【開催見解】第4回水沢競馬(6/9~6/18 重賞:東北優駿(岩手ダービー)、みちのく大賞典)

 2019年度の第4回水沢競馬は6月9日から前半3日間、6月16日から後半3日間の計6日間開催される。

 

 前半週の最注目レースは初日(9日)に行われる、3歳馬による重賞競走『第27回東北優駿(岩手ダービー)』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は16頭。

 全馬初距離。上半期の総決算レースだが、今年の3歳戦線はすでにグレートアラカーが他馬と勝負付けが済んでいる印象。5月4日に行われた前哨戦・やまびこ賞(水沢1900m)が2着馬に7馬身差のぶっちぎり。距離延長は望むところと言っていいタイムパラドックス産駒。2歳シーズンを早々に切り上げて、たっぷり休養をとることで成長を促しており、上昇力という点でもナンバーワンの存在。さらに言うと、唯一未対戦だった同オーナーのスナンビンが門別へ帰ったことで、死角は皆無となった。

 焦点は次位争いとなるが、有力なのは快速馬・パンプキンズ。やまびこ賞は前記した通り、千切られたわけだが、グレートアラカーに2番手にピタリと付けられ、4コーナーで交わされるという苦しい展開ながら、3着以下には7馬身差をつけて2着を確保。2番手の評価に揺るぎはない。

 出走してくるようならパンプキンズを脅かす存在になるのは牝馬ナンバーワンのエムワンピーコ。デビュー戦2着のあとはここまで6連勝。この中にはパンプキンズに競り勝った11月26日の2歳B1戦が含まれており、牡馬相手でも潜在能力はヒケをとらない。ただし、今春の最大目標だったグランダムシリーズの日高賞を使えなかったように、繊細なタイプで調整に苦労している印象。

 次群はリュウノボサノバ、トーセンロブロイ、サンエイムサシといったところだが、キャリア的に伸びしろ大きいトーセントルマリン、ヤマトタケル、バイクミリオンなども3位を狙える素材。

 

 後半週の最注目レースは4日目(16日)に行われる、3歳以上オープン馬による岩手競馬伝統の重賞競走『第47回みちのく大賞典』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は14頭。

 主役はこの競走3連覇を目指すエンパイアペガサス。前走は4月25日のオグリキャップ記念(笠松2500m)に遠征して4着。昨年は大差勝ちだったが、今年は地方全国交流の名に相応しい強力なメンバーが顔を揃えたものであり、マイナス感はない。岩手でデビューして5シーズン目となるが、盛岡・水沢の競馬において、マイルを超える距離で負けたのはダービーグランプリの2着とマーキュリーカップ(Jpn3)の7着だけ。岩手所属馬に先着を許したことは1度もなく、今回も信頼の主軸となりそう。

 次位筆頭は前哨戦・あすなろ賞(盛岡ダ1800m)を悠々と逃げ切ったハドソンホーネット。ここまで船橋→水沢→門別→水沢→船橋と籍を替えてきた5歳馬。通算8勝はすべて左回りでマークしてきたものだが、水沢の2000mは3歳時に岩手ダービー・ダイヤモンドカップ2着があり、中~長距離の逃げタイプであるこの馬には悪くない条件のはず。

 良化次第で単の可能性を秘めるのはサンエイキャピタル。長期休養明けの前走・シアンモア記念(水沢1600m)は急仕上げを隠せず離れた4着と敗れたが、昨年の不来方賞(盛岡ダ2000m)で全国区のチャイヤプーンに競り勝っている素質の持ち主。デビューから大きな故障が2度あったため、キャリアはわずか6戦(5勝)。この馬が復活してくれば今年の古馬戦線は盛り上がる。

 前哨戦・あすなろ賞2着のチェリーピッカーは昨年のこの競走の2着馬。3歳時に京浜盃(大井1700m)2着、羽田盃(大井1800m)5着という下地を持つグランユニヴェール。底力勝負の2000mが舞台なら、常識的にこのあたりまでの争いと考えたい。

 なお、この競走の1着馬には7月15日に行われる重賞『マーキュリーカップ(Jpn3)』への優先出走権が与えられる。

 

(文:エイカン 内山達明)

 

岩手 エイカン

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