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【門別】競馬専門紙記者の重賞予想(10/14 エーデルワイス賞 [JpnIII])

門別 重賞

2021年10月13日レース予想

〇10月14日 門別競馬11R 第24回エーデルワイス賞(JpnⅢ) 2歳オープン牝馬 距離1200m

 

【展望】直近4年では地元勢が4連勝しており、中央勢は2頭しか馬券圏内を確保できていないことを考えると、近年は道営馬有利の傾向が見られると言っていいだろう。

昨年の覇者ソロユニットのような傑出した存在こそいないが、今年のホッカイドウ勢は全体的にレベルが高そうだ。前哨戦の位置づけであるリリーカップの決着時計1分13秒5は、タフな馬場状態を考慮すればかなり優秀。さらに上位6頭が1分15秒以内で走破しており、上位層の厚さを証明するレース内容であったと言えよう。地の利をも得る道営馬に対し、中央所属の4頭はどこまで対抗できるか。

 

 ◎ 13ヒストリックノヴァ

 ○ 7スカーレットピース

 ▲ 11レディーアーサー

 △ 10スピーディキック

 △ 12エイシンヌプリ

 △ 8スティールルージュ

 

(実 績)11 10 8 12 14

(調 教)11 7 2 5 8

(距 離)10 11 13 12 6

(コース)10 11 12 8 9 

(情 報)11 10 7 8 12

 

◎ヒストリックノヴァ

 【展望】では地元勢の層の厚さについて触れたが、挑戦する中央馬の能力も毎年一定ではないことは注意しておかねばならない。1分11秒台の持ち時計がある中央馬の参戦は、エーデルワイス賞が門別1200mに定着した2009年以降に例がなく、過去最強の刺客と言っても過言ではない。上がりを要す展開のなかで突き抜けている点や、自在性を感じさせるレースぶりから、門別のタフな馬場にも対応できると見た。過去には初ダートで当競走を制した馬も複数頭おり、ダート競走の経験値が少ない点も気にする必要はないだろう。

○スカーレットピース

 初戦はかなりタフな条件下で行われたものであり、同日の2歳1000m戦の決着時計が1分3秒3、1分3秒7、1分4秒5であったことを踏まえると、この馬の勝ち時計1分8秒5(1100m)は破格の数字である。重賞挑戦で一気の相手強化となった前走のリリーカップはキャリアの浅さから力を出し切れなかった格好だが、ポテンシャルは交流重賞のここでも通用するものがある。折り合いさえつけば、勝機もあるはずだ。

▲レディーアーサー

 初戦こそ出遅れが影響して平凡な結果に終わったが、以降の3戦の内容が優秀。のちの重賞馬シャルフジン、リコーヴィクターも出走した栄冠賞で3着に好走すると、間隔を開けて臨んだイノセントカップで栄冠賞2着馬プライルードを下して初重賞制覇を果たした。特にイノセントカップでは先を見据えた仕上げのように映っただけに、更なる上積みに期待できるのではないか。一線級の牡馬と渡り合った実力は伊達ではない。

△スピーディキック

 デビューから大崩れすることなく好走を続け、5戦目のリリーカップで重賞初制覇を果たした。そのリリーカップは前半通過が34秒7の超ハイペースになり、後方に構えたこの馬に展開が向いた側面もあるが、世代トップレベルの地力がないとタフな良馬場を1分13秒5で走ることができないのも確かだ。中央馬の参戦によりハイペースになるケースが多く、再び直線の伸びに懸けるレーススタイルが嵌まる可能性も十分にあるだろう。

△エイシンヌプリ

 牡牝の一線級が集った栄冠賞こそ内々で揉まれ込んで10着に惨敗したものの、気性面に不安を抱えるなかでの牝馬重賞2着→4着→3着は高い潜在能力の裏付けだと言える。強い相手に揉まれ続けたことで、周りに馬を置いてもレースが組み立てられるようになってきた感じがある。経験を積んだ今なら多頭数でも能力を出し切れるはずだ。

△スティールルージュ

 スピードに富んだタイプで、1000m重賞フルールカップの勝ち馬。1200mだと若干、終いに甘さが出る面はあるが、ここでも通用して不思議のない水準の持ち時計があるのは確かだ。好位に控える形にも対応できるはずで、前走のように流れに乗り過ぎることがなければ、踏ん張りが利くとの見方もできるだろう。

 

(厩舎談話)

1.アマクミナイデヨ 前走は初めての1200mでしたし、自分の形で競馬できませんでしたからね。今回も相手は骨っぽいですが、前走の経験を糧に少しでも上位を狙いたいところです。

2.ブッシュガーデン 前走は初めての左回りで右に張っていた分、ポジションが下がって直線に向いてしまいました。それでも、吉田隼騎手は「ダートの方がいい」と。使いつつデキは上向いていますよ。

3.ギンガレールウェイ 前走は一頓挫明けでやや追い不足の面がありましたが、それでも勝ち切るのですから能力は高いですね。ただ、1200mは大丈夫だと思いますが、激しいレースになりそうですからね。キャリアの浅さが出なければと思います。

4.ヒノカミカグラ 前走はここに向けて、控えて砂を被せる競馬をやっておきたかったんですが、ビュンビュン行ってしまいましたからね。あれだと、今回の速い流れの中でどう立ち回れるのかが課題になると思います。

5.ナックドロップス 1400mよりは1200mの方が良さそう。前走でもスピードは見せてくれたし、うまく運べればチャンスがあってもいいんじゃないかな。

6.ヒノクニ 前走はブリンカーが利いて道中の行きっぷりが良くなりましたし、成長力もありますね。走りからダートでもやれそうなので、前走同様の競馬ができれば。

7.スカーレットピース 前走はキャリア不足がもろに出てしまいました。掛かってしまい、レースにならない格好でしたからね。そこを考えて、今回は折り合い重視で臨みます。高いポテンシャルを発揮できれば、いい勝負になるはずです。

8.スティールルージュ 前走は大外枠が災いして自分のリズムで流れに乗ることができませんでしたから、力負けとは思っていません。控えても競馬ができる性格ですから、ハナにはこだわりません。多頭数なので、ここも枠順の影響は大きいでしょう。そこがポイントと思います。

9.ラッキーミーティア ここへ来て、相手なりに走る感じが出てきました。強力メンバーですから強気なことは言えませんが、混戦になるようならチャンスが生まれてもいいと思うんです。どれだけやれるか、期待を持って挑みます。

10.スピーディキック レース後に疲労が残りやすいタイプなので、前走後はそこに留意して調整してきましたが、馬体にボリュームが出て、一段ステップアップした感じがします。JRA勢との力関係は分かりませんが、今回もいい弾けっぷりを見せますよ。

11.レディーアーサー デビュー戦こそ不覚を取りましたが、その後は持てるものを遺憾なく発揮してくれています。メンタルがいいのでレースが上手ですから、多頭数でも特段、注文はつきません。若駒同士のレースではそれがアドバンテージになるでしょう。楽しみです。

12.エイシンヌプリ デビュー当初の折り合い面の課題や、揉まれ弱さは解消してきました。今なら、多頭数でも極端にごちゃつくようなことがない限りは力を出せると思います。能力はヒケを取らないはずです。

13.ヒストリックノヴァ 中間も緩むことなく順調にきている。ダート適性は前走で証明してくれたし、深い地方のダートも苦にしないはず。気の入りやすいところがあるので、あとは現地に着いてからの精神的な状態だけ。

14.スティールノーヴァ 前走の行きっぷりの悪さは予想外でしたね。環境の変化がメンタルに影響を及ぼしたのでしょう。地元ならあんなことはないでしょうし、少なからず前走のレース運びは糧になっていると思いますので、力を出してくれるはずです。好レースを期待しています。


(競馬ブック:岡田紘幸


 
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