【開催見解】第7回名古屋競馬(6/19~22)
名古屋競馬は「AGI名古屋城カップシリーズ」と銘打って、6月19日~22日の計4日間で開催されます。ここでは各日のメインレースの展望をお伝えします。
初日のメインはA-3組の「パキラ特別」(1800m)
A級でも施行が少ない1800mの距離がちょっと難解にさせますが、中心にはサンタンパを推します。今年はこれで2度目の取り消し明けになるものの、6月6日戦に関しては大事を取ったもので、影響は少ないと思います。それを裏付けるように、直前の追い切りも確かな脚取りで好時計をマークしました。A級に上がってから2勝というのは陣営の期待通りの活躍と言えませんが、昨年12月以降は馬券の対象から外れておらず、距離適性の点でもここでは優位です。ゴールドトランプはもっと攻める姿勢が必要に感じますが、体調は高いレベルで安定しており、ここも上位争い必至でしょう。前開催の交流戦(1900m)を経由しているインストアイベントやコウエイサムライなども、地元馬同士なら見直す余地がありそうですが、ちょっと負け過ぎの印象。それらとの比較なら、中央時に1700m戦を勝っているアタックガールの方に妙味を感じます。
2日目はシリーズメインの「AGI名古屋城カップ」(1800m)
B級馬による争いで、希望出走の5頭、番組賞金上位7頭でフルゲートになりました。しかし賞金上位のメンバーの中にこれといって食指が動くような馬は見当たりません。となると狙いは希望出走してきた5頭から選択するのがよさそうです。中でも目下8連勝のストーミーワンダーの勢いはすさまじいもの。最下級からB級上位まで一気に上がって来る馬は稀有な存在で、資質の高さを物語っています。死角があるとすれば、転入初戦で負けたことから初馬場になる点ですが、今の充実ぶりなら苦にするとは思えません。もう1頭の笠松馬シーザワールドは中央、南関東在籍時の戦績から距離が向きそうで、展開次第ではストーミーワンダーとの差が詰まる可能性があります。地元の名古屋勢からはサルートアゲン、メテオーラビアンカに一角崩しの期待がかかります。しかし、展開と仕掛けがかみ合わないと凡走の危険性もあり、相応のリスクを伴います。エイシンシュローダは兵庫時から1400m戦が主体になっており、この距離をどう乗りこなしていくかが大きな鍵になります。
3日目のメインはA-1組の「ムーンストーンオープン」(1600m)
回避馬が結構出たことで頭数が落ち着きそうです。その中には強力な先行馬も含まれており、初のオープンとなるメモリートニックにとっては展開有利に運べそうです。前開催をパスしたぶん、いつになく強い追い切りを消化したあたりに意欲がうかがえますし、ハナさえ叩けば滅多に崩れないことから中心にお勧めします。決め手に定評があるマイネルカリストやブランニューが当面の相手とみますが、前走が消化不良だったメモリージルバ、転厩初戦となるフロリダパンサーも圏内十分で、馬券的にも楽しめそうな一戦です。
4日目のメインはA-2組の「磯ノ木特別」(1400m)
前走が案外だったアイファーヴリルですが、今回と同距離だった2走前の勝ちっぷりが鮮やかでした。体調に陰りは感じられないので、ここはあらためて注目でしょう。1400mでクローズアップしたいのがホウライマリーン。前走で先手を譲ったあたりは弱気な面が出た印象でも、初めて逃げ以外の戦法で連対を果たしました。出脚の鋭さは誰もが認めるところで、今回は俄然逃げて粘り込むケースが濃厚になったとみます。気楽な立場で臨めるサザンオールスターは位置取りがポイントで、前々で運べれば持ち前のしぶとさが生きる可能性が高まります。他では外枠からの先行策を条件にピンクドッグウッド、意外に先行争いが激しくなった場合にはオンワードハドソンの末脚に注意が必要です。
(文:競馬東海 寺澤 正勝)