【開催見解】第14回門別競馬 (10/15~24 重賞:サッポロクラシックカップ)
第14回門別競馬展望
前開催は重賞4鞍。3日目に行なわれた第19回サンライズカップは、北海道2歳優駿に直結するレースだが、正攻法から直線で抜け出した1番人気のヨハネスボーイの外をアジュバントが並びかけ、その外からティーズダンクが堂々と差し切って重賞初制覇。予想外に重めが残ったヨハネスボーイが、大一番での巻き返しは十分にありそう。
4日目の第14回道営スプリントはJBCスプリント指定。名うてのスプリンターが顔を揃えたが、絶好のスタートから、一旦、好位に控えたアップトゥユーが早めに抜け出し、大外強襲のメイショウアイアンを抑えて、ローレル賞以来の重賞制覇を飾った。
5日目の第52回瑞穂賞は上位人気3頭の争いになったが、2番手から4角先頭に立ち後続を封じたバルダッサーレが完勝。これでホッカイドウ競馬に転入して無傷の3連勝。もともと道営記念を視野に入れての移籍だったが、絶対王者スーパーステションとの対決が今から楽しみになった。
6日目の第22回エーデルワイス賞は、過去10年、JRA5勝、地方5勝と地方勢が互角に渡り合える唯一のダートグレード競走だが、揉まれない外々をうまく立ち回れた伏兵コーラルツッキーが、4角先頭から逃げ込みを図るアザワクをゴール寸前で捉えて、2歳女王の勲章を手に入れた。個人的に注目していたJRAのウィーンソナタはスタート直後に寄られる不利がすべてで、初めて砂を被るなどキャリアの浅さを露呈した格好。
さて、今年も残る開催は2回12日間。今開催の重賞は後節6日目のサッポロクラシックカップの1鞍だけだが、各陣営もラストスパートの思惑もあり、充実した熱戦が繰り広げられそうだ。
【重賞レース】
○10月24日 第6回サッポロクラシックカップ登録馬 2歳オープン 距離1200m
・コーラルツッキー
・アザワク
・ヘイセイメジャー
・マナホクレレ
・モリノブレイク
・レインズパワー
・エンジェルパイロ
・ノーザンヴィグラス
・テーオーブルベリー
・レッドシャリオン
・サンオブロジータ
【展望】エーデルワイス賞の1、2着馬コーラルツッキーとアザワク。イノセントカップの1、2着馬ヘイセイメジャーとモリノブレイクが登録してきた。実績面では、この4頭が他馬を一歩リードしているのは確かだが、中1週で激戦直後というローテーション、牡馬牝馬の差を考えると、やはりヘイセイメジャー優勢に落ち着くだろう。勿論、気性面での成長が窺え、控える競馬で距離1200mを克服したアザワクも相当な器であることに変わりはない。うまくハイペースに乗じたコーラルツッキー、7戦6連対のモリノブレイクが一角崩しへ。他では、末脚が安定しているノーザンヴィグラス、短距離に戻してきたサンオブロジータも差はなさそう。
【初日特別3鞍】
○10月15日10R 日高町フルーツほおずき特別 3歳以上B4-2組以下 距離1700m
1.バンカブルスター
2.センノデバギヤ
3.バッテリーパーク
4.エストレラブランコ
5.スピリア
6.レッドヴィータ
7.ペンタス
8.テンプテーション
9.キャンドゥ
10.ローレンアイザック
【展望】バンカブルスターは三冠戦線の王冠賞で崩れた以外はすべて3着以内に収めており、ここまで4勝2着4回3着1回。今春デビューと遅かったものの、一走毎に成長を遂げてきた。今回はB級との混合戦でも力負けはしないはず。相手は中央未勝利で転入後、目下2連勝中のテンプテーション。他馬の目標にされる分、展開ひとつのところはありそうだが、勢いを言うなら、この馬が一番。前走、ゴール前の追い比べでバンカブルスターに競り勝ったキャンドゥも前走のデキをキープして三つ巴に持ち込む構え。転入2走目で上積みが見込めるエストレラブランコも、スムーズに折り合えば、一角崩し以上も十分か。
(厩舎談話)
1.バンカブルスター 勝ち味に遅いところがありますが、鞍上が理解してうまく乗ってくれています。
2.センノデバギヤ 往年の力を発揮できていない現状ですので、強気にはなれません。厳しいでしょうね。
3.バッテリーパーク 前開催を取り消しているように、順調さを欠きました。近走もひと息の内容です。
4.エストレラブランコ 転入緒戦で結果は出ませんでしたが、内容としては悪くなかったと思います。
5.スピリア なかなか理想的な前崩れにはなってくれませんが、この馬自身はよく走ってくれています。
6.レッドヴィータ 前走は出遅れが痛かった。砂を被らずに先行できれば、もう少しやれていいでしょう。
7.ペンタス 距離は2回目でしたが、内容は良くなりました。状態は安定、もう一歩前進を期待します。
8.テンプテーション 昇級戦の前走は接戦に持ち込まれましたから、自信満々というわけにはいきません。
9.キャンドゥ 前走はペースに合わせうまく立ち回ってくれました。差のない勝負ができていいと思います。
10.ローレンアイザック 着順は上げられていませんが、嵌まれば浮上できるでしょう。1700mはプラスです。
○10月15日11R 日高町家畜自衛防疫組合特別 3歳以上B4-2組以下 距離1700m
1.イルミナーレ
2.オープンアーム
3.マッターホルン
4.ウェブマスター
5.ビービーレジーナ
6.レルシュタープ
7.ツル
8.ブリリアントアリス
9.ゴッドスパロウ
10.アレグロ
【展望】以前は馬込みに揉まれたり砂を被ると行く気をなくしていたアレグロだが、前走は先行争いに加われず、内々の4番手追走。しかし、3角過ぎに外に持ち出してからは、もう一度、トップギアに入った感覚だった。チークピーシズの効用も確実に表れているだけに、相手強化には泣かないはず。先行差し自在の攻撃力があるマッターホルン、堅実駆けのオープンアームが当面の相手。両馬ともに体調面に不足はない。あと、気をつけたいのは、単騎の逃げが打てた時のレルシュタープ。
(厩舎談話)
1.イルミナーレ 前走は流れにも乗っていけましたし、持ち時計も詰め、収穫のあるレースでした。
2.オープンアーム 内容が悪くなったわけではありません。集中力を保って走れれば、巻き返せるでしょう。
3.マッターホルン 気性の難しいですが、大分、常識にかかってきました。このクラスでも力は通用します。
4.ウェブマスター 前走を見ると現状は短距離の方が良さそうです。集中して走ってくれれば。
5.ビービーレジーナ 予想外の大敗でしたが、メンタルの問題かと。力を出し切れば、勝負になるはずです。
6.レルシュタープ 気性面の難しさばかりが目立っていい走りができていません。力は通用するはずですが。
7.ツル 走りのレベルに安定感がありませんが、気分屋な馬ですから、仕方ないところですね。
8.ブリリアントアリス ひと叩きして前進をしてほしいですが、久しくいい走りを見せていないので。
9.ゴッドスパロウ 時計面に進展が見られません。このクラスでは荷が重いと判断せざるを得ませんね。
10.アレグロ 時計面を見ても分の悪さは感じません。連勝を狙っていける状況だと思っています。
○10月15日12R 競馬場 de 門別ししゃも祭り特別 3歳以上B4-2組以下 距離1200m
1.カグラハヤテ
2.ディーズアマーレ
3.シンデレラマキ
4.ブラックデビル
5.グランロディア
6.クラウンリシャール
7.ラトーヌシャイン
8.ラヴァクール
9.タイキリヴェール
【展望】ブラックデビルは中央で芝で6戦したあと、名古屋に移籍して2連勝の経歴の持ち主。前走は7カ月ぶりの実戦でスタートでも後手を踏んで3着に押し上げるのが精一杯だったが、叩かれた効果が坂路の反応の良さにも表れているし、今度は距離1200mを選択してきたのも好感が持てるもの。2走目で勝機を掴む。展開に左右されることなく、堅実無比のタイキリヴェール、クラウンリシャールが相手有望。積極的な競馬が叶うようなら、シンデレラマキの残りめも一考の余地があり。
(厩舎談話)
1.カグラハヤテ 前走はこの馬なりに頑張っています。変わりなくきていますが、後ろからになる馬ですから、展開と馬場状態が鍵ですね。
2.ディーズアマーレ 変身してくれました。流れに乗せるより、終い勝負の方がいいのかもしれません。前走のような走りができれば、チャンスがありそうです。
3.シンデレラマキ 前走は久々にこの馬らしい粘りを見せてくれました。同型が気掛かりですが、前走のようにストレスなくいければ、上位争いも可能でしょう。
4.ブラックデビル 今回は1200mに使いますが、スピードを生かすレースの方が合うと思います。休み明けを叩かれての上積みもあり、前進してくれるでしょう。
5.グランロディア 前開催を休ませて疲れを取りました。攻めの気配からは持ち直した印象を受けました。末脚の切れも戻ってくるでしょうから、変わるはずです。
6.クラウンリシャール 前走は直線でよく伸びてはきましたが、少し位置取りが後ろ過ぎた嫌いですね。走り自体は安定しているので、立ち回りひとつでしょう。
7.ラトーヌシャイン 変わりなく順調です。今は追われてからの反応がしっかりしていますので、展開が向けば上位に進出できます。頑張ってくれるでしょう。
8.ラヴァクール 春夏と比べると馬は良くなっていますから、前走くらいは走れていいんです。ただ、展開に注文がつくので、アテにはしづらいですね。
9.タイキリヴェール 勝ち味に遅い感じですが、レース内容はしっかりしているので、流れひとつで勝機が巡ってくるものと思っています。今度こその気持ちです。
(競馬ブック・松本英博)