【開催見解】金沢競馬 県営第6回[通算第6回]前半(6/2・4 重賞:石川ダービー)
2019年度・第6回の金沢競馬は、6月2日(日)、4日(火)、9日(日)、11日(火)の4日間。なお、前開催終了後の水曜日にコース内側に砂が補充されております。ここでは「石川ダービー」も行われる前半週の展望を。
2日(日)はA級・B級は組まれておらず、後半2つのレースの展望を。
10Rは「もらってうれしい楽天スーパーポイント賞」(C2-2・1400m)
全馬が連闘。近走比較からも抜けている馬は見当たらず、大半が圏内と言える大混戦。7頭が出走した5/26・C1-6は中央1勝の格上馬が圧倒したレースで、4~8着の差は展開などでいくらでも変わる範疇。ここも快足アガタピアスのハイペース逃げが濃厚も、それ以外の位置取りがハッキリ分からないのも難解さに拍車。
前走内容や枠順的にはクワイトファインが連軸には最適か。昨季の不振から脱しており、スムーズに運べた時は上位争い。メンバーや馬場差などを考慮しての比較では優位に立つ。
狙って面白そうなのはヤマカツクリスエス。前走はひと息入った後でもあった。3~4角は内から進出して見せ場は作りながら8着まで後退は深い内を走った分も。連戦できる今回の方が動けるはず。今季好走時より相手は強いものの、気になるほどの差は感じない。
スタートに課題は残るグッドミルだが、内枠からでも挽回して好位外に付けた前走のように運べれば1400mでも問題ないはず。妙味がありそうなのはアガタピアス、ポルカ。共に前走よりレースしやすい顔ぶれになったことでの変わり身があってもいい。
最終11Rは「ロベリア特別」(C2-1・1500m)
気温上昇での良化と前々走からハミを換えたことが相まって走りが良くなっているスパートパートナーは勝機のメンバー。同じ連闘の他馬は中4日の強行軍が大半も、本馬は日曜→日曜なので心配なさそう。詰めるようにはなってきているマイネルパロサント、内枠から解放された実力馬ヒロインボーイ、前走の敗因がハッキリせぬものの力上位プリティエレガンスも上位候補。
4日(火)のメイン(11R予定)は「重賞 第3回石川ダービー」(3歳・2000m・JBC協会協賛スピルバーグ賞)
1999年~2004年の7月に行われていた「日本海ダービー」が復刻する形で一昨年に新設され、ダービーシリーズの中に組み込まれて3年目。
※記念すべき第1回は今年より遅い6月20日に行われ
1着 ヴィーナスアロー 吉原寛人 2分13秒1 2番人気
2着 ゴールドハリアー 桑野 等 21/2 6番人気
3着 サッキーヘラクレス 中島龍也 クビ 3番人気
馬単11160円 3連単66930円
先行争いが激しくなって、人気のヤマミダンスが厳しくなり、差し勢台頭の決着に。
※昨年の第2回は今回とほぼ同時期の5月29日に行われ
1着 アルファーティハ 吉原寛人 2分12秒1 3番人気
2着 サノノツルギ 岡部 誠 3馬身 2番人気
3着 ノブイチ 藤田弘治 5馬身 1番人気
馬単7900円 3連単16730円
馬場的に1周目スタンド前で動いて先頭の好判断が光ったアルファーティハの優勝。
まだ2回とはいえ、大半が初距離になる大一番の難しさなのか、順当には決まっていない。一冠目「北日本新聞杯」からの二冠達成とはなっておらず、「2~5着馬の巻き返し」「北日本新聞杯に出走していない馬」が1~3着という結果。今年は果たして…。
メンバーは、スターキャデラック、ニューホープ、ロンギングルック(以上3頭は優先出走)、サノオーソ、チクリ、マナミラー、スタークィーン、ソレイケヤッコ、ジュウワンマックス、ミリオンピエール、セイガイハ、アクティヴローズ、が出走予定。
(回避馬が出た場合はテンブン、ミエルミエーレ、トーセンルビーの順に繰り上がる)
主役は転入後3連勝で北日本新聞杯を制したスターキャデラック。その前走は最後詰め寄られる結果になったが、スタートしてすぐコーナーの1700mでは不利な大外枠や中1週のローテの影響もあったはず。それを思えば基本性能が上だったという結果。最大目標のここに向けての中間だが、掛かる気性で少し調整の難しいタイプながらも1週前に好時計の追い切りを消化して、うまくガス抜きしながら順調には推移しているように映る。目立つような新勢力の台頭もないだけに、どういう枠順や立ち回りになるかだけの相手関係でもある。吉原寛人騎手も3連覇に燃えているはず。
最後は猛然と迫った北日本新聞杯2着ニューホープが逆転候補1番手。少し直線の進路取りが難しかったのが悔やまれる着差ではあったし、「次は…」と思わせる内容。態勢的にも、目標のここに向けて更に上積みが見込めそう。気性や折り合い面から、位置を取りに行ったり、自ら動いて行くようなレースをしていない点がどう出るかだけ。
北日本新聞杯3着の生え抜きロンギングルックもこれまで以上の猛追い切りを消化して臨む。好展開に思えただけに直線で甘くなった前走はやや力負けの感はあったが、まだ上積みが見込めるし、母系も長距離向き。
素材の良さでは負けていないチクリも通用していい。昨年覇者アルファーティハの弟でもある。3走前1700mでスターキャデラックらに完敗しているものの、不安のあったゲートも徐々に落ち着いてきてスタートも安定、前走も転入後一番の強さだった。スンナリ先行できると楽しみ。
能力では負けていないサノオーソだが、北日本新聞杯を取消後、ぶっつけ本番というのがどう出るか。集中して走れた時のジュウワンマックスも上位浮上の可能性あり。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)