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【開催見解】盛岡競馬(2020/10/17~26)

盛岡・水沢

2020年10月16日競馬情報

 令和2年度の第9回盛岡競馬は10月17日から前半3日間、10月24日から後半3日間の計6日間開催される。

 前半週の最注目レースは2日目(18日)に行われる、2歳馬による重賞競走『第40回若駒賞(M2)』ダート1400m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
 リュウノシンゲンは新馬①→一組①→若鮎賞③→ビギナーズカップ①→認定①着の5戦4勝。若鮎賞は芝だから、ダートはここまで無敗。前走のJRA認定競走(盛岡ダ1400m)は他馬より2㌔背負っての完勝。今度は定量だから、まずは不動の中心と言ってもいい。
 ただし次位は差はない。前記・認定競走でリュウノシンゲンと0秒1差だったゴールデンヒーラーはダート3戦→①①②着。まずは計算できる存在だが、スピードで押すコンバットマジックや、前開催のJRA認定競走(盛岡ダ1400m)の1~3着馬・ファイントリック、マツリダジョオー、シラカミロードも素質比較では互角と思われる。 
 なお、この競走の1~3着馬には11月15日に行われる重賞『南部駒賞(M1)』への優先出走権が与えられる。

 後半週。4日目(24日)のメインレースは3歳以上オープン馬による地方全国交流競走・重賞『第10回OROターフスプリント(M2)』芝1000m。フルゲート=14頭に対して登録馬は15頭。
 今年の遠征馬6頭はすべて南関東所属。実績最上位は川崎のウインオスカー。元中央6勝馬で、オープンの千葉ステークス(中山ダ1200m)勝ちなど、ダートの短距離を主戦場に活躍してきた馬だが、もともと阪神芝1600mの新馬戦をノーブルマーズに競り勝ってデビュー勝ち。続く秋明菊賞2着から朝日杯フューチュリティステークス(G1)に駒を進めたキャリアの持ち主。今回の条件でも主役を張って不思議ない存在。
 船橋のケンガイアは昨年3戦連続して盛岡遠征。ハヤテスプリント(ダ1200m)1着→OROカップ(芝1700m)4着→そしてこのレースが3着だから、盛岡は相性がいい。前開催のトライアル・ハーベストカップが良馬場で59秒0なのに対して、昨年3着の走破タイムは稍重で58秒8。苦戦が続いている近況だが、度外視して狙う手も十分。
 他のシークレットアリア、エッシャー、ケイエスソード、マルパソは芝実績こそないが、上位クラスで左ダッシュ戦の実績は十分。隠れた芝適性を示せば一発大駆けがあっても驚けない。
 対する地元勢は前哨戦・ハーベストカップ(芝1000m)を悠々と逃げ切った元中央5勝馬・ツーエムマイスターが大将格だが、もう1頭注目馬がいる。コスモペリドットはハーベストカップが中央からの移籍初戦。良くないスタートで序盤後方。そこから外をぐんぐん上昇すると4コーナーを回り切れずに馬場の大外まで膨らんでしまった。それでも直線立て直して追い込み2着。ツーエムマイスターには1馬身及ばなかったが、大きなロスを考えると、まともなら勝っていたと思われる内容。今度は主役になれるか?

 5日目(25日)のメインレースは3歳牝馬による新設重賞『第1回OROオータムティアラ(M1)』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
 主役はマルケイマーヴェル。4月の第1冠・日高賞(水沢1600m)は地元勢最先着の5着。8月の第2冠・ひまわり賞(盛岡ダ2000m)は2番手から4角先頭の完勝。岩手生え抜きで昨シーズンは勝ち切れず未勝利だったが、今シーズンはここまで7戦4勝。前走・古馬A級二組で僅差の4着に食い込むまで成長してきた。今回と同じ盛岡のツーターン戦だったひまわり賞の危なげない内容から、2000mの距離にも十分に対応できそう。
 対抗馬はエムワンリーフ。7月までは完全に鳴りを潜め、ひまわり賞は10番人気。まったくのノーマークだったが、上がり最速の脚で追い込み、マルケイマーヴェルに2馬身差まで迫った。その後古馬B2に編入されて②①着。ひまわり賞がフロックでないことを証明しており、2冠目から1ハロン距離が延びる今回は逆転まで視野に入る局面。
 第3の存在にはセシールを指名。中央2戦0勝から、今春岩手に転じて6戦5勝。芝で3戦0勝に対して、ダートはここまで5戦5勝。現在C1ランクと格下だが、ダート無敗の勢いは注目に値する。
 あとはほぼ未知の2000mということで道中のペースが鍵。9月12日の古馬A級二組で3着があるボルドーリブロン、中央1勝から転じて2連勝のビブショウ、ひまわり賞3着のアンズビジン、中央から転じて芝の準重賞→特別を2連勝のムーンライトリバーなど、伏兵陣も多士済々。


(文:エイカン 内山達明)

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