ウマプラ

【開催見解】門別競馬(2021/10/12~10/21)

門別

2021年10月11日競馬情報

第14回門別競馬展望

 今年はあと2開催を残すのみとなった。前開催の重賞レースの回顧から。3日目の2歳オープン馬によるサンライズカップは、モーニングショーが2番手に控えたために、シャルフジンが押し出される格好で先制。3~4角で一気にペースアップされたため、シャルフジンにとっては本当に厳しい展開になった。後方からジワッと追い上げたナッジにピタッと展開が嵌まったわけだが、敗れたとはいえ、シャルフジンの2着踏ん張りは、力なしではできない芸当と言えるだろう。サッポロクラシックカップをレコード勝ちしたリコーヴィクターを含めて、次のJBC2歳優駿の巻き返しを期したい。6日目の伝統の一戦・瑞穂賞は圧倒的に支持されたクインズサターンが4着に敗れる波乱。テンから快調に飛ばしたリンノレジェンドが、直線でリコーワルサーに交わされながらも、ゴール前で差し返す内容。今年の赤レンガ記念では堂々と逃げ切っているが、自分のペースでリズム良く逃げることができれば、無類の強さを発揮できるのだが、それを改めて実証した。昨年の道営記念はクインズサターン、ルールソヴァールがワンツー。その2頭もこのままでは終わるはずもない。道営の最高峰を目指す実力馬が一堂に会す、次の道営記念は本当に見応えがある一戦になりそうだ。

 

 今開催の重賞レースは、3日目に2歳牝馬によるJpnⅢの第24回エーデルワイス賞、6日目には同じく2歳牝馬による第9回ブロッサムカップが行われる。

【重賞レース】

○10月14日 第24回エーデルワイス賞

 詳細については、後日、小社ケイバブックの岡田記者の予想&記事に委ねるとして、個人的な見解としては、牡馬相手のイノセントCを快勝したレディーアーサーが中心。このまま無事なら、暮れの大井で行われる東京2歳優駿牝馬でも有力視されていいポテンシャルの高い存在であり、中央1勝クラスなら、地の利もあるだけに勝ち負けは必至のはず。相手は中央のブッシュガーデン、ヒストリックノヴァ。同じ田中淳厩舎のスカーレットピースの巻き返しに注意したい。

 

○10月21日 第9回ブロッサムカップ登録馬 2歳オープン牝馬 距離1700m

・コスモポポラリタ

・ローズティアラ

・カーロデスティーノ

・キテヤエヒメ

・ティーズハクア

・フレーシア

【展望】2週連続の2歳牝馬勢の戦い。距離が違うとはいえ、このローテーションを考えると、少頭数になるのはやむを得ないか。内回り1600mのフローラルカップを制したコスモポポラリタ。外回り1700mで2度敗れてはいるが、今回の登録馬を見る限り、重賞連覇の可能性は高い。展開に注文がつかず、自力勝負で動ける器用さを持っているのも魅力のひとつ。田中淳厩舎のローズティアラは、エーデルワイス賞に有力馬がいる関係で、こちらに回ってきた。血統的には距離延長に戸惑うことはないだけに、折り合いさえスムーズなら、首位争いに加われるはずだ。このまま、追加登録がなければ、この3勝馬同士の一騎打ちムード。

 

【初日 10月12日 特別2鞍】

○11R 北海道とともに、世界へ特別 3歳以上C1-2組 距離1000m

1.キョウエイホープ

2.ストロングヘヴン

3.シングンヴィグラス

4.デンプシーロール

5.プリンセスティナ

6.スターオブフェアー

7.アカンダナパワー

8.ガビーズメモリー

9.オープンアーム

10.ヒルノコルシカ

【展望】このクラスでは珍しい1000m戦。1200mではゴール前で甘くなっている馬に着眼するのが妥当と思われるが、この組み合わせなら、逃げるガビーズメモリーのスピードが一枚上だろう。中央からの転入2戦目の前走はアタマ差の惜敗だったが、重かった馬体も絞れて、さらに上昇ムード。距離が短縮したことで、水準以上のダッシュ力を駆使できるスターオブフェアーとプリンセスティナも巻き返しは必至。少々の競り合いがあったとしても、この距離なら上位踏ん張りは十分。前半のハナ争いが熾烈を極めれば、差し脚が身上のオープンアームが浮上しそう。

(厩舎談話)

1.キョウエイホープ ここ2戦はもうひとつの内容ですが、状態自体は悪くないんです。1000mなら、もう少しやれてもと思っています。

2.ストロングヘヴン 本質的には長い距離に適性があるのだと思いますが、まったく走る気を出さない現状なので、気合を入れる意味で1000mを試します。

3.シングンヴィグラス 連闘は問題ありませんが、衰えが目立つ現状ですから、強気にはなれません。

4.デンプシーロール 集中力が切れてしまうようなので、今回は1000mに使います。能力を出し切れば、通用していいはず。変わり身を見せてほしいところです。

5.プリンセスティナ 同型馬が多くて自分のレースができなかったこの2戦です。1000mに勝ち鞍はないのですが、向かないわけではありません。先手が取れれば。

6.スターオブフェアー 1200mだとやはり甘くなってしまいますね。今回は久々にベストの距離で戦えるので巻き返したいところです。デキ自体は変わりないです。

7.アカンダナパワー ラストの踏ん張りが利かないというレースが続いていますので、今回は距離を短縮してみます。これがプラスに働くことを願いたいですね。

8.ガビーズメモリー 体が絞れて調子を上げています。接戦の末に敗れてしまった前走ですが、このクラスでは上位の力があることが分かりました。

9.オープンアーム 馬体が増えて復調の気配ですね。前走も悪い内容ではありません。1000mには良績がありますので、そこそこやれると思っているんです。

10.ヒルノコルシカ この2戦は先行争いが激しくて、自分の競馬ができませんでした。1000mの経験はありませんが、スピードを生かすタイプなので向くでしょう。

 

○12R 北海道コンサドーレ札幌特別 3歳以上C1-2組 距離1200m

1.ラストシーン

2.ポロンチャン

3.ラストトレビアン

4.レッドラファーガ

5.フランキー

6.リキオマトバ

7.リュウノエドワード

8.デルマガーネット

9.ツルマキロバリー

10.ムーンセレナーデ

11.キョウエイリビード

【展望】昇級後のキョウエイリビードは決め脚の差が如実に表れていたが、久々に短距離戦を選択した前走が、後方からまずまずの脚を使っていた。この中間は坂路でしっかりと負荷をかけられており、体調はさらに上昇ムード。前が速くなればなるほど、チャンスが芽生えそうだ。ラストトレビアンの前走は約2カ月の実戦。厳しい先行争いの末に完全に息切れ状態になったが、ひと叩きされて単騎の逃げが打てる組み合わせの今回は大きく変わる可能性がある。前走は忙しい競馬でハイペースに翻弄されたデルマガーネットも1ハロン延長で差しに徹すれば、きっちりと上位争いに顔を出せるだろう。

(厩舎談話)

1.ラストシーン 体調がいいので馬体が増加傾向にあるんです。伸び切れないのはその辺りが影響しているのかもしれません。そこそこやれていいはずですが。

2.ポロンチャン 流れについていくのがやっとという近況ですからね。今回も苦戦しそうです。

3.ラストトレビアン 前走はひと息入っていた影響もありますが、ノドの状態が良くないのが惨敗の原因。叩かれた今回は動けると思いますが、不安も同居です。

4.レッドラファーガ ここ2戦とも脚は使っていますが、前を掴まえるほどの勢いはないですね。流れひとつで差は詰められると思いますが、勝ち切るまでは。

5.フランキー スタートの遅さはある程度は織り込み済みですが、最近はそのロスが大きいですね。馬群に取りついていければ、前進は可能だと思いますが……。

6.リキオマトバ 現状が精一杯という成績ですから強気なことは言えませんが、今回はクラスが下がりましたので、そこに望みをつなぎたいですね。

7.リュウノエドワード 他場での勝ちっぷりは悪くないですから、能力はありそうです。転入緒戦で休み明けなので、メドの立つ走りをしてくれればと思います。

8.デルマガーネット 1000mは忙し過ぎたようです。適度に息を入れられる1200mの方が合うと思います。クラスも下がりましたから、チャンスはあると思います。

9.ツルマキロバリー 直線はしっかり伸びてきますから、展開が向いてくれるかどうかです。馬場が軽くなって時計勝負になるより、乾いた馬場でやりたいです。

10.ムーンセレナーデ スタートが遅いのはいつものことなので、あまり気にしていません。自分の時計だけは走ってくるので、スピード勝負にならなければ。

11.キョウエイリビード 距離を戻した前走がメドの立つ内容でしたから、再度、短い距離を使います。ここも展開ひとつで上位争いに加われると思います。

 

(競馬ブック・松本英博)

競馬ブック