2021年07月24日競馬情報
令和3年度の第3回盛岡競馬は7月25日から前半3日間、8月1日から後半3日間の計6日間開催される。
前半週の最注目レースは初日(25日)に行われる、3歳馬による重賞競走『第9回ハヤテスプリント(M2)』ダート1200m。フルゲート=14頭に対して登録馬は16頭。
地方全国交流競走に生まれ変わって4年目を迎える短距離重賞。今年は初めて他地区枠=6頭が埋まり、強力遠征勢の上位独占の可能性が高そうなメンバー構成となった。
道営からは2頭。ソロユニットは昨秋のエーデルワイス賞(Jpn3)を圧勝した、この世代を代表する実力牝馬。道営の1冠目・北斗盃3着から短距離に矛先を向けてきたわけだが、1200mはエーデルワイス賞を含む4戦4勝。地方競馬を代表する快速馬・アザワクの半妹という血統背景からも、ここは適条件。不安要素を挙げるとすれば、ここまでで唯一の遠征競馬だった大晦日の東京2歳優駿牝馬で8着と力を発揮できなかったこと。そして初の左回り。
セカイノホシは同じく道営の牝馬。5月の日高賞(水沢1600m)2着に続く岩手遠征となる。こちらは遠征経験豊富で、左回りも川崎や浦和で経験。3走前の鳥待月特別(門別1200m)でソロユニットと0秒4差の3着。計算できる存在であり、この馬の場合は先手が取れるかどうかが焦点。スタート集中の局面。
南関東からは4頭。大井のアイスボウルは1200mで2勝。優駿スプリント(大井1200m)8着からの参戦。格付け初戦の前々走がB2五組(大井1200m)で0秒5差の4着。すでにB2古馬と互角に戦っており、道営勢と互角にやれても不思議ない態勢。左回り、遠征競馬は未経験。
大井のミラコロカナーレは羽田盃9着を最後に短距離路線に転じ、優駿スプリントトライアル5着から本番の優駿スプリント10着。この馬も前々走が格付け初戦で、B3のゲンマ賞(大井1200m)を快勝。前記・アイスボウルと五分の扱い。やはり左回り、遠征競馬は未経験。
もう1頭の大井所属・ラペルシェールは岩手の実力牝馬・マルケイマーヴェルの半弟。重賞出走は初となるが、格付け初戦の前走でB3(大井1400m)勝ち。1200mでも2勝しており、適性は十分。こちらも左回り、遠征競馬の経験はない。
川崎のサンエイウルフは昨秋の南部駒賞(盛岡ダ1600m)6着以来の岩手遠征。現在、岩手で無敵を誇るリュウノシンゲンとは0秒4差と、そう差のない入線だった。短距離は新馬戦(川崎900m)以来となるが、そこでピースフラッグに競り勝っており、適性はあっても不思議ないとの印象。
地元勢。遠征馬がこのレベルでは出番がなさそうな雰囲気だが、大将格はアウトレイジング。短距離路線のここ2走=ヒバリ特別(水沢1400m)→ウイナーカップ(盛岡ダ1400m)が、ともに自分で動いて勝ちが見えたところで他馬に勝ち星をさらわれる連続2着。決め脚は持っているだけに、1ハロンの距離短縮は有利に作用しそうだ。
後半週の最注目レースは4日目(1日)に行われる、3歳以上オープン馬による重賞競走『第43回せきれい賞(M2)』芝2400m。フルゲート=14頭に対して登録馬は19頭。
このレースも地方全国交流競走ということで、まずは遠征馬から。
実績最上位は大井のロードクエスト。新潟2歳ステークス(G3)、京成杯オータムハンデ(G3)、スワンステークス(G2)と芝の重賞を3勝、G1でも人気になった、言わずと知れた元中央オープン馬。勝ち距離は1400~1600m。今回は距離が鍵になるが、最近は2000mでもそこそこ走れていた。盛岡の芝でも活躍したマツリダワルツの仔という血も面白い。
同じく大井のノーブルマーズは中央5勝馬。重賞勝ちこそないものの、2018年には東京2400mのメトロポリタンステークス2着→目黒記念(G2)2着をステップに宝塚記念(G1)で3着に食い込んだ実績馬。この距離で2勝。今回の条件はおそらくベスト。
金沢のヤマカツライデンは中央5勝(うちダート1勝)馬。札幌2600mの丹頂ステークスを勝ち、春の天皇賞(G1)にも2度出走している、芝では完全なステイヤータイプの逃げ馬だった。現在所属する金沢では条件クラスながら10戦9勝、2着1回。今回のメンバーでスタミナに最も自信があるのはこの馬。
同じく金沢のゴールドサーベラスは中央5勝馬。勝ち距離は1500~1700m。オープン勝ちはなく、重賞での最高着順は七夕賞(G3)の4着。2勝目の勝ち上がりが盛岡芝1700mのカシオペア賞。ゲンのいいコースで上位進出を窺う。
多士済々の遠征勢だが、地元勢も駒は揃っている。ランガディアは岩手に転じて2シーズン目。昨年のマーキュリーカップ(Jpn3)3着などダートで活躍しているが、元は中央芝5勝馬。盛岡の芝は昨秋のOROカップ(1700m)6着以来となる。
アップクォークも中央芝5勝馬。昨年のこのレースを兵庫代表として出走し、ロードヴァンドールに6馬身差の楽勝劇を演じた前年覇者。兵庫からの移籍初戦だった前走・かきつばた賞(盛岡芝1700m)が3秒9差の10着。スタートでアオって3馬身出遅れたとはいえ、負けすぎの内容。休み明けを叩かれてどれだけ変われるかに。
やはり移籍初戦を叩かれたマスターコードは勝ち距離が2000~2600mの中央芝3勝馬。ナイトオブナイツは巴賞勝ちがある中央芝6勝馬。マイネルカレッツァは勝ち距離が2400~2600mの中央芝4勝馬。リリーモントルーは中央から移籍後、ダートながらA級一組を2連勝中。そして唯一の3歳馬・マツリダスティール。馬券的に妙味となりそうなのはこのあたり。
(文:エイカン 内山達明)