ウマプラ

【開催見解】門別競馬(2020/5/26~6/4)

門別

2020年05月25日競馬情報

 前開催の重賞レースの回顧から。まず2日目に行われた3歳三冠戦線の第一弾、第44回北斗盃は前半からシンボとアベニンドリームが競る展開になり、4角まで流れが緩まないという内回り特有のペース。この流れに乗じたのが、好位内々で辛抱していたレッドカードだった。いぶし銀の井上俊騎手の好判断も勝利に大きく貢献したのは言うまでもない。断然の人気に支持されたアベニンドリームは展開のアヤで崩れ去ったが、戦績が一枚上なのは明らかだから、次の北海優駿での巻き返しに期したいもの。4日目に行われた第57回赤レンガ記念は、コスモバルク記念で競り合ったリンノレジェンドとサトノグリッターの両馬の動向が注目されたが、競り合いこそ避けられたが、両馬ともに直線に向いて失速。2番手追走から、一旦、抜け出したクインズプルートをゴール前でステージインパクトが測ったように差し切った。3年前の道営記念の覇者が8歳を迎えて再び開花した。以前にも触れたが、今年の古馬重賞戦線は一筋縄ではいかないかもしれない。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止や国の「緊急事態宣言」期間延長を踏まえ、引き続き、5月28日までの開催を無観客競馬として実施する。さて、今開催の重賞レースは、5日目に第24回北海道スプリントカップ(3歳以上オープン、Jpn)が組まれている。

【重賞レース】

○6月4日 第24回北海道スプリントカップ登録馬 3歳以上オープン 距離1200

JRA

・ショーム

・スズカコーズライン

・ノボバカラ

・マテラスカイ

他地区

・スティンライクビー

・ハヤブサマカオー

北海道

・ニットウスバル

・オールドベイリー

・ガンジー

・フジノパンサー

・メイショウアイアン

・ソルサリエンテ

・ジョウラン

・キタアルプス

・ツルマルパラダイス

(JRA補欠)

・ヒロシゲゴールド

・ダイシンバルカン

・ダイメイフジ

・ヨシオ

【展望】やはりJRA勢が主力を形成するのは間違いがないところだが、注目度ナンバーワンはマテラスカイだろう。アメリカ、サウジアラビアと転戦後、昨年2着のドバイゴールデンシャヒーンを目指していたが、新型コロナウイルス感染のために競馬開催が中止。無念の帰国の途に着いたが、中間の調整過程は至極順調。先週の20日には坂路で50秒0をマーク。既に臨戦態勢は整っている印象。1200m5勝の実績を引っさげて颯爽の登場だ。スズカコーズラインも距離5勝。先行力と粘り強さで安定した成績を残しており、地方の交流重賞なら、当然、勝ち負けの期待感。めきめきと頭角を現してきたショームは、確実に駆使できる末脚が武器だから、広く直線の長い門別は向いているはず。4年前2着、昨年3着のノボバカラは8歳を迎えても元気一杯。コースを経験している強みは有利。迎え撃つ地元勢は、昨年、そのノボバカラとの2着争いに勝ったメイショウアイアン、中央からの転入緒戦を快勝したニットウスバル、門別1200mでは大崩れのないソルサリエンテあたり。

 

【初日特別3鞍展望】

○5月2610R アヤメ特別 3歳以上C3-2組以下 距離1200

1.マドンナブルー

2.アヴェントゥリスト

3.ファイトフラッシュ

4.リックソダネー

5.キタノトリガー

6.ピュアココロ

7.ザブルグ

【展望】昨秋から佐賀に転戦。1300m~1400mで6勝をマークして帰ってきたザブルグ。前走はやや余裕のある馬体だった分、追われてからの反応が鈍かったが、叩かれた今回は坂路で終い12秒2の伸び。この少頭数ならきっちりと差し切れる。先行して粘り強いマドンナブルー、クラス慣れが見込めるファイトフラッシュが相手有望だが、前走が着差以上に強かったアヴェントゥリストも押さえは必要か。

(厩舎談話)

1.マドンナブルー 前走は早めにプレッシャーを受ける形になりましたね。展開を考えればよく粘っていると思います。メンバー次第ではチャンスはあるはずです。

2.アヴェントゥリスト 1000mを使いたくて前走は連闘したんですが、結果を出せて良かったです。今回はクラスが上がって1200mです。どこまでやれますか。

3.ファイトフラッシュ 前走は昇級戦でしたがタイム自体は詰めましたし、着順ほど悪い印象はないですね。クラス2度目ですから、前進してくれると思います。

4.リックソダネー ここ3戦からタイム的に物足りなさがありますね。揉まれ弱くてどうしてもレース運びに注文がつきますから、恵まれてどこまで。

5.キタノトリガー 使いながら良くなっていくタイプですが、気温がなかなか上がってこなくて、いつも以上に時間がかかっている感じ。もうひと息でしょうか。

6.ピュアココロ 連闘になりますが、疲れもなく元気です。攻め馬でのいい走りが実戦につながっていない現状なので、アテにしづらいですが、今少しやれても。

7.ザブルグ 道中で行きっぷりが悪くなりましたが、また盛り返してきましたから、悲観する内容ではなかったです。砂を被らずに行ければもう少しやれそうです。

 

○5月2611R ノボロギク特別 3歳以上C2-1組 距離1200

1.カグラハヤテ

2.ボルドーヴェルチュ

3.ムーヴィング

4.シセイウタゲ

5.オープンアーム

6.ソトコマタ

7.キタキタフーガ

【展望】門別デビューのあと、昨夏に笠松、そして南関東と各地を転戦してきたボルドーヴェルチュが、前走のC2以下の特別戦を快勝。斤量の恩恵があったとはいえ、測ったように逃げ馬を差し切った勝ちっぷりなら、この相手でも五分以上の競馬はできるはずだ。再び、51キロというのも心強い。叩かれつつ上昇を辿ってきたソトコマタ、屈指の実力馬オープンアームが相手。自在に立ち回れるようになったカグラハヤテも圏内は十分。

(厩舎談話)

1.カグラハヤテ また2着でしたが、内容としては前々走よりも良かったです。同じように脚をためて運んでいかせるので、あとは展開ひとつだと思います。

2.ボルドーヴェルチュ 昇級緒戦なので相手強化が鍵になりますが、斤量差もありますので、大きく見劣ることはないと思います。流れに乗っていければ。

3.ムーヴィング 前走はまったく走る気がなかったようで力を出していませんね。勝ち負けとはいかないまでも、もっとやれるはずです。巻き返してほしいですね。

4.シセイウタゲ シーズン緒戦より着差は縮まったとはいえ、前走もしんがり負けですからね。勝ち負けはどうでしょう。

5.オープンアーム 衰えは感じないものの、まだ気持ちが出ていないようなレースぶりです。中間は順調ですから、そろそろ変わってほしいと思っているんです。

6.ソトコマタ 腕っぷしの強いジョッキーにしっかり追ってもらって、前走は少し粘りが出てきましたね。これをきっかけにして復調してくれればと思っています。

7.キタキタフーガ 前走は道中で嫌気を差してしまった感じ。力を出し切れませんでした。大きな能力差はないと思いますから、スムーズな形で見直したいです。

 

○5月2612R エゾタンポポ特別 3歳以上C2-1組 距離1700

1.カツゲキダイオウ

2.アッカレッツァーレ

3.キタサンホワイト

4.スプレーモゲレイロ

5.ナムラオニヘイ

6.スピリア

7.ミケランジェロ

8.ルンタイメルア

【展望】3歳三冠路線の一冠目である北斗盃を、あと一歩のところで逃したアッカレッツァーレ。中央時代は使い込むことができなかったため未勝利に終わっているが、明らかに芝向きながらも、力のいるダートでも結果を出しているのだから、現状は素質の良さだけで走っている感じがする。今週は降雨のために馬場も軽くなりそうだし、叩き3走目で本領発揮と判断したい。その緒戦で後塵を拝したキタサンホワイトが当面の相手だが、3歳オープンでも勝ち負けしているカツゲキダイオウも叩かれた分の上積みは見込めるだろうから、大勢としては三つ巴の様相が強い。中央1勝級のスプレーモゲレイロも仕上がりは良さそう。

(厩舎談話)

1.カツゲキダイオウ 前走は休み明けとしては上々の内容。古馬とのレースですが、このクラスなら通用しそうです。北海優駿に向けていい走りを期待します。

2.アッカレッツァーレ 前走は展開の恩恵が大きかったと思います。バテない良さを見せたのは収穫でしたが、評価し切れないところです。今回は試金石でしょう。

3.キタサンホワイト 前走は道中で外を回って脚を使わされたが応えたのかもしれません。1700mでいい勝ち方をしていますから、改めて期待したいです。

4.スプレーモゲレイロ 中央1勝クラスですから、このクラスへの編入なら分がいいかもしれません。まだ手の内には入っていませんが、楽しみにはしています。

5.ナムラオニヘイ デキそのものは悪くないんですが、メンタルが伴いませんからねえ。諦めが早くて、レースに集中しません。現状ではアテにできませんね。

6.スピリア 前走はこの馬なりに伸びは見せました。状態は変わりなくきていますし、1700mの方が合いますから、あとはどれだけ前の馬が止まってくれるかです。

7.ミケランジェロ 前走は4角で一気に脚を使いましたので伸び切れませんでしたが、これまでとは違うレースぶりでメドが立ちました。更なる前進を願います。

8.ルンタイメルア それなりに差を詰めてきたように、徐々に動けるようにはなってきたんですが、まだ、いい頃の状態には及ばないですね。強気にはなれません。

(競馬ブック・松本英博)

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