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【開催見解】門別競馬(2021/6/8~17)

門別

2021年06月07日競馬情報

 前開催の前節3日目に行われた今年最初のダートグレード競走である第25回北海道スプリントカップは、好スタートを切ったヒロシゲゴールドが、逃げるアザワクを射程圏に入れながら2番手追走。直線の追い比べで、一旦はリュウノユキナに交わされながらも、ゴール前で差し返す芸当を見せて東京スプリントの雪辱を果たした。8度目の重賞挑戦で初戴冠。ホッカイドウ競馬でデビューしたリュウノユキナは、惜しくも凱旋勝利はならなかったが、距離1200mの安定した走りは、今後もスプリンター界の中心的存在であることを改めて証明した。3着スマートアルタイルは先着を許した2頭とは位置取りが悪過ぎたが、それでも地力の一端を示す内容だった。後節5日目に行われた古馬勢による伝統の一戦である赤レンガ記念は、コスモバルク記念でクインズサターンに完敗を喫したリンノレジェンドが、注文通りにハナに立ち、道中も自分のリズムを崩さずマイペースに持ち込んで快勝。直線で猛然と追い上げてきたクインズサターンも2着確保が精一杯だったが、この両馬の対決は、まだ始まったばかりと言えるだろう。

 この開催から完全に3歳馬が古馬に組み入れられたが、中央札幌競馬が開幕するに伴い、門別でも中央交流競走もスタートを切る。さて、重賞レースは後節4日目の第7回ヒダカソウカップ、5日目の第49回北海優駿(ダービー)が予定されている。

【重賞レース】

〇6月16日 第7回ヒダカソウカップ登録馬 3歳以上オープン牝馬 距離1600m(内)

・クオリティスタート

・エムティアン

・ニジイロ

・タッチライフ

・チビノヴァルタン

・ニシノライリー

・ルナクレア

・レッドカード

・バブルガムダンサー

・ネーロルチェンテ

・スマイルミュ

・ハイタッチガール

・マリーンワン

・ストラール

【展望】牝馬限定の内回りマイル戦。3連覇を狙うクオリティスタートは、南関東遠征から帰ってからも順調に使われて、叩き3走目の前走を好位から抜け出して快勝。同じ内回り1600mで勝ち切れたあたり、さらに自信を深めたのではないか。牝馬限定戦ということもあり、格下からの参戦も見受けられるが、昨夏に再転入してB級を3連勝している素質馬ネーロルチェンテは、2歳のブロッサムカップでレッドカード、ルナクレアを相手に快勝。馬体もひと回り大きく成長。内回りの特異なペースに戸惑うことがなければ、大きな仕事をやってのけても不思議ではない。南関東遠征で地力強化を果たし、前走は水沢の牝馬限定重賞、留守杯日高賞で競り勝ってきたスマイルミュも3歳馬の挑戦という意味では興味深い。

 

〇6月17日 第49回北海優駿登録馬 3歳オープン 距離2000m

・ラッキードリーム

・リーチ

・テイクアターン

・オタクインパクト

・コスモダラニ

・クライマックス

・クラウォー

・モリデンカイドウ

【展望】昨年のJBC2歳優駿の覇者ラッキードリーム。全日本2歳優駿で大敗を喫したあと、冬場はじっくりと充電期間に充てられたが、他馬に使われた強みがあった北斗盃は、久々、初めての内回りという不安を軽く一掃。力の違いを見せつけ、健在ぶりをアピールした。叩かれた効果と外回り2000mなら、順当に二冠達成へ。当面の相手は、北斗盃2着、実績面でも互角のリーチになるだろうが、外回り距離2000mを考えた場合、いい脚を長く使えるオタクインパクトの方に目がいく。

 

【6月8日初日特別3鞍】

〇10R ヒナゲシ特別 3歳以上C1-2組以下 距離1200m

1.アウマクア

2.ペンタス

3.スティールグレート

4.ファラウェイ

5.グランロディア

6.アールビット

7.レッドラファーガ

8.エランヴィタール

9.アカンダナパワー

10.ジュエリーアイス

11.フランキー

12.アブシンベル

【展望】3歳牡馬スティールグレート。昨年は僅かに1勝止まりだったが、栄冠賞、盛岡の知床賞が2着、強いメンバーの中に混じっても遜色のない戦績を残してきた。今回は7カ月ぶりの実戦。他馬が順調に使われている点を考えると分は悪いのだが、そこは上述の実績できっちりとカバーすると判断したい。相手は勝ち味に遅くても安定し切っているジュエリーアイス、仕切り直しの一戦となったファラウェイが有力。相手なりに走れるアウマクアも混戦になって浮上を警戒。

(厩舎談話)

1.アウマクア もうワンパンチほしいところですが、大崩れはしませんからね。展開ひとつで着順は上げられるはずですよ。

2.ペンタス 前走は出遅れは軽微だったものの、伸びが物足りませんでしたね。持ちタイム的には間に合っていい条件ですから、頑張ってほしいところです。

3.スティールグレート ここが今シーズンのスタートですので、ベストにはひと息ですが、動ける態勢にはあります。このクラスなら地力で補いがつくと思います。

4.ファラウェイ 順調さを欠いてしまいましたが、力を出せる仕上がりになりました。ポテンシャルを秘めている馬ですので、好レースにはなると思っています。

5.グランロディア 展開次第のタイプなので勝ち負けにはひと息ですが、安定感のある走りをしてくれています。ここも崩れはないでしょう。

6.アールビット 前走はひと伸びが足りませんでしたが、2戦目で内容は随分と良くなりましたからね。1200mでも頑張れそうです。

7.レッドラファーガ 追ってから切れるタイプではないので、道中の位置取りが鍵ですね。勝ち負けとなると微妙ですが、前進は可能でしょう。

8.エランヴィタール 前走は休み明けでも地力のあるところを見せてくれました。反動なく順調に調整できていますから、叩き2戦目で前走以上にやれるはずです。

9.アカンダナパワー 調子は上がっているのですが、それがまだ走りに表れていませんね。1200mの方が向きますので、前走よりはやれるはずですが。

10.ジュエリーアイス クラスが上がっても問題なく対応できましたし、今は状態もいいですからね。メンバー次第ではチャンスがあると思います。

11.フランキー 前走は昇級戦ということもありましたが、流れに乗り切れませんでしたからね。もう少しポジションを前に取れれば、前進できると思います。

12.アブシンベル 長い距離では気持ちが続かない感じなので、今回は距離を短くします。砂を被らない位置で運べれば、短距離の流れにも対応はできると思います。

 

〇11R 道産小麦に麦チェン!特別 3歳以上C1-2組以下 距離1800m

1.スピルアウト

2.トネール

3.アーススターリング

4.ツウカイステラ

5.パッションクイン

6.トウキョウドライヴ

7.ペイシャタイム

8.ツルマキロバリー

【展望】このレースも唯一の3歳馬であるトウキョウドライヴに注目する。昨年は2勝をマークするのに意外にも時間を要したが、初の古馬混合戦になった前走は自力勝負に出て惜敗。ただ、あの内容を見る限り、3勝目は時間の問題だろう。流れを掴むという意味では、距離延長はプラス。逆転が狙えるのは、キャリアが浅く、まだ底が割れていないペイシャタイムが筆頭。大崩れのないアーススターリングも圏内。

(厩舎談話)

1.スピルアウト 前走はよく追い上げてきました。やはり外回りの方が合っているようですし、流れさえ向いてくれれば、前走以上にやれていいと思います。

2.トネール リズム良く自分のペースで行くというのがベストパターンなので、なかなか注文通りには運べませんね。ここもどうでしょう。

3.アーススターリング 毎レース、頑張って走ってくれますね。状態も変わりないですから、ここも自分の走りをしてくれるでしょう。距離も大丈夫だと思います。

4.ツウカイステラ 2走前の内容を踏まえて距離を延ばしましたが、案外な結果でした。能力的にはもう少しやれてもいい条件と思うので、前進してほしいです。

5.パッションクイン 他場でのレースぶりを踏まえて、まずは長い距離に使ってみます。力関係はやってみないことには分かりませんが、メドを立てたいですね。

6.トウキョウドライヴ 常識に掛かってきた感はあるものの、前走も先頭に立ってから気を抜く面を見せています。勝ち負けでしょうが、若干の不安はあります。

7.ペイシャタイム 使いながら調子を上げていましたし、距離もクリアしたので前走は収穫がありました。昇級戦ですが、差のない勝負ができてもいいと思います。

8.ツルマキロバリー レース展開的にも、前走はもう少し伸びてきてほしかったですね。春先より状態が上がってきているのは確かですが、どこまで変われますか。

 

〇12R ダンカーク賞 3歳以上C2-2組以下 距離1200m

1.ムーンセレナーデ

2.ライチェフェイス

3.エコロファントム

4.モズリスペクト

5.ジャスパーケイ

6.モリデンリバー

7.フジノヤマテソーロ

8.マリノフェリス

9.イッツソーラッド

【展望】モリデンリバーは3歳時は南関東に転出。僅か2戦しか使えなかった誤算はあったが、叩き2走目、距離短縮で見事に変わって見せた前走なら、もう今後は軌道に乗ってくるに違いない。フジノヤマテソーロの前走は内回り、距離延長の壁に完全にギブアップの状態だったが、1200mに替われば話は別。唯一の3歳馬であるイッツソーラッドも、古馬のこの条件に編入なら、いきなりから勝ち負けに持ち込めそうだ。

(厩舎談話)

1.ムーンセレナーデ 時計も詰めてきましたし、レースぶりは常識にかかってきましたね。展開の味方は必要ですが、チャンスはありそうです。

2.ライチェフェイス 中央の時も出遅れが多かったですし、まずはスタートが課題ですね。メンタルが難しいので一変といくかどうか何とも言えません。

3.エコロファントム ここ2戦は安定して走れていますね。気難しいタイプなのでアテにはしづらいものの、気分良く走れれば、上位争いができていいと思います。

4.モズリスペクト 前走は大敗しましたが、もともと気分良く走れないと脆いところがありますね。短距離でスムーズに運べれば、力を見せてくれると思います。

5.ジャスパーケイ 流れに乗れませんし、気性面が不安定なタイプですからねえ。アテにはできません。

6.モリデンリバー 短距離で決め手を生かす形が合うようです。前走の内容は良かったですね。復調気配も感じます。前走以上の頑張りを見せてもらいたいです。

7.フジノヤマテソーロ 距離を延ばした前走が案外な結果だったので、今回は短距離に戻すことにしました。デキはいいので、巻き返したいですね。

8.マリノフェリス 着順を上げられた時は時計も遅かったですからね。環境には慣れてきましたが、勝ち負けとなるとどうでしょう。

9.イッツソーラッド ひとつ上のクラスに編入されましたが、能力は問題なく通用するでしょう。アテにできない面はあるものの、勝機があると見ています。

 

(競馬ブック・松本英博)

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