ組まれていなかったものの、前後節の4日間ともに12レース編成で出走頭数も揃って番組も充実していた。全国の地方競馬の売り上げは毎年のように増加の一途を辿っているが、今年のホッカイドウ競馬も計画費で130%近い数字を残しており、今年も堅調に推移している。なお、フレッシュチャレンジ競走は全6鞍行われ、将来有望な2歳馬も次々と誕生。来月に行われる栄冠賞は、粒揃いのメンバーになるのは間違いなさそう。今開催は伝統の古馬重賞「赤レンガ記念」が3日目に行われる予定だが、絶対王者スーパーステションの登録も見られている。また、今開催から、1200m、1800mの条件戦のフルゲートは、12頭から14頭に変更されている。
【重賞レース】
○5月21日 第56回 赤レンガ記念登録馬 3歳以上オープン 距離2000m
・スーパーステション
・バスタータイプ
・ドラゴンエアル
・クラキングス
・ステージインパクト
・モズオトコマエ
・エスシーレオーネ
【展望】現在、僅か7頭の登録しかないのは寂しい限りだが、開幕緒戦のコスモバルク記念を連覇したスーパーステションが登場予定。昨年はドラゴンエアルにクビ差に迫られていたが、今年は2着のオヤコダカに9馬身差をつける圧勝ぶり。明け5歳を迎えて、さらに進化した姿を見せつけた格好。昨年同様のローテーションで、この赤レンガ記念に歩を進めるが、久々を叩いた反動もなく、この中間も順調な調整過程。絶対王者が今回も万全の態勢で臨めそうだ。門別2000mは3戦3勝の実績を築いており、死角は見当たらない。昨年のドラゴンエアルは、スーパーステションと顔を合わした4戦ともに後塵を拝す結果になり、前走のコスモバルク記念も完敗しているが、馬券の対象外になったのは地方交流重賞であるマーキュリーCの4着だけであり、その安定感あるレースぶりは今年も健在。モズオトコマエは昨秋に金沢へ2度遠征。地方交流重賞の白山大賞典はスタートで後手を踏む不利があり結果が出せなかったが、6カ月ぶりとなった前走のオープン特別では、重目残りの馬体ながらも完勝。5歳牡馬の成長力を考えると、今年の注目株になっても不思議ではない。以下、コスモバルク記念4着ステージインパクト、格下ながらも、開幕から2連勝中のエスシーレオーネも2着争いの一角を狙える存在だろう。
【初日特別3鞍】
○5月15日 10R チューリップ特別 3歳以上C1-2組以下 距離1200m
1.メイショウカゲロウ
2.メルトポイント
3.バッテリーパーク
4.オープンアーム
5.インテンスハート
6.ローツェフェイス
7.ボンネット
8.リュウワンゴーゴー
9.カツゲキビレッジ
10.メサヴェルデ
【展望】大型馬ボンネットは叩き2走目となった前走が、テンから積極的に飛ばして後続を封じる着差以上の強さを演じている。開幕緒戦となった前々走で初めて馬券対象から外す結果となったが、その汚名をキッチリと返上したあたりは、この馬の底力といえるだろう。今回の坂路では前走時を上回る36秒3の好時計。この勢いは本物だ。相手筆頭は南関東から転入後、堅実にまとめているリュウワンゴーゴーだが、叩かれつつ馬体が引き締まってきたメルトポイントも、そろそろ圏内浮上を一考したい。実力馬オープンアームの変わり身も要注意。
【厩舎談話】
1.メイショウカゲロウ 時計の出ない馬場ですから、この2戦とも力は出していると思います。馬場が渋ってくれれば話は別ですが、勝ち負けまではどうでしょう。
2.メルトポイント もっとやれるはずの馬なんですが、前走も物足りなさを感じる内容でした。今回はブリンカーを着けてみますので、効果が出るといいですが。
3.バッテリーパーク 冬場に使われていた強みを発揮できていない現状ですから、大きな変わり身は望みづらいです。距離短縮がプラスに出るようならいいですが。
4.オープンアーム 前走は決め手を欠いたものの、休み明けとすれば悪くない内容です。叩かれたなりの変わり身は見せてくれるはずです。前進を期待したいです。
5.インテンスハート パッタリとやめてしまった転入緒戦と比べれば、前走は踏ん張りが利いていました。あとはどれだけ時計を詰めていけるかだと思います。
6.ローツェフェイス 前走は休み明けで動けませんでした。叩かれた効果が見られますので、一変とはいかないまでも、今回は前走のようなことはないでしょう。
7.ボンネット 前走は動いてくれましたね。あれが本来の走りです。中間はいい動きで、上昇味を感じます。相手は強化されましたが、見劣らないと思います。
8.リュウワンゴーゴー ここ2戦はどちらも強い馬がいましたが、この馬自身のパフォーマンスは安定しています。ここも崩れず頑張ってくれると思っています。
9.カツゲキビレッジ 距離を延ばした前走は流れに乗れたとはいえ、最後は苦しくなってしまいました。距離を戻しますが、一変とまでは。
10.メサヴェルデ シーズン2戦目でも前進がありませんでした。ひとつでも着順を上げてくれればとは思いますが、大きな期待はしづらいです。
○5月15日 11R 藤特別 3歳以上B4-2組以下 距離1800m
1.イルミナーレ
2.ウインディシティー
3.バトルハクオウ
4.スピリア
5.センノデバギヤ
6.スターオブソレイユ
7.ビービーボヌール
8.ゴッドスパロウ
9.シーホース
10.キングリーフィスト
11.レゲーラ
【展望】キングリーフィストは中央未勝利のあと、園田に転入して1勝、昨秋には笠松に移籍して3連勝をやってのけている。今回は5カ月ぶりの実戦となるわけだが、直前のゲートから伸ばされた動きなら、久々でも力を存分に引き出せるだろう。笠松B2クラスを圧勝するくらいだから、勿論、能力は足りるはず。中央500万クラスに在籍していたシーホースが、転入2戦目の前走で変わり身を見せた。控える競馬が合っている印象だから、距離延長はプラスに働くはず。これが逆転の筆頭候補。同様なことはゴッドスパロウにも言えるかもしれない。先月末まで使われての入厩だから、仕上がり面にも不足はない。好調を持続しているバトルハクオウも上位争いは必至か。
【厩舎談話】
1.イルミナーレ 前走後も順調にきています。もう少しやれていい馬だと思いますが、前走が案外でしたからね。2戦目で前進してほしいですが、半信半疑です。
2.ウインディシティー 着順は上がっていませんが、使われながらコンディションは良くなっています。このクラスでもヒケは取らないはずです。
3.バトルハクオウ もう少し体が増えてくれば、パワーも増すと思うのですが、なかなか理想とする馬体になってくれませんが、上位争いの圏内にはいるはずです。
4.スピリア 好調時と比べて大人し過ぎますし、今年はまだスイッチが入っていない感じがします。掛かるくらいの気合が出てほしいですね。
5.センノデバギヤ 前走を叩かれて相応の変わり身は示しています。まだベストではありませんが、地力のある馬ですから、今回はもう少しやれていいと思います。
6.スターオブソレイユ 転入後の2戦は目立つ内容ではありませんが、門別への適性があると判断していいのではないかと思っています。状態も良くなっています。
7.ビービーボヌール 前走はスタートで躓いてしまいましたからね。でも、走りには復調が見られました。距離さえ対応してくれれば、もう少しやれるのでは。
8.ゴッドスパロウ 近況が良くないのでなんとも言えませんが、中央の500万条件で走っていた馬ですから、このクラスへの編入は有利。悪くない仕上がりです。
9.シーホース 前走のようにタメを作ってやった方がいいです。序盤の折り合いが鍵ですが、うまくクリアできれば、勝ち負けの期待も持てそうな気がします。
10.キングリーフィスト ゲート練習での動きが良かったですし、能力を感じます。長い距離にあまり実績はないのですが、うまく流れに乗れればこなせそうです。
11.レゲーラ 本来の走りではないものの、前走は悪い内容ではなかったと思います。使われながら心身のバランスも取れてくるでしょう。前進してくれるでしょう。
○5月15日 12R たきかわ菜の花まつり特別 3歳以上B4-2組以下 距離1200m
1.ブルーフォース
2.アイアンブルー
3.ペンタス
4.ヨシノファルコン
5.リボース
6.シンデレラマキ
7.ラヴァクール
8.ネル
9.ツル
10.ディーズアマーレ
11.クインズジャーニー
12.センコーハーバ
13.タケショウパイロ
【展望】アイアンブルーの前走は久々の短距離戦ということもあって、前半はついて行けず追走に汲々としていたが、エンジンがかかってからはアッという間に進出。直線1ハロンからは独走の形に持ち込んでいる。今回も坂路の動きも迫力満点。短距離に適性を見出した以上、ここを勝てば、スプリンターの重賞戦線に名乗り出るかもしれない。2着惜敗続きのクインズジャーニーは、8歳という年齢を感じさせない充実ぶり。どんな競馬でもできる点で展開に注文がつかないのが大きな武器だが、早目に抜け出せることが可能なら、ゴール前はかなりの抵抗を見せそうだ。今回の坂路で35秒7の好時計をマークしたネルとタケショウパイロが一角崩しへ虎視眈々。
【厩舎談話】
1.ブルーフォース ひと叩きして流れに乗れたのは良かったですが、終いがもうひとつでした。まだ上積みがありますから、前走以上に走れる手応えはありますよ。
2.アイアンブルー 心配していたゲートも気になりませんでしたし、短距離にも対応してくれました。あの内容なら、まだまだ楽しみがありそうです。
3.ペンタス 前走はスタートのタイミングが悪く、位置取りが悪くなってしまいましたからね。力負けとは思っていません。巻き返しといきたいところです。
4.ヨシノファルコン パワーよりもスピードが優先するタイプですので、今のタフな馬場状態は向かないですね。同型馬をうまく捌ければ脈はあると思います。
5.リボース 前走もこの馬なりに伸びてはいるんですが、いい時ほどの鋭さが見られません。状態自体は悪くありませんから、もうひと伸びしてほしいところです。
6.シンデレラマキ 馬体が回復傾向にあるのは何よりです。着順は落としましたが、悲観はしていません。展開次第にはなりますが、機はあると思っていますよ。
7.ラヴァクール 勝負どころで手応えがあって伸びないのは、メンタルな部分に原因があるのかもしれません。いつ走ってもいい馬ですが、まだ掴みづらいです。
8.ネル ここ2戦とも終いはしっかり伸びていますね。状態も変わらずきていますから、流れひとつではチャンスもあるのではないかと思っています。
9.ツル 前走も着順は悪いですが、使ったことによる良化の跡は見られました。叩き良化タイプといえる馬なので、今回の方が動けるのではないかと思っています。
10.ディーズアマーレ 勝ち馬には離されましたが、この馬らしい走りが見えた前走でした。これがキッカケになってくれれば。まだ奥があると思っています。
11.クインズジャーニー 前走は前で流れに乗れましたし、緒戦よりいい内容だったと思います。疲れも見られませんので、同じくらい走れるはずです。
12.センコーハーバ 緒戦より着順が上がった前走ですが、集中力という面では課題が見え隠れしていました。自分本位のレースをさせた方がいいのかもしれません。
13.タケショウパイロ 前走は頑張ってくれましたが、まだ完全復調とは言い切れない面がありますね。今回は条件もB級との混合ですから、アテにはできません。
(競馬ブック・松本英博)