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【開催見解】金沢競馬(2020/5/31・6/2)

金沢

2020年05月30日競馬情報

2020年度第5回の金沢競馬は5月31日(日)、6月2日(火)、7日(日)、9日(火)の4日間。ここでは石川ダービーも行われる前半週2日間の展望を。

 

 31日(日)のメイン10Rは「オッズパーク杯特別」(A2-2・1700m)

 1番 マイネルオニキス 中島龍也

 2番 ベルウッドデナリ 吉原寛人

 3番 イマジンピース 堀場裕充

 4番 レイズアスピリット 畑中信司

 5番 マヤノガルネリ 松戸政也

 6番 デルマアブサン 藤田弘治

 7番 ロックスピリット 柴田勇真

 8番 バルタンセージ 青柳正義

 

どの馬にも出番がありそうな大混戦。展開一つの様相だが、砂補充後の馬場傾向も含め読みづらい面がある一戦だ。

 マイネルオニキスの巻き返しに期待。前々走で1900mのB1準重賞勝ちは、乾いて力の要る馬場状態、前が飛ばすハイペース。転入前実績的に前走7着はA2の壁というより湿った馬場で気分良く運べなかったのが要因と見たい。気合を入れ直すかの追い切りを消化して、良馬場が望める天気予報。1枠だけは心配も、流れに乗る競馬なら力差はないはず。

 最も手堅そうなのはデルマアブサン。前走3着に関しては先着2頭を褒めるべきで、決して悪い内容ではなく、甘くなった2・3走前の2着・3着時よりむしろ内容的には良かったと見る。馬体増を避けて課題のスタートを決めてスンナリと逃げれば、好勝負必至。

 実力馬バルタンセージもスンナリ先行の展開に持ち込める好枠だけに楽しみ。リフレッシュしたことで、少し甘くなったここ2走より踏ん張れる可能性もある。

 再転入ロックスピリットも能力的には通用していい。昨季はB1まで圧倒的な3連勝。3月以来と距離延長がどうかだが、気分良く折り合って運べれば好レースに。

 穴なら格上の実績馬レイズアスピリットの巻き返し。前々走は距離不足、前走は内有利の馬場が敗因。理想は他4頭に先着の2着だった3走前のような外を回っても大丈夫な湿った馬場だろうが、少なくともここ2走よりは走れる条件のはずで。

 

 

6月2日(火)のメイン(11R予定)は「重賞 第4回 石川ダービー」(3歳・2000m・JBC協会協賛ロジャーバローズ賞)

1999年~2004年の7月に行われていた「日本海ダービー」が復刻する形で3年前に新設され、ダービーシリーズの中に組み込まれて4年目。

 

   過去3回の勝ち馬・結果は

 

 第1回(6月20日)  ヴィーナスアロー  吉原寛人 2分13秒1 2番人気

  馬単11160円 3連単66930円

 

 第2回(5月29日)  アルファーティハ  吉原寛人 2分12秒1 3番人気

  馬単7900円   3連単16730円

 

 第3回(6月4日)   ロンギングルック    中島龍也 2分12秒7 3番人気

  馬単1440円     3連単2800円

 

 

まだ3回しか行われていないとはいえ、大半が初距離になる大一番の難しさなのか、1番人気は勝てておらず、一冠目「北日本新聞杯」からの二冠達成とはなっていない(北日本新聞杯の勝ち馬は4着・3着・2着という結果)。

 むしろ「2~5着馬の巻き返し」が目立ち、第1回の勝ち馬は「北日本新聞杯に出走していない馬」。加えて、金田一昌厩舎が3連覇中でもある。これからの傾向からいくと、すべて合致するストロングフーヴスに注目したいところだが、果たして。

メンバーは、フジヤマブシ、ストロングフーヴス、キングワールド、ハイタッチガール、ハクサンアマゾネス、エムティエーレ、ドンナフォルテ、エクメディアリオン、カガノホマレ、グラムデイジー、コードジェニック、ナックライオンが出走予定。

(回避馬が出た場合はトップロイヤル、シニョーラの順に繰り上がる)

 北日本新聞杯2着のストロングフーヴスの巻き返しに期待したい。3月の2戦が余裕十分の連勝で一歩リードと思われたが、昨季も見せていた内にササるなどの悪い癖が肝心な重賞で出てしまい、抜け出したところをゴール前で差されてしまった前走2着。とはいえ「クビ差」。ここに向けて仕上げを工夫して戦法などで修正できれば、いくらでも覆せる。レースぶりからは距離にも不安はなさそう。昨年のヤングチャンピオン2着もアタマ差。重賞は勝てていないがパフォーマンス的には金沢の頂点に立っていい馬だ。

 叩き2戦目のハイタッチガールも要注目。2歳時の実質ナンバー1はこの馬。兼六園ジュニアCでは2着フジヤマブシ、3着ストロングフーヴス、4着カガノホマレと牡馬の有力どころを問題にしなかった。減った馬体が戻り切らないまま迎えた休養明けの一戦でJA1勝馬コードジェニックに敗れたが、僅かなアタマ差、あくまで目標はここ。距離は心配ない母系と走りでもある。

 北日本新聞杯を鮮やかに差し切ったフジヤマブシも当然上位候補。折り合いに専念して差す競馬なら、もう1700m以上でも問題ない。至って順調、直線勝負の流れになれば。

 不気味さ、未知の魅力という点ではハクサンアマゾネス。今春デビューで3戦3勝、地元デビュー牝馬限定戦とはいえ前走・ノトリキシマ賞が圧倒的な強さ、馬場を考えると時計も優秀。この世代上位ランクの1頭ドンナフォルテを問題にしなかった点でも、能力的に見劣ることはない。初距離やゲート難がどうかだけ。

 北日本新聞杯3着のキングワールド、昨季からトップクラスの一角として頑張ってきたカガノホマレ、JRAで1勝・転入初戦の前回を勝ったコードジェニックらも力量的に馬券圏内の可能性は十分。

 

(文:競馬カナザワ 大井 明洋)

カナザワ