【開催見解】第6回川崎競馬（8/21～8/25 重賞：スパーキングサマーカップ）
川崎競馬は８月21日～25日までの５日間開催。
３日目の23日には今年で14回目となる３歳上の全国地方交流重賞スパーキングサマーカップを実施。2007年から他地区の地方所属馬にも開放され、今年は笠松、高知から３頭が参戦。南関東からは一連のマイル戦戦で実績を積んできた強者が揃って出走。日本テレビ盃（９月27日）への優先出走権をかけた一戦でもあり、熱い火花が散りそうだ。
７月、８月開催では夏休みを意識したファミリーイベントが数多く催されてきたが、８月も後半になり「夏休みの最後は川崎競馬場で遊ぼう！ 」と銘打って思い出づくりになりそうな催しが盛りだくさん。最終日の25日にはミニチュアホースとのふれあいやこども縁日に加えて、イメージキャラクターの稲村亜美さんと元プロ野球選手の宮本和知さんが共演してトークショーやキャッチボールを披露する「プレミアムフライデー企画」も。
初日のメインレースはＢ３二組によるマイル戦「～ともに生きる社会かながわを目指して～みんなあつまれ2017杯」はポッドルイージに注目。東京ダービートライアルを見事逃げ切って最後のダービー切符を手にした上がり馬で、本番の東京ダービーではスタートでモタついて不完全燃焼だったが、５番人気に推されていた素質馬。ひと息挟んだ影響もあって前走の初の古馬対戦では６着も、距離がマイルに短縮されるのはプラス材料。
相手も筆頭には３歳馬ケンネプチューンをあげたい。３歳戦からＣ１古馬戦と連勝してラクに突き放すレース内容は圧巻。クラスは上がっても通用する実力の持ち主。
シンゲツは昇級してから勝ちきれないレースは続いているが、佐賀から移籍後の10戦は３勝、２着４回と堅実な走りが魅力。快速エムオーグロリーは休養明けを叩きながら上昇。ＪＲＡとの交流戦でも見せ場つくったキョウエイドラゴン。
また、第７競走には「2017夏 川崎ジョッキーズカップ」。騎手会の提案によって2008年秋にスタートした川崎所属騎手だけが騎乗できる恒例のレースだ。
２日目は「週刊ギャロップ葉月杯」がメイン。Ａ２以下の準重賞で距離1500m。
31頭いたエントリー馬が続々と回避して少頭数になってしまったが、ピリリと辛い今季の好調馬が揃った。Ｂ２、Ｂ１と連勝して駆け上がってきたベイビータピットは余力十分なレースぶりで上がり目十分。一番暑い時期にゆったりとしたローテーションで調整されてきたのも好感。
同じく連勝中のニチドウリュンヌは浦和開催からの連闘策。状態が良いからこその強気のローテーションなのだろうが、スピード感あふれるレースぶりで川崎コース実績を生かす。
直線一気の切れ脚魅力ドンナディヴィーノ。良馬場ならゴーオン。
そして３日目はスパーキングサマーカップ。
古馬による真夏の地方交流重賞で、春から続いたマイル戦線もひと区切り。笠松、高知から３頭が参戦するが、南関東勢はそうそうたる実績馬が揃い。
ケイアイレオーネを中心視。今年に入って報知オールスターＣ、フジノウェーブ記念と重賞２勝しているように展開問わずどんなレースにも対応できる器用さが武器。昨年２着だったように距離マイルも守備範囲だ。前走後に疲れが見られたことから間隔をあけて調整し万全の態勢。
タマノブリュネットはレディスプレリュードを制した牝馬ダートグレードの常連。南関に移籍して２戦目になるが、緒戦は大幅な体重増だけでなく初めての57キロの重斤が響いた。今回は55キロで仕切り直し。
マイル重賞連勝中のリアライズリンクス、重賞戦線で惜しいレース続くムサシキングオー、上がり馬トーセンハルカゼ。
４日目はＢ１二組、Ｂ２一組の「銀河特別」。
先行争いが激しくなりそうなメンバーが揃ったマイル戦。
すっかり本格化したクールテゾーロを本命視。新馬勝ちしているように２歳、３歳時には重賞ロードを進んでいたがその後の歯がゆい時期を乗り越えて５歳春からひと皮むけたような瞬発力に磨きを発揮。先手争い必至なここはまとめて捌くチャンス到来。
デルマハンニャは中央から移籍後の10戦で６勝、２着３回、３着１回とワイド圏内を外していない信頼度の高さ。前走では先行馬をハナ差捕らえる勝ちっぷりで、今回も決め手を生かす。
叩かれながら状態上げているドリームキング。移籍後はまだ未勝利ながら惜しいレース続く切れ者ラピダメンテ。
最終日は市町村ＰＲレース「第70回 秦野たばこ祭記念」。
Ｂ２二組・Ｂ３一組の1500m戦で、注目は逃げ差し自在なレースぶりで好調なアイルオブワンダー。逃走劇を続けるケルヴィンサイドは１年３ヶ月の長期休養から復活したが闘ってきた相手を考えればいつ勝利をつかんでもおかしくない。得意の1500mならスピーディーズ。距離短縮がプラスに働きそうな快速ビッグスター。
（競馬ブック 中川明美）
