【開催見解】第5回川崎競馬(7/18~23)
川崎競馬は7月18日(木)、19日(金)、22日(月)、23日(火)の週末を挟んだ変則4日間のスパーキングナイター開催。
今開催には重賞はないが、18日には準重賞のスパーキングサマーチャレンジを実施。1着馬にはスパーキングサマーカップ(8月22日)への優先出走権が与えられるトライアルレースだ。
場内では「夏休みファミリーフェス」がスタートし大人も子供も楽しめるイベントが盛りだくさん。
7月18日~23日の第1弾は、リニューアルした内馬場のサンサン広場で「ボルダリング体験」や「スラックライン体験」ができ、対戦型競馬ゲーム「ファミリージョッキー」ではエアロバイクを漕ぐと馬が進んでジョッキー気分が味わえる。
22、23日には「ばんえい十勝 in 川崎」イベント。十勝からばん馬がやって来て、ばん馬馬車が運行され、エサをあげたり、背中に乗ることもできて夏休みを満喫しよう!
初日のメインレースはA2下の「スパーキングサマーチャレンジ」。
第16回スパーキングサマーカップのトライアルとなるマイル準重賞。
注目はトキノパイレーツ。気性面の課題を抱え、レースでの難しさはあるが、中央時代にはあのルヴァンスレーヴとコンマ差の競馬をしていた実力馬。前走の川崎マイラーズでは1番枠がアダとなり後方からの競馬になったが、それでも終いの伸びはよく4着。持ちタイムも大幅に詰めて収穫があった。前走後は間隔をあけてじっくり乗り込むと馬体にも幅が出て、心身共に成長が期待できる。A2クラスへ降級して自己条件となれば負けられない一戦だろう。
相手筆頭はサウスアメリカン。中央から転入してちょうど一年になるが6勝を挙げている。後方からの脚質で取りこぼすレースもあるが終いは確実に伸びてくる。
サーヒューストンの前走は発馬で躓くロスがありながら早め動く鮮やかな勝利。B1クラスから挑むが川崎コースは3戦してオール連対と相性抜群だ。
2日目はメインはB2二組・B3一組の「三浦すいか特別」1500m戦。
この競走の副賞には約60キロもあるビッグな三浦すいか贈られる夏恒例の名物レース。
ベルサーリオは自在に立ち回れる脚質を武器にここまで6勝。昨年の後半は骨折で頓挫したが、復帰してからも崩れたのは1戦だけ。敗因は右回りとはっきりしている。相手は格上になるが、引き出しの多さで今回も流れを捌いて連勝を期待する。
直線勝負に懸けるシェリーカスクは展開に左右されがちだが、今開催より落馬負傷から騎乗復帰した今野騎手の手綱で決め手を生かす。
中央からの移籍緒戦になるウインメディウムは川崎コースにはB2下の条件交流レースに2度参戦し、逃げて2着、1着という実績。ダッシュを決めていきなりからでも好勝負に。
3日目「ばん馬が川崎競馬場にやってきたよ記念」はB2一組の1500m戦。
ユニバーサルライトを中心視。前走の同じ川崎1500m戦ではあっさり先手を取るとハイピッチで軽快に飛ばし、直線ではみるみる差を広げて8馬身差の圧勝。元々はクラシック候補の一角で東京ダービーにも出走した地力馬。長期休養明け5は3着、2着、1着と勢いを増している。ここは通過点になりそう。
川崎に移籍してから7勝を挙げているグレートコマンダー。その多くは先行できたときの結果。前走は大外枠から2番手で逃げ馬を見ながら折り合うと直線交わして抜け出した。名古屋、川崎と9連勝中だったブースターの連勝をストップさせるかたちになった。
キングオブポップは前走の大井で逃げ切ってリズムを取り戻すきっかけになった。初めての遠征競馬で、川崎コースへの対応がカギ。
最終日メインは2000mのオープン特別「文月オープン」。
センチュリオンは中央8勝。マーチテークスを勝ち、昨年の白山大賞典2着、名古屋グランプリ4着とダートグレード競走での好走が光る実績馬。今春に浦和へ移籍すると緒戦を快勝し、前走の大井記念ではモジアナフレイバーの2着。重賞戦線でも注目していきたい実力の持ち主だ。小回りへの対応力は実証済みで、あとは馬体面。間隔が開いたことで絞った馬体が戻っていなければいいが。
クラシックホースのヤマノファイトは一時はリズムを崩しているように見えたが、前走は並み居る有力馬を5馬身突き放してスカッとするような勝利。報知オールスターカップ勝ちのある川崎コースで連勝を狙う。
ジャーニーマンはサウスヴィグラス産駒ながら2000m以上で3勝挙げる好適性。すんなりハナを切れさえすれば粘り強い。
前開催で南関東緒戦を迎えたフリビオン。高知では9連勝で西日本ダービー制覇し高知優駿や珊瑚冠賞など高知競馬を席巻した時期もある。川崎入厩当初はカイバ食いが悪かったが歯の治療を施したことで解消。左回りもスムーズなことから新天地での復活を期待したい。
(競馬ブック 中川明美)