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【開催見解】浦和競馬(2020/5/25~29)

浦和

2020年05月24日競馬情報

 初日のメインレースはB3による青葉特別で距離は1400メートル。中心は移籍前から10連勝中のダノンレジーナ。前走は発馬ミスを物ともせず上がり最速で快勝。更に相手は上がっているが、一連の時計比較からもむしろ上位の存在。順調に使い込めればオープンまで上り詰める可能性があり、まだまだ止まりそうにない。

 当面の相手はこちらも3連勝中のトゥモローアンセム。船橋1600メートル前後がベストなのは確かだが、この舞台でもVの記録があるだけに不安は感じないし、前が引っ張る流れなら折り合い面を気にすることなく競馬ができるだけに今回も自身の力を十分に発揮できるはずだ。

 タワーオブクイーンは一息後の前走でも2着と好走。多少余裕のある造りと思えただけに1度使っての上積みは当然見込めるし、一連の安定した取り口も評価できる。時計勝負にも対応できるだけに反動がなければ再度上位争い。

 キンジトーは勝ち味に遅い面はあるが、近走は5走前を除けば着外なしと手堅くまとめているし、決め手勝負になればヒケは取らない。ここ2戦、早目に動けているようにここへきて状態も上向きと判断できる。

 ハクユウフライヤーも詰めの甘さはあるものの、ここ2戦の内容から復調の兆しが窺える。移籍後、唯一連対しているのがこの舞台だし、この組み合わせなら極端に流れも遅くならないだけに上位食い込みを警戒。

 キャッスルワンダーはこの舞台(1100)と得意にしており、持ち時計の比較からも遜色はないところ。前走は本来の先行力を見せていたし、ここへきて体調も上向いている印象。軽くは扱えない存在だ。

 

 2日目のメインレースはA2下によるプリムローズ賞で距離は1400メートル。レベルフォーの前走は自分の競馬ができず不完全燃焼。連勝は4でストップしたが、全く調子は落ちていないし、1500メートルではあったが、2走前には浦和でA2下の条件を快勝。逃げる本来の競馬なら巻き返し濃厚だ。

 スマートドレイクは間隔が開いているが、休養前には2連勝と力を示していたし、一連の内容を見てもコース適性は高い。大型馬で重目残りの懸念があるのは事実だが、出走してくるからには力を出せると見ていいだろう。

 メテオバローズの前走は厳しい展開で9着と案外な結果だったが、左回りの適性は高く、浦和では3戦2勝。先週の地元パスして再度左回りに狙いを定めたローテーションには好感が持てるし、即軽視は危険だろう。

 ライクアロケットはここ3戦入着ラインの競馬。好調時に比べると多少状態が落ちている印象もあるが、今年1月には大井でA2下の条件Vと力量的には互角だし、この舞台では27秒台で快勝の記録がある。軽くは扱えない。

  マリエラは中央2勝クラスからの移籍だから力量的には通用する存在。移籍後は3着、5着だが、多少太目に映ったのは事実。この時季なら絞れてくるはずだし、テンの反応が良くなり前々で攻めることができれば面白い。

 

3日目のメインレースは交流重賞のさきたま杯で距離は1400メートル。出戻り後の東京スプリントでは4着だったブルドッグボスだが、今回は地元に戻り1400メートルで、この舞台では昨年のJBCスプリントを制している。17年にはクラスターカップでレコードVの記録もあるし、実績は最上位。ローテーションを考えても当初からここが目標だったはずで今回はきっちりと結果を出したいところ。

 同じく小久保厩舎のノブワイルドはこの舞台で行われたテレ玉杯オーバルスプリントを18年、19年と連覇。休み明けの前走は案外だったが、これはあくまでも叩き台。今回は万全の状態だし、時計勝負に滅法強い点は見逃せない。

 中央勢では前走、東京スプリントを制して勢いに乗るジャスティンが一番手。これまでほとんどワンターンの競馬だけに浦和1400メートルへの対応はポイントになるが、2走前には番手から正攻法の競馬でも快勝と気性面の成長も見せている。逃げ一辺倒に思えた以前とは馬が変わっているだけに連勝も視野に入る。

 ゴールドクイーンは休み明けで今年初戦になるが、昨年はかきつばた記念を制して、この舞台で行われたJBCレディスクラシックでは2着。鉄砲実績はあるし、スピード上位でここも迷いのない逃げ。いきなり好走も十分に考えられる。

 ノボバカラは今年のかきつばた記念2着。近走はJBCスプリント4着など勝ち切れないレースが続いているが、走り頃で着実に体調アップ。この舞台では2戦ともに4着だが、展開ひとつで出番もありそうな雰囲気。

 ブルベアイリーデはここへきて力をつけており、前走はオープン特別のオアシスSを出遅れながらも勝ち切った。基本は末脚勝負のタイプだが、本来は先行力も兼備だから小回りにも楽に対応できるはず。一気にタイトル奪取も可能だ。

 キャプテンキングの前走は1年振りだっただけに半信半疑だったが、それでも見せ場十分の3着とさすがの走りを見せた。移籍前には重賞4連勝で、3歳時には羽田盃を制したほど。状態は間違いなく前走以上で中央勢が相手でも互角の評価でいい。

 

 4日目のメインレースはA2下によるエメラルドカップで距離は2000メートル。前走の武蔵国オープンを制したワグナーコーヴにとってA2下の条件は極めて有利。距離、コース適性ともに高く、強力な同型も不在なら連勝の可能性は高い。

 ランニングウインドは近走安定しており、前走は着差以上に強い内容だった。この舞台でも2着があり距離延長に不安は感じず、馬場状態に展開も不問なら大きな崩れはなさそうで、今回も上位争いになりそうだ。

 メイショウイッポンの前走はB3下の条件だったが、中央2勝クラスからの移籍だから、A2下でも力量的には互角と判断できる。2000メートルに的を絞ったローテーションには好感が持てるし、初コースでも大きな減点にはならない。

 キャプチュードの前走は出戻り後だったが、ひと捲りで快勝。この舞台は3戦全勝と滅法得意としているし、この馬も中央2勝クラスで揉まれていた。反動皆無で更に上昇ならここに入っても全くヒケは取らない。

 ゼットパッションは船橋の1700メートルで2着があるし、浦和では桜花賞で2着の記録。前走5着で徐々に状態を戻している印象があるだけに、展開次第では上位食い込みの可能性を秘めている。

 

 5日目のメインレースはB2による皐月特別で距離は1400メートル。中心になるのはライゴッド。中央では1勝クラスで頭打ちの印象だったが、移籍後は負けなしの5連勝。特に前走は1500メートルでも正攻法の競馬で快勝と収穫が大きかった。父がスマートファルコンで母系からも地方のダートは歓迎という感じだが、まだまだ良くなる余地を残している。順調にいけば牝馬重賞くらいは狙える器だけに今回も止まらない。

 エフェルヴェソンスは休養後4着、3着、2着、2着で前走はタイム差なしの競馬だから一戦毎に状態を上げている。コース、距離実績ともにあるし、展開に左右されないのは強味。今回あたりはそろそろVを掴みたいところだろう。

 ゴールドディザイアの前走は相手が悪かっただけで、2着でも41秒台で乗り切った点は評価できる。終い一手ではあるが、この舞台では過去に3着があるし、決め手上位の存在。仕掛け処ひとつでチャンスは十分だ。

 トーセンゼロスの前走は殿負けだったが、初コースで適性外の1200メートルだっただけに参考外。昨夏にはA2下で圧勝しているほどだし、一叩きされた今回は中身が違うはず。地元に戻って激変を警戒する必要がある。

 クラファルコンは1200メートル向きだけに、この舞台への対応がポイントになるが、移籍前から12戦連続で馬券圏内を確保とデキは高いレベルで安定している。小回りなら息が入るだけに、自身の力を発揮と見れば上位にマークも可能だ。

 リネンスカッシュは休み明けだが、大型馬の割りに間隔が開いても力は出せるタイプ。条件緩和で相手関係は有利になっているし、立ち直っているようならいきなり好走があっても驚けないだけに軽視は危険か。

 


(勝馬 小栗 啓裕)

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