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【開催見解】水沢競馬(2020/4/5~14)

盛岡・水沢

2020年04月04日競馬情報

令和2年度の第1回水沢競馬は4月5日から前半3日間、4月12日から後半3日間の計6日間開催される。

 

初日(5日)のメインレースは3歳馬による重賞競走『第45回スプリングカップ(M2)』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は13頭。

 

3歳牡馬戦線のレギュラーシーズン最初のタイトル戦。主役は3月開催の準重賞・奥州弥生賞(水沢1400m)を2着馬に1秒9という大差で圧勝したフレッチャビアンカが務めることになる。この着差は前がヤリ合った展開面、冬場南関東で使われてきたアドバンテージが作用して広がったものと考えられるが、それを差し引いても十分にお釣りがくる強さ。今度は距離が1ハロン延びるが、門別時代は1600~1700mを4戦して②①③③着と好成績を残しており、むしろ臨むところだろう。

相手はここが復帰戦となるナーリー。冬場在籍した笠松では3戦すべて中央遠征。1勝クラスの芝ばかり使われて⑪⑧⑧着と、まずは水準の走りは披露してきた。水沢コースは12月の寒菊賞(1600m)がグランコージーの3着、1月の金杯(1600m)ではシンボとクビ差の2着と、ともに好走。当時の先着馬は現在岩手には不在なだけに、この馬にもチャンスはある。 

次群は奥州弥生賞4~5着のヒガシブレーヴ、ザルティス。ここから岩手に復帰するラブロック、移籍初戦の内容が良かったリュウノブルック。

 

なお、この競走の1~3着馬には5月3日に行われる重賞『ダイヤモンドカップ(M1)』への優先出走権が与えられる。

 

2日目(6日)のメインレースは3歳牝馬による重賞競走『第45回あやめ賞(M2)』ダート1400m。フルゲート=12頭に対して登録馬は14頭。

 

ここから次開催のグランダムシリーズ・日高賞へと続く3歳牝馬戦線。これを見据えて3月開催を回避したボルドーリブロン、オーゴンノカゼが主力となりそうだ。

ここが岩手初戦となるボルドーリブロンは1月14日の若水特別(浦和1500m)で差し切り勝ちを収めての移籍。昨年、あやめ賞→日高賞をともに2着と勝ち負けを演じたボルドープラージュと同様に牝馬重賞を狙っての転入と思われ、ここはいきなりの狙い。

対するオーゴンノカゼは昨年12月に2歳B1→2歳Aと、ただいま水沢の1400m戦を2連勝中。420㌔台と線は細いが、実に力強い競馬を見せている。タイトル戦初登場だが、牝馬限定戦なら腕試しには格好の条件だろう。

次群はひと頃の発馬難が解消されてきたシーサンプーター、安定勢力・チャルメーラといったところだが、最大の惑星馬は中央からの移籍初戦を快勝したグラマラスマリー。前走が3歳B2二組と格下の存在だが、そこでマークした1分30秒0は翌週、古馬オープンのスプリント特別と同タイムという破格の好時計。ここでも注目の存在となる。

 

なお、この競走の1~3着馬には4月26日に行われる重賞『日高賞(M1)』への優先出走権が与えられる。

 

後半週の最注目レースは4日目(12日)に行われる、古馬オープンクラスによる重賞競走『第45回赤松(せきしょう)杯(M3)』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は16頭。

 

岩手の看板ホースがこぞって登録してきた注目の一戦。まずは4歳馬・ヤマショウブラックと7歳馬・エンパイアペガサス。初対決となった12月16日の白嶺賞(水沢1600m)はエンパイアペガサスのハナ差勝利。続く大晦日のグランプリ・桐花賞(水沢2000m)は逆にヤマショウブラックの勝利だった。出走してくれば3度目の激突となるわけだが、勢いは4歳馬のヤマショウブラックが断然。しかし、昨年は3歳馬として2㌔のハンデをもらっての競馬。エンパイアペガサスは時計がかかる水沢で1度も馬券の対象から外れたことのないコース巧者であり、現時点では五分の評価に。

そしてロジストーム。昨シーズンの終盤は断然人気の白嶺賞で4着と敗れ、大目標の1月のトウケイニセイ記念(水沢1600m)は使えず。今回は休み明けで仕上がりが問われる局面となるが、昨年は赤松杯→シアンモア記念を連勝、秋には絆カップも制し、マイル重賞を3勝したこの距離のスペシャリスト。前記2頭はともに待機型であるのに対して、こちらは自分でレースを作れる先行馬。舞台は小回りだけに、すんなり先行できれば逆転まで。

伏兵陣。アドマイヤメテオは昨シーズン終盤に絆カップ→白嶺賞→桐花賞と、重賞ばかり3戦連続3着。3月開催のA級二組戦を圧倒的な内容で制し、ダート初勝利をマーク。中央芝2勝馬のイメージを完全に払拭した。センティグレードは僚馬・ロジストーム不在のトウケイニセイ記念を直線一気の豪脚で制し、悲願の重賞初勝利を達成。3月開催のA級一組戦も2着惜敗ながら最後方から素晴らしい末脚を披露。ともに9歳馬ながら、今が充実期なのかと思わせるほどの好調ぶりだ。

 

なお、この競走の1~3着馬には5月10日に行われる重賞『シアンモア記念(M1)』への優先出走権が与えられる。

 

 

(文:エイカン 内山達明)

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