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【開催見解】門別競馬(2021/5/12~20)

門別

2021年05月11日競馬情報

 前開催に行われた第11回コスモバルク記念(H2)は、昨年の道営記念馬クインズサターンが早々に登場。昨夏に南関東から移籍、4戦目にその偉業を達成したわけだが、8歳を迎えても衰えなどまったくなし。道中は前とは10馬身以上も離されていたが、3~4角大外から一気に差を詰め、直線1ハロンで難なく突き放した。これで門別では5戦5勝の負け知らず。新興勢力が現れない以上、その王道は悠々自適の感じ。今後もまっしぐらに突き進みそうだ。2着は好位から早めに押し上げたテーオーフォースが確保。3~4角では勝ち馬に離されながらも、しっかりと脚を伸ばしたクラキングスが3着。人気を二分したリンノレジェンドの巻き返しに注目。

 今開催も前節、後節2日ずつ。計4日開催の日程だが、2日目には3歳三冠戦線の第一弾「北斗盃」が、距離1600m(内回り)で行われる。

 

【重賞レース】

○5月13日 第45回 北斗盃 (H2) 3歳オープン 距離1600m

1.テイクアターン

2.リーチ

3.ラブミーグッド

4.シンタロウ

5.オタクインパクト

6.ソロユニット

7.アウィウィリオ

8.ラッキードリーム

9.カツゲキダイリン

【展望】昨年のJBC2歳優駿を制したラッキードリームが登場。昨年暮れに行われた全日本2歳優駿では、スタートで後手を踏んだことが大きく影響して大敗を喫したが、JBC2歳優駿で退けたトランセンデンスは、南関東の第一冠「羽田杯」を快勝しており、改めてこの馬の潜在能力の高さを示したと言えるだろう。中間は熱を帯びた調整プロセス。他馬に使われてきた強みはあるとしても、地力で圧倒しそうなムード。オタクインパクトは少頭数で相手にも恵まれた感はあっても、好位から難なく抜け出した。馬体がひと回り大きく成長していたのも心強く、次位筆頭はこの馬か。昨秋、川崎の鎌倉記念(1500m)で馬場の外めから豪快に差し切ったリーチ。血統的には1200mがベスト距離と言えそうだが、前走で折り合いに進境を見せたことで、マイルくらいなら問題はないはず。エーデルワイス賞を制するなど、8戦6勝、実績面では屈指の存在であるソロユニットは、距離1600mをどう対応するかが焦点。特殊なペースになりやすい内回り。スムーズに折り合うことが、最大、かつ唯一の課題になりそうだ。

(厩舎談話)

1.テイクアターン 前走はここへの叩き台。上々の走りと言っていいでしょう。昨年終盤からパフォーマンスが安定。流れに対応できれば、上位進出も可能です。

2.リーチ 鎌倉記念勝利の内容からも、マイルくらいまでなら本領発揮に差し支えありません。前走をいい内容で勝ってくれました。何の不安もなく臨めます。

3.ラブミーグッド 前走は自分の競馬ができていませんので度外視できます。相手は揃っていますが、折り合い良く先行できれば、ノーチャンスではないでしょう。

4.シンタロウ 内回りが合うタイプではないですが、前走は昨年とは違う掛かる面を見せました。それがいい方に出れば内回り克服の決め手になるかもしれません。

5.オタクインパクト 緒戦を勝って三冠戦線を戦っていく上で弾みになりました。長い距離でゆったり走るのが合うタイプ。内回りをこなせるかどうかに尽きます。

6.ソロユニット 前走は勝つには勝ちましたが、気持ちがまったく出ていません。本来の走りが戻ったとは言えません。マイルでもやれると思っているんですが。

7.アウィウィリオ 勝負どころで頭を上げ、やめようとしたということなので、今回はブリンカーを着けます。ひとつでも上の着順を目指して頑張ってほしい。

8.ラッキードリーム しっかりと乗り込み仕上がりは上々。休み明けと内回りマイルへの対応という2つが課題ですが、補って余りある実力を持っていますからね。

9.カツゲキダイリン 2回レースを使ったことで、状態は上向いてきました。距離も対応可能な範囲だと思いますが、かなりメンバーが骨っぽいですからね。

 

【5月12日 初日特別3鞍】

○10R ヤマブキ特別 C1-2組以下 距離1200m

1.アールビット

2.プライオリティー

3.マドンナブルー

4.ヤマニンアンベリル

5.トネール

6.ジゴロ

7.デュアルキャリアー

8.コクサイルビー

9.カネミツロイヤル

10.チェインギャング

【展望】昨年、衝撃が走る勝ちっぷりで3連勝をマークしたデュアルキャリアー。中央3戦は意外な結果に終ったが、前走の復帰戦は着差以上の内容で門別不敗を継続。クラスは上がったが、まだまだ上を目指せる器であり、ここは相手探しの一戦。逆転が可能なのは、昨年はB級クラスで勝ち負けをしているカネミツロイヤル。休養明けでも地力で補う。相手なりに走れるプライオリティー、ペース慣れが見込めるヤマニンアンベリルも圏内。

(厩舎談話)

1.アールビット 今年から扱う馬ですが、このクラスならやれていい力はありそうですね。まずはメドを立ててくれればと思っています。

2.プライオリティー 前走はよく勝ち切ってくれました。その後も元気一杯です。直線に向くまでいかに気分良く走れるかどうかが鍵。そこをクリアできれば。

3.マドンナブルー 前走はスピードを生かした勝利でした。今回はクラスが上がって1200mに戻りますが、脚の使いどころひとつでいいレースができると思います。

4.ヤマニンアンベリル 前走のような競馬を続けていけば、控える形でももっといい走りができるようになると思います。状態は変わりないので展開次第でしょう。

5.トネール 自分のペースで行けないと力を出せないタイプですから、この2戦は仕方のない結果です。距離の対応力はありますので、苦にはしないでしょう。

6.ジゴロ 中央1勝ですから、C1級なら通用する能力はあると思います。ただ、ダートは初めてなので適性があるかどうかが鍵。メドを立ててほしいところです。

7.デュアルキャリアー 中央で走れなかったのが不思議なくらい。前走くらいはやれる馬です。走る気持ちも取り戻したと思います。更に上を狙っていきたいです。

8.コクサイルビー 前走は自分の競馬をやりきっての負けですから、納得しています。今回もスピードを生かしてどこまで踏ん張れるかですね。

9.カネミツロイヤル 9月以来ですが、十分に乗り込んでのリスタートですので、しっかりと力を出してくれると思います。実績上位、好レースになるでしょう。

10.チェインギャング 前走は重めが影響しましたね。地力は上のクラスでやれるだけのものがある馬ですから、ひと叩きした分で前進してくれると思いますよ。

 

○11R ツツジ特別 C1-2組以下 距離1200m

1.ポロンチャン

2.エクスターミネート

3.グランロディア

4.レッドラファーガ

5.アウマクア

6.ペンタス

7.シングンヴィグラス

8.ヤマニンモンスーン

9.アカンダナパワー

【展望】転入緒戦はデュアルキャリアーにゴール前で競り負けたヤマニンモンスーンは、前走は逃げて上がり時計も最速。完勝と言っていい内容だった。まだまだ絞れる馬体だが、今回の坂路では35秒8で終いも12秒0。ますます快調を思わせる動きと気配。ここも一気の逃げ切りへ。叩かれつつ着実に上昇を辿っているエクスターミネートとアウマクアが相手有望。前が崩れる展開になれば、ペンタスの突っ込みに注意がいる。

(厩舎談話)

1.ポロンチャン このクラスではどうも荷が重いようです。どれだけ時計を詰められるかですね。

2.エクスターミネート 前走はもうワンテンポ仕掛けを待つ余裕があっても良かったですね。状態はいいので、引き続き上位を争えるはずですよ。

3.グランロディア 前走は5着でも勝ち馬とは0秒3の小差ですからね。安定感のある走りをしてくれています。展開さえ向けば、更に上位も望めるはずです。

4.レッドラファーガ 前走は初めての1200mということを考えれば、メドの立つ内容だったと思います。続けて同じ距離を使いますから、前進してほしいですね。

5.アウマクア まだ良化の余地を残している感じですが、それでもここ2戦は大崩れせずに走ってくれていますからね。ここも展開ひとつだと思っています。

6.ペンタス 前走は大きく出遅れてしまいましたからね。もともとゲートは不安定な馬なので、今回もそこの不安はありますが、スムーズなら巻き返せるはずです。

7.シングンヴィグラス 取消で予定が狂いましたので、まだ良化途上ですね。強気なことは言えません。

8.ヤマニンモンスーン 前走は楽なペースで行ったのでタイムは出ませんでしたが、余力は十分にありました。ここでも上位の能力があります。連勝を狙います。

9.アカンダナパワー 前走、着順は上がりませんでしたが、タイムも着差も詰めましたから、着実に良化を辿っています。うまく流れを掴めば前進が可能です。

 

○12R 地獄の谷の鬼花火特別 C1-2組以下 距離1600m

1.アブシンベル

2.キーンウィット

3.ツルマキロバリー

4.ヒルノパルマ

5.アーススターリング

6.アイアイヨークン

7.エンドレスレイン

8.ジャスパーケイ

9.アーススカイ

10.スピルアウト

11.ツウカイステラ

12.カナディアンロブ

【展望】内回り1600mは3角手前の攻防が読みづらく、波乱のケースも生じやすいのだが、キーンウィットは昨夏にこの舞台を経験して先行ペースに乗って押し切っている。前走は仕掛けのタイミングが合わずに、カナディアンロブの後塵を拝したが、この条件なら、前走の雪辱は果たせると判断したい。アーススターリングはいい脚を長く使えるタイプだから、内回りでも支障なく能力は発揮できるはずだ。逆転の筆頭はこれ。2着惜敗続きのアーススカイ、勝って同条件になるカナディアンロブも好調さをキープ。初の内回り克服が鍵を握りそう。

(厩舎談話)

1.アブシンベル 前走は展開も厳しかったですが、ハミを取るところがなく、メンタルの難しさも出たようです。真面目に走ればもう少しやれていいはずですよ。

2.キーンウィット 内回りのマイルでは勝っているんですが、展開が嵌まらないとねえ。確実には追い込むはずですが、勝ち負けまで持ち込めるかどうか。

3.ツルマキロバリー まだ結果は出ていませんが、2戦使ったことで状態が大分上がってきましたよ。そろそろ上位争いに加われてもいいのではと思っています。

4.ヒルノパルマ もう少し馬体を増やしたいところですが、体調面は安定しています。小回りマイルに良績がありますので、今回は1600mに使ってみます。

5.アーススターリング 崩れず走ってくれていますし、状態も安定しています。内回りも問題ないと思いますので、立ち回りのうまさを生かしてほしいところです。

6.アイアイヨークン 1回使ったことで、レース中での反応は良化が窺えました。あとはどれだけ踏ん張りが増してくるかでしょう。前走以上の走りを期待したい。

7.エンドレスレイン 結果こそ出ませんでしたが、短距離の流れを経験させたことは生きると思います。もう一度、距離を延ばすので、スムーズに先行できるなら。

8.ジャスパーケイ 前走を見ると1200mでは忙しいようですから、今回は1600mに使いました。流れには乗れるタイプなので、内回りは問題がないと思います。

9.アーススカイ また2着でしたが、この馬の良さは見せてくれました。内回りが向くという感じはしませんが、十分対応はできるはずです。勝機はありますよ。

10.スピルアウト 前走を見ると、門別コースへの適性の高さが分かります。ひと開催休ませましたが、状態は変わらずきているので、内回りに対応できれば。

11.ツウカイステラ ここ2戦の走りが案外ですから、今回は距離を延ばしてみます。ひとつクラスが下がっていますし、そろそろいいところを見せてほしいですね。

12.カナディアンロブ 前走は集中して走っていましたね。気難しさを出さなければ、このクラスでも通用すると思います。内回りもマイルも問題はないです。

 

(競馬ブック 松本英博)

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