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【開催見解】門別競馬(2022/6/8~23)

門別

2022年06月07日競馬情報

 前開催の重賞は6月2日、5日目11Rに行われたダートグレード競走、第26回北海道スプリントカップ(GⅢ)は、サウジアラビアのGⅢリヤドダートスプリントを勝って凱旋を果たしたダンシングプリンスが好スタートから逃げ切り快勝。レースは1200mの1番枠で後手を踏むと最悪のケースが考えられたが、先制すると見られていたアザワクが2番手に控えたため、前半3ハロンは34秒3、ダンシングプリンスのペースで進められた。3~4角で内を突いたヒロシゲゴールド、直後にリュウノユキナが迫ったが、前半の余力がゴール前のひと踏ん張りを呼んでいる。落合玄騎手の思い切った騎乗ぶりが光った。2着には末脚切れるスマートダンディーが外から急追。やはり直線の長い門別競馬場が合っている。当初の予想通り、JRA勢が上位独占。地元勢ではスティールペガサスが5着入着がやっとだったが、今年のようなJRAの強力な布陣では仕方はない。

 同じ日に行われた2歳オープン、ウィナーズチャレンジ①競走は僅か7頭立てだったが、逃げるポリゴンウェイヴ、追うスティールグレイス。前評判の高かった2頭がワンツー。勝ったスティールグレイスの強さは間違いなく本物。今後の動向が注目されるところ。なお、2歳重賞第一弾・栄冠賞は6月28日だが、今年も角川厩舎、田中淳厩舎の熾烈な争いが繰り広げられそうだ。

 さて、今開催は水、木曜日の2日ずつ、異例の3週間開催。重賞レースは、全国のダービーシリーズ真っ只中で、4日目に北海優駿が組まれている。また、6日目に伝統の赤レンガ記念が行われる。中央函館が開幕されるのに伴って、今開催からJRA交流競走もスタート。

 

【重賞】

〇6月16日 第50回北海優駿(ダービー)登録馬 3歳オープン 距離2000m

・シルトプレ

・エンリル

・マナホク

・モリデンブラック

・ボニーマジェスティ

・クラグローリー

・プリサイスニードル

・クルードラゴン

・スダワールド

【展望】三冠戦線の第一関門・北斗盃を制したシルトプレが順調にエントリー。冬期間に南関東に遠征して鎌倉記念を制して帰ってきたわけだが、距離が2000mになっても問題はなく、実績上を含めて、一番、死角のない有力馬と言えるだろう。北斗盃2着のエンリルは前半のペースが鍵を握っているが、血統的背景を考えると、初距離に対応できるかどうかが最大のポイント。逆に距離が延びるのが好材料なのは、前走、A4以下特別(1800m)を測ったように差し切ったマナホク。これが相手の筆頭候補。今春、中央から転入してきたボニーマジェスティも底が割れていない魅力が十分に備わっている。目下2連勝、地力強化中のクルードラゴンも侮れない。

 

〇6月23日 第59回赤レンガ記念登録馬 3歳以上オープン 距離2000m

・ハセノパイロ

・チャイヤプーン

・リンノレジェンド

・ルールソヴァール

・フローリン

・テーオーフォース

・バンカブルスター

・トレイントレイン

・クラキングス

・トルナベント

【展望】コスモバルク記念で転入以来、初勝利を飾ったテーオーフォースだが、昨年の道営記念では速い流れに乗りながらも5着に踏ん張っており、前走をフロック視するわけにはいかない。この一戦を目標に調整も順調。同厩舎のルールソヴァールは、昨年の瑞穂賞、道営記念がそれぞれ3着。休養明け緒戦を勝利して、10歳を迎えてもますます快調。追い比べに持ち込めれば、大仕事をしても不思議はない。自在の攻撃力が武器のチャイヤプーンも叩かれつつ調子を上げており、一角崩し以上の評価は必要だろう。以下、バンカブルスター、クラキングスと続く。

 

【6月8日 初日特別3鞍】

〇9R ヤマボウシ特別 3歳以上C1C2 距離1200m

1.キョウエイリビード

2.リルドゥセルマン

3.スターオブフェアー

4.キイエクスプロード

5.アメツチカミ

6.エクスターミネート

7.セイウンモーリー

8.ヤーラシカ

【展望】目下2連勝中のリルドゥセルマン。冬場の高知では今ひとつだったが、門別に帰ってからの活躍ぶりが目立っている。門別1000mでは7戦5勝2着2回と10割の連対率を誇っている馬だが、今回は1ハロン延長が鍵を握っているものの、同型スターオブフェアーとの兼ね合いがスムーズなら心配はなさそう。末脚冴えるエクスターミネートは前で遣り合ってくれれば、逆転のチャンスが生まれる。叩かれつつ調子を上げてきたセイウンモーリーが一角崩し候補。

(厩舎談話)

1.キョウエイリビード 今シーズンは結果は出ませんが、前走はスピードに乗せて行けました。復調のきっかけになりそうな内容でした。そろそろ前進したいです。

2.リルドゥセルマン クラスは上がりましたが、タイム的に見劣ることはないと思います。1200mでも大丈夫だと見ています。自分のリズムで先行したいですね。

3.スターオブフェアー 前走は道中で競り合う形になった分、ラストに甘さが出てしまいました。1200mだと余計にその点が課題ですが、スムーズに逃げられれば。

4.キイエクスプロード 前走の内容を見ると、1000mだと忙しい感じがあるので、1ハロンの距離延長は良さそうです。少しでもレースぶりが良くなってくれれば。

5.アメツチカミ 前走はよく頑張ってくれました。時計のかかる決着も良かったようですね。スピード勝負になると分が悪いですが、混戦になるようなら。

6.エクスターミネート 追い込み一手で展開に注文がつくということを考えると、今季はよく頑張っています。体調は安定。前崩れなら、勝機もあるでしょう。

7.セイウンモーリー 使いながらの良化がもうひとつなので、ひと開催開けて立て直しました。まだいい頃の雰囲気ではないですが、一歩前進してほしいです。

8.ヤーラシカ 前走は道中のポジションで最後まで踏ん張っていましたから、内容は少し良くなりました。この調子で頑張ってほしいですね。

 

〇10R 秩父別キュービックフェス特別 3歳以上C1C2 距離1200m

1.ムーンセレナーデ

2.ジャスパーケイ

3.ラストトレビアン

4.コクサイルビー

5.フーラリ

6.ディープエコロジー

7.プルミエールアンパ

8.プライオリティー

9.カワカミカリーナ

【展望】転入緒戦は久々で完全に息切れしていたディープエコロジーが、叩かれつつ着実に良化を辿って、前走の勝利を呼び込んでいる。中間気配も良く、体調面が安定してきたのは確かだ。軌道に乗って、連勝ムード。ラストトレビアンは今季緒戦が文句なしの勝ちっぷり。前走は本来の伸びを欠いたが、この組み合わせなら巻き返しは必至。一進一退を続けているフーラリだが、今回はすんなりと先手が取れる組み合わせ。道中で息が入るようなら、粘り込み以上を警戒したい。

(厩舎談話)

1.ムーンセレナーデ 出遅れはつきものですが、今シーズンは追い上げが利きませんね。地力は足りるので、2回使ったことでスイッチが入ってくれれば。

2.ジャスパーケイ 昇級戦に対応した前走は収穫がありました。予想以上に相手なりに動ける良さがありますね。デキも安定、差のない走りをしてくれるでしょう。

3.ラストトレビアン レース後の疲労が残るタイプなので、前走は予想以上に応えたのかもしれません。前開催休ませました。前走のようなことはないと思います。

4.コクサイルビー 着順は上がってきませんが、前走1000m戦でしっかり追われたので、いい刺激になればいいですね。状態的には変わりなく安定しています。

5.フーラリ 前走は結構ストレスがかかる先行争いになりました。スムーズなレースというわけではありませんでした。気分良く走れば、前進は可能だと思います。

6.ディープエコロジー 休み明け3戦目で結果を出してくれました。引き続いていい状態です。前走と同じ条件なので、メンバー次第でチャンスがありそうです。

7.プルミエールアンパ 仕上がり面はOKですが、こちらに来たばかりで、まだ個性を掴み切れませんね。力関係も含め、一度やってみないことには。

8.プライオリティー 前走は多頭数で中の方の枠でしたから、馬群を捌くのに苦労したようです。外枠で揉まれ弱い部分を出さずに運べればいいのですが。

9.カワカミカリーナ 調子は良くなっているのですが、レースぶりに変化がありません。追われてからの反応が出てくるようなら、いま少しやれてもいいはずです。

 

〇11R ホークビル賞 3歳以上B3以下 距離1800m

1.ジャポニズム

2.クラウォー

3.センコーファースト

4.テンカビト

5.スプレーモゲレイロ

6.オウケンインザサン

7.ポアンカレ

【展望】ジャポニズムは好位からあっさりと差し切った前走。今回は昇級緒戦となるが、少し伸び悩んでいる傾向が強い相手なら、勢いで勝っている感じ。どんな競馬でもできるだけに、距離延長はまったく問題なし。前走で控える競馬で味を見出したテンカビトだが、この組み合わせなら、テンから行くケースも考えられそう。道中、自分のリズムを崩さなければ、際どい勝負に持ち込めるはずだ。追われて味があるクラウォーは展開ひとつ。いずれにしても順当な一戦か。

(厩舎談話)

1.ジャポニズム 前走はいい内容の勝利でしたね。安定感のあるレースぶりでした。今回は距離延長に加えて昇級戦ですから、メドを立ててくれればいいですが。

2.クラウォー まだ本来の走りはできていないものの、体調は安定してきました。1800mの方がゆったりとレースを運べますので、前走よりは動けるでしょう。

3.センコーファースト 前走は気持ちが乗らない感じでしたね。思っていた以上に難しいタイプです。デキは変わらないですから、もう少しやれてもいいはずです。

4.テンカビト ここ数戦は逃げて甘くなっていましたが、前走はためる競馬でしっかり脚を使ってくれました。流れひとつでチャンスが来るはずですよ。

5.スプレーモゲレイロ ペースが遅過ぎると気持ちが入らないのかもしれません。この2走の敗因はそこにあるようです。力を出し切れば、巻き返せるはずです。

6.オウケンインザサン このクラスなら五分にやれる地力はありますが、休み明けなので、まだ能力全開といくかどうか微妙。1回使えば変わってくるはずですよ。

7.ポアンカレ 前走は7着でも、3着馬とは小差ですから、中距離でのメドが立ったと思います。勝ち負け云々はできませんが、それなりに食い下がれるでしょう。

 

(競馬ブック 山口英博)

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