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【開催見解】金沢競馬(2021/12/12・14)

金沢

2021年12月11日競馬情報

 2020年度・第19回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、12月12日(日)、14日(火)。

 

 12日(日)のメイン(最終10R・発走16時05分)は今年の総決算と言える大一番「重賞 第57回中日杯」(3歳以上オープン・2000m・1着賞金700万円)

 長らく2300mで行われていたが、2015年は1900m、2016年からは2000mに。

 過去5年の勝ち馬

 2016第52回 ジャングルスマイル(牡10・2番人気)…田知弘久 不良2分11秒9

 2017第53回 メイジン(牡6・2番人気)…平瀬城久 不良2分11秒3

 2018第54回 ヤマミダンス(牝4・4番人気)…中島龍也 重2分9秒7

 2019第55回 ティモシーブルー(牡5・1番人気)…畑中信司 不良2分8秒5

 2020第56回 ハクサンアマゾネス(牝3・2番人気)…吉原寛人 不良2分8秒7

 かつては3歳馬の好走は少なかったが、2008年にノーブルシーズ、2011年にナムラダイキチ、2014年にケージーキンカメ、2020年にハクサンアマゾネスが優勝。斤量差もあって2019年と2020年は3着にも好走しており、むしろ有利にすら思えるくらいだ。

 1番人気馬は過去10年で5勝・2着1回で、馬券圏外は2016年グルームアイランド(5着)、2017年グルームアイランド(5着)(共に北國王冠好走後)、2018年ナガラオリオン(11着・大出遅れ)、2020年ティモシーブルー(5着)。人気馬による決着が多かったレースだが、確固たる主役不在の年は波乱に。ちなみに3連単導入後17回のうち万馬券決着は7回で、2006年の397150円(1番人気ブラウトリートが4着、3着ミツアキトッキューが10番人気)、2007年の37210円(1番人気マヤノオスカーが3着)、2009年の16370円(5番人気ゴールデンミションが勝利)、2016年の115180円、2017年80690円、2018年183630円、2020年11280円。

 また、前年までに好走歴のある「リピーター」が台頭傾向の重賞でもある。詳細は割愛させていただくが、最も極端な例を挙げれば、ジャングルスマイルの2010年2着→2011年2着→2013年2着→2014年2着→2015年2着→2016年1着。

 さて、今年のメンバーは

 1番 カズマークセン 鈴木太一

 2番 フジヤマブシ 平瀬城久

 3番 ウインオスカー 柴田勇真

 4番 ジェネラルエリア 加藤聡一(愛知)

 5番 マインシャッツ 魚住謙心

 6番 トップロイヤル 池田敦

 7番 ヒロシゲセブン 沖静男

 8番 フューリアス 青柳正義

 9番 ティモシーブルー 米倉知

 10番 エイシンレーザー 栗原大河

 11番 マイネルパイオニア 松戸政也

 12番 ハクサンアマゾネス 吉原寛人

 古馬重賞の勝ち馬が多数いた昨年と違い、主要重賞をハクサンアマゾネスが制してきた今年は完全なる「1強」ムード。脅かすような新勢力の台頭・参戦はなかっただけに…。

 もちろん主役はハクサンアマゾネス。春シーズンは決して本調子とは言えず馬体維持にも苦労。それを思えば休養から復帰の今秋の方が感触は上。今回も変調なく十分な追い切りも消化できたし、距離にも展開にも不安はない。勝利は高確率に思える。

 焦点の次位争いで期待したいのは3歳馬フューリアス。まだ古馬重賞で好走のメドが立ったとは言えないものの、目下の充実ぶりは目立ち、3歳重賞好走時よりレース運びも上手に。前々走1900mで春の重賞好走馬エイシンレーザーにも先着。好位でも運べそう。

 トップロイヤルは白山大賞典8着後が案外で、本格的な長距離の持久力勝負に不安も残るが、適度なレース間隔で十分な追い切りも消化。百万石賞3着くらい走れば上位争いに。

 エイシンレーザーもここ2走が不発で評価が難しくなったが、長距離での追込策でこそのタイプでもある。気楽に乗れる適距離のここは、本来の末脚が戻る可能性。

 2着・2着と復調を見せる昨年の3着馬フジヤマブシも今なら楽しみ。今季は本調子を欠いて同期ハクサンアマゾネスに水を開けられたが、本来の実力的には遜色ない。

 完調とは言えなかった転入初戦2着以上を見込むジェネラルエリアも昨年の当地・お松の方賞2着もあり、このメンバーなら上位争い可能。

 穴はヒロシゲセブン。良績が障害で半信半疑だった前走がメド立つ3着。乗り込み量も増やしての長距離戦で持ち味の持久力が生きると上位進出も可能性。

 

 14日(火)のメイン(最終11R予定)は「クリスマスローズ特別」(A1-2・1700m)

 コンパウンダー、ファクタークニアキ、エアースピーダー、ニシオボヌール、ストロングフーヴス、ディセントファミリ、メジャーシップ、デルマキミノナハ、デビルスダンサー、フォリオール、が出走予定。(トウショウデュエル、サクラエンパイアは回避)

 ファクタークニアキの巻き返しに期待。A1に上がってからの3勝・2着1回はすべて1700mでスンナリ先行した時。前走のような1400mの1枠は基本的に合わず、結果を度外視できる。2~3走前の連勝時とデキは変わらないはずで、当時より相手強化というわけでもないここなら先行争い・ペース一つ。

 ここ2走は牝馬重賞で3着→3着のデビルスダンサーもこの条件なら首位候補。3走前の準重賞・鼠多門賞勝ちは同距離で今回の対戦馬を負かしたもの。変調はなさそうな追い切りも消化して、自在に立ち回れる点でも崩れる要素は少ない。

 休養から復帰後2着→1着の古豪メジャーシップもここ2走通り走れれば好勝負必至。近走は距離展開不問の好走を見せているディセントファミリも前走のようにロスなく進出する脚が使えれば面白い。前走上々ストロングフーヴスも脚の使い所一つで上位争い可能。


(競馬カナザワ 大井 明洋)

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