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【開催見解】盛岡競馬(2021/9/5~9/14)

盛岡・水沢

2021年09月04日競馬情報

 令和3年度の第6回盛岡競馬は9月5日から前半3日間、9月12日から後半3日間の計6日間開催される。

 初日(5日)のメインレースは3歳馬による重賞競走『第53回不来方(こずかた)賞(M1)』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
 1ヶ月後に迫ったダービーグランプリを見据えて有力3歳馬がズラリとエントリーしてきた注目の一戦。
 主役はリュウノシンゲン。岩手生え抜きで、ここまで12戦10勝。負けたのは芝の若鮎賞(盛岡芝1600m)3着と地方全国交流の南部駒賞(盛岡ダ1600m)3着。ダートで地元馬には負けることなくここまで来た。正月の金杯時の馬体重が475㌔。そこから3ヶ月の冬休みを挟み、4月のスプリングカップが494㌔、続く5月のダイヤモンドカップが501㌔、そして前走の東北優駿が507㌔。どんどんパワーアップさせつつ圧勝を続けており、地元の同世代相手に負ける要素は見当たらない。盛岡ダートのツーターンの競馬は初めてとなるが、夏休みを経ての成長度合いを見るのが楽しみな逸材。
 ゴールデンヒーラーは牝馬№1。この春はグランダムシリーズの日高賞を捨てて打倒リュウノシンゲンに挑み、ダイヤモンドカップ(水沢1600m)が2着、東北優駿(水沢2000m)が4着。はね返されたが、続くリュウノシンゲン不在のやまびこ賞(盛岡ダ1800m)では牡馬相手に57㌔を背負って完勝。前走の岩手版オークス・ひまわり賞(盛岡ダ1800m)は10馬身差の楽勝。盛岡のツーターンを2度経験し、左回りでの動きの良さをアピールしており、再度リュウノシンゲンにチャレンジする。
 マツリダスティールはリュウノシンゲンと同厩舎。こちらは昨年のジュニアグランプリ(盛岡芝1600m)を制するなど、芝路線を歩み、前々走では古馬相手の地方全国交流・せきれい賞(盛岡芝2400m)で3着に食い込んでいる芝巧者。久々のダート戦となった前走のイーハトーブマイル(盛岡ダ1600m)は半信半疑だったが、牝馬№2のホワイトブライドに7馬身差の圧勝。もともと昨年9月のビギナーズカップ(盛岡ダ1400m)でリュウノシンゲンと0秒2差の勝負を演じていたが、改めてダートでもトップクラスの能力があることを証明した。ただ、この馬の場合、次開催の芝の大一番・OROカップ(盛岡芝1700m)という選択肢もあり、この稿締め切りの段階で出否はわからない。
 サンエイマジックはリュウノシンゲンやゴールデンヒーラーとともに3歳の王道路線を歩み、ダイヤモンドカップ、東北優駿がともに3着、やまびこ賞2着の実力馬。前走のイーハトーブマイルは5着と凡退したが、これはワンターンの競馬が忙しかったのと58㌔も影響したと思われる。2000mの東北優駿で最速上がりで追い込んでおり、今回は巻き返しあって不思議ない条件。
 グランフォロミーは東北優駿2着馬。当然期待される局面だが、昨年の知床賞(盛岡ダ1400m)5着、やまびこ賞が7着と、どうにも左回りが不安。前走は大井の黒潮盃に遠征して殿り負け。ムードは良くない。
 なお、この競走の1~3着馬には10月3日に行われる重賞『ダービーグランプリ(M1)』への優先出走権が与えられる。

 後半週。4日目(12日)のメインレースは3歳以上オープン馬による重賞競走『第29回青藍(せいらん)賞(M2)』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は18頭。
 主役はヒガシウィルウィン。今シーズンは3戦して赤松杯(水沢1600m)5着→シアンモア記念(水沢1600m)1着→みちのく大賞典(水沢2000m)2着。ここは6月以来の休み明けとなるが、盛岡のマイル戦は昨夏の転入から4連続出走して、すずらん賞1着→青藍賞1着→南部杯(Jpn1)8着→絆カップ1着。メンバーが違う南部杯以外はきっちり勝ち切っており、ここは前年覇者として力の違いを示しそうだ。
 パンプキンズは岩手生え抜きの5歳馬。生粋の逃げ馬だが、古馬になってからのコース別の成績は水沢8戦→⑦⑦⑥⑤⑤⑤②⑧着に対して、盛岡は10戦して②①②②⑬①③①③①着。13着は南部杯(Jpn1)であり、それを除くと一度も馬券の対象から外れていない。昨年のこのレースでもヒガシウィルウィンの2着を死守しており、今年も期待十分。
 怖いのはリリーモントルー。今春中央の2勝クラスからやってくると、5月の皐月特別(水沢1600m)→6月の初夏特別(水沢1900m)→8月の初秋特別(盛岡ダ1800)とA級一組戦ばかり3戦3勝。ここが重賞初挑戦となるが、終いの瞬発力が素晴らしく、いきなり通用しそうな予感。
 他はこの稿締め切りの段階で出否がわからないが、トライアル1、2着のタイセイブラスト、レールガン、マイルを得意とするスカイサーベル、実力馬・ヤマショウブラック、南関東実績高いデスティネ、末脚鋭いロードキングといったところが上位食い込み候補として挙げられる。
 なお、この競走の1着馬には10月11日に行われる重賞『南部杯(Jpn1)』への優先出走権が与えられる。


(エイカン 内山達明)

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