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【開催見解】船橋競馬(2020/11/30~12/4)

船橋

2020年11月29日競馬情報

初日のメインレースはB3によるゆいちゅ~ぶカップで距離は1500メートル。ダイヤモンドバイオは休み明けになるが、これまで5戦全勝と素質の高さを見せている。無理をせず大事に使われている点には好感が持てるし、来年以降の活躍が期待される好素質馬で連勝を伸ばす。

ゴールデンサイクルは移籍後の安定感が光る。前走は結果的に2着だったが、実力馬相手に良く食い下がっていたし、むしろ評価できる内容だった。1500メートルに距離替わりもプラスで今回も好勝負は確実だろう。

ベルロビンは休養後2連勝ですっかり立ち直っている。今回は多少相手が上がった印象もあるが、大型馬でまだまだ良化の余地を残しているだけに時計勝負にも対応はできるはず。大差は感じず展開ひとつで3連勝も十分に可能だ。

クアロアの前走は休み明けで中身が伴っていなかった様子。1500メートルに距離が延びる点は微妙だが、元々使えば変わるだし、浦和では1600メートルでVがある馬。一叩きされた今回は見直しが必要になる。

ケイアイスープラは除外を挟んで大きな崩れがなく、デキは高いレベルで安定している。近走は1200メートル中心のローテだが、1700メートル、1800メートル、2000メートルで入着があるだけに大きな減点にはならない。上位の一角を占める。

 

2日目のメインレースは3歳以上のオープンによるカムイユカラスプリント(船橋記念トライアル)で距離は1000メートル。今年の優駿スプリントを制したカプリフレイバーはここ2戦は古馬相手の重賞、交流重賞とさすがに条件が厳しかった印象。前走の東京盃は8着だったが、着差は0秒8だから悲観する内容ではなかったし、地元1000メートルで一枚落ちのメンバーなら主役は譲れない。

バーミンガムは休み明けの2走前こそ7着に敗れたが、前走きっちり変わり身を見せた。ただ、まだ本気で走っている感じはなかったし、まだまだ良くなる余地を残している。1000メートルだけに極端に置かれることがなければ今回も好勝負に持ち込める。

ポッドギルの近走は短距離に的を絞って安定感のある走りを続けている。習志野きらっとスプリントで5着だからこの舞台にも対応できることは証明しているし、時計の速い決着も歓迎。2度目の重賞制覇に向けて弾みをつけたいところ。

その習志野きらっとスプリントで3着だったのがフランシスコダイゴ。東京盃を除外で順調さを欠いたのは正直痛いが、この舞台は2度走って1着、3着と適性の高さを示している。人気を落とすようなら配当的な妙味は十分だ。

格下の存在ではあるが、状態の良さが目立つ3歳ダンディーヴォーグも侮れない存在。遠征では2戦ともに着外で輸送競馬に課題は残るが、逃げて上がり35秒9でまとめた前走が秀逸の内容。斤量差があるのも魅力で要注目。

 

3日目のメインレースは3歳オープンによるハートビートダービーで距離は1800メートル。順調さと安定した走りで一歩リードしているティーズダンクが中心になる。道営時にサンライズカップを制しているが、9月に戸塚記念Vと確かな成長を見せている。ダービーグランプリ、楠賞ともに2着だったが、展開面などを考えれば連対確保なら評価できるし、流れが落ち着いても早目にスパートできるのは大きな強味。

東京ダービー馬エメリミットはここから始動。斤量面などを含めて諸々課題があるのは事実だが、馬体増は成長分と見て良く太目感はないし、出走してくるからには力を出せると判断していい。

東京ダービー2着のマンガンは東京湾カップではエメリミットを退けている。10月に復帰してからの2戦は案外だが、今回は3歳同士だし、走り頃でコース適性の高い船橋なら変わり身があってもおかしくはない。

デスティネは休み明けの戸塚記念では5着。馬体が減っていただけに多少間隔を開けたのはプラスに働くはずだし、こちらも船橋の方がパフォーマンスは上がる傾向。距離適性も十分だけに展開ひとつでチャンスもありそう。

東京ダービー4着のブリッグオドーンもここへきて調子を上げている一頭。血統面の裏付けはあるし、これからまだまだ成長が見込める馬。ここで結果を残せれば来年以降は重賞戦線でも楽しめる存在になり得る。

 

4日目のメインレースは3歳以上牝馬オープンによる交流重賞のクイーン賞。骨折明けで8月以来のレースとなるメモリーコウだが、TCK女王盃3着、マリーンカップ2着、スパーキングレディーカップ4着、ブリーダーズゴールドカップ2着とこの路線では大きな崩れを見せていない。それに加えて今回はここ一連に比べてメンバーが手薄な印象がある。久々の分を割り引いても同馬が主役になる。

 当面の相手はアッシェンプッテル。牡馬相手のオープン特別でも5着、4着、3着と善戦しているし、叩き3戦目の今回は本領発揮のはず。どうしても後方からのレースになってしまうが、船橋とはイメージが合うだけに直線一気に差し切るシーンまで考えておきたい。

 今年のマリーンカップを制したサルサディオーネは船橋コースとの相性が抜群で5戦2勝、2着が2回。牡馬相手の日本テレビ盃でもハナを切っていたように牝馬同士ならスピードは最上位。今回は何頭か同型はいるが、主張すれば速いのは同馬だけに完全燃焼の逃げで押し切りを狙う。

 シネマソングは3勝クラスを卒業してからはこの路線に的を絞りブリーダーズゴールドカップ4着、レディスプレリュード7着、JBCレディスクラシック8着。馬体を減らし成績も下降気味だが、極端な落ち込みは見られないし、今回は一枚落ちのメンバー構成。流れが向くようなら一発ありそうな雰囲気だ。

 昨年の関東オークスの覇者で昨年の同レース3着のラインカリーナは今回、浦和に移籍して初戦を迎える。やや成長力に疑問が残るのは事実だが、パイロ産駒だから地方のダート向きは確かだし、きっかけひとつで再生は可能なはず。配当的な妙味は今回かもしれない。

 

5日目のメインレースはA2、B1一組による日刊ゲンダイ賞で距離は1600メートル。前走で連勝ストップのララパルーザだが、2走前までは破竹の6連勝。2着に敗れた前走もマークされる厳しい展開だったし、着差を考えても悲観する内容ではなかった。持ち時計を見ても1600メートルの方がパフォーマンスは上がるし、巻き返し確実だろう。

そのララパルーザを前走で差し切ったのがイリオン。前走を含めて既にこの条件では3勝を挙げているし、オープンでも通用することを証明している馬。1600メートルに距離替わりでも不安なく連勝の可能性は十分。

前走はまさかの6着だったゴールドブラッドだが、0秒8差だっただけに大きくは負けていないし、移籍初戦では39秒8で快勝と単純にタイムだけ見ればオープンでも十分にやれるだけの内容だった。多少太かっただけに絞れていれば反撃必至。

シュプレノンの前走は休み明けで3着だったが、0秒2差だから合格点の内容。叩き良化で地元に戻るし、これまで馬券圏外になったのは1度だけの堅実派。展開に馬場状態も不問で崩れることはなさそうだ。

出遅れながらも上がり最速の脚を使い、前走は見せ場十分だったオメガドラクロワもここへきて調子を上げている一頭。元々中央3勝クラスの馬でこの条件なら力量は互角だし、先行勢が競って決め手勝負になればチャンスもありそう。

カレンカカは叩き3戦目で走り頃。6月にはオープン特別で勝っているように力量は確か。ここ2戦は差しに回っているが、本来は先行して持ち味を発揮するタイプだけに前々で捌けるようなら面白い。

(勝馬 小栗  啓裕)

 
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