【開催見解】第28回名古屋競馬(3/23～30　重賞：名古屋大賞典[JpnIII]、中京ペガスターカップ)

　第28回名古屋競馬は3月23日(金)からスタートし、少しあいて28日(水)、29日(木)、30日(金)。普段どおりの4日間開催ですが、初日は今週、2日目以降は来週となっている変則的な日程なのでご注意ください。なお今開催が2017年度最後の開催となります。

　では、メイン競走を順に紹介していきましょう。初日はB-1組『こいぬ座特別』（1600m）。賞金順の編成で人気は割れ加減。混戦ムードが漂います。中央2勝、高知で重賞5着のあるロジテーストにまずは注目。近走はかの地でC2級まで下がっていましたが、実績は前述のように十分で、馬体も細いぐらいの仕上がりを見せています。乗り込みも足りていて、初戦から動けると判断。同厩舎のサザンオールスターはジリ脚で決め手を欠くものの、相手なりに走れるのが取り柄で体調もハイレベル。滅多に崩れないケイサンパルプンテ、ハマったときにいい脚を使えるサンレイフレンチも虎視眈々と上位を窺います。

　2日目は昨年新設された3歳生え抜き（東海地区デビュー馬）の重賞『第2回中京ペガスターカップ』（1600m）。ここはデビュー以来、怒涛の8連勝で当地区3歳重賞戦線を圧倒しているサムライドライブのひとり舞台でしょう。2走前の梅桜賞で全く問題にしなかった兵庫のレコパンハロウィーは先日、名古屋で行われたＧＤＪ第1戦・若草賞を優勝しています。東海地区だけでなく、地方屈指の逸材と言ってもいいのでは。そんな馬が生え抜き馬限定戦に出てきては他馬はたまったものではないでしょう。おそらく持ったままでの大差勝ちが濃厚かと。ここを使ったあとはGWの駿蹄賞から東海ダービーの路線となるようです。焦点は次位争いですが、メモリーメソッド、フレーゴリは回避の予定とか。となるとトーホウカトレアあたりでしょうか。ただし、イレ込みによる馬体減が少々気掛かり。カツゲキキトキトの妹カツゲキミヤビは休養明けをひと叩きされてどこまで変われるかでしょう。

　3日目は年度末を飾る大一番・JpnIII　『第41回名古屋大賞典』（1900m）が行われます。中央5頭、他地区3頭、地元4頭がエントリー。まずは中央馬から。おそらく1番人気に推されそうなのはサンライズソアか。重賞勝ちこそありませんが、昨年のジャパンダートダービー2着馬で、他にもユニコーンＳや武蔵野Ｓで3着がある実力4歳馬です。機動力があり、小回りへの適性も十分、ヤネはミルコ・デムーロとくれば･･･。ミツバは昨年のＪＢＣクラシック3着馬でマーキュリーＣ勝ち。昨年末の東京大賞典6着以降は休養に入っており、今年初戦となります。ネームバリューでは一番でしょうが、仕上がり次第になりそう。名古屋の相性はひと息でも今回でコース3走目となる川崎記念馬のオールブランシュ、昨年の名古屋グランプリの優勝馬メイショウスミトモ、浦和記念勝ちがあり、交流重賞の常連マイネルバサラもやってきます。JpnIIの名古屋グランプリを上回るラインナップと言っていいでしょう。また、他地区3頭もなかなかのつわもの。大井からは交流重賞で堅実な成績を残している女傑ラインハート、つい先日まで中央のオープンを駆けていた同じく大井のモズライジンは移籍2戦目での来名となります。兵庫からはこれまた元中央のオープン馬キクノソルが出走予定となっています。
　そして、彼らを迎え撃つのはわれらが大将カツゲキキトキト。正直、これだけの強敵がそろうと、生半可なことでは太刀打ちできないかも。取り消し後をひと叩きしたとはいえ、まだ名古屋グランプリ当時の出来には戻っておらず、今回は厳しい戦いになりそうです。ただ、これまで不屈の闘志で逆境をはね返してきたのが同馬。そんなひたむきな走りが共感を呼んで、地方屈指の人気馬に推されているんでしょう。今回は気楽な立場で戦えるだけに、大仕事をやってのけるかもしれません。

　4日目はA-2組『枝垂桜特別』（1800m）。登録の段階で塚田厩舎は4頭出し。さすがＡ級馬の宝庫といわれる厩舎だけはあります。ただ、メモリーサクセスはブランク明けで今回は？という状況。ウォーターディル、メモリートニックは1600mまでは守備範囲で実績も残していますが、あと１ハロンの延長がどうでしょうか。体調がいいのはコウエイサムライで距離も向きそう。地力は微妙な存在ですが。本調子には今一歩でもダイゴマサムネ、脚質に幅が出たトータルビクトリーも主力候補ではないでしょうか。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）