「距離延長で復活したエメリミット」
今年から1900m→2000mへと距離延長された埼玉新聞栄冠賞。本番の浦和記念(1着馬に優先出走権)と同距離となり、より前哨戦としての重要性が増した。
昨年の東京ダービー馬エメリミットは、ブリリアントカップ11着大敗の後、2200mの短夜賞で東京ダービー以来久々の勝利を挙げた。続く1600mのひまわり賞は距離不足かと思われたが2着。復調ムードで臨んだ東京記念も勝ち馬とクビ差2着と好走、完全復活した。浦和コースは2歳時に1勝。距離延長で最も恩恵を受けるのがこの馬だけに、積極策で押し切りを期待したい。
昨年同様、大井記念の後ひと息入れてに秋緒戦をここで迎えるタービランス。昨年のこのレースを正攻法で制覇したあと、浦和記念は0.1秒差4着。南関東限定戦では、東京ダービー、19、21年の大井記念3着、20年ブリリアントカップの4着以外は全て連対と安定した強さを見せており、8歳でも衰えは感じられない。カジノフォンテンやミューチャリーが不在のメンバーなら、地力、実績は一枚上だ。もちろん連覇の可能性も高く、軸にするならこの馬だ。
3歳世代からは羽田盃馬トランセンデンスが参戦。東京ダービー大敗後3か月の調整が奏効して戸塚記念2着。転入初戦のニューイヤーカップ1着以来となる地元浦和コースだが、当時の走りからむしろ小回りコースはプラスの印象。あとは古馬A級との力関係がカギになるだろう。
大井記念2着のフィアットルクスは、今回出走のメンバーではタービランス、ストライクイーグルらに先着している。放牧明け、初の長距離戦となった東京記念も3着なら及第点で、2000mの今回の方がより距離は向く。転入後初の遠征、初の浦和、JRA時の18年6月以来の左回りがカギにはなるが、自在の脚質だけに浦和コースでも好結果は残せるはず。
マンガンの東京記念は上がり3ハロン39.2の脚で追い上げたが、さすがに位置どりが後ろすぎて7着。休み明けでマイナス8キロと馬体を減らしていた点が気になるが、2走前の金盃では中団から上がり37.1の末脚で2着に9馬身差の圧勝。力関係は互角で、位置取りがカギだろう。浦和コースはニューイヤーカップ2着。復調さえしていれば、短い直線でも末は切れる。
10歳ながら目下3連勝中のリッカルドは、昨年の2着馬。7頭立ての少頭数ではあったが、ひまわり賞ではエメリミットに4馬身差で勝利。2000mは18年ブリリアントカップ、18年大井記念など3勝を挙げている。
◎エメリミット
○タービランス
▲トランセンデンス
△フィアットルクス
△マンガン
△リッカルド
△キングガンズラング
(日刊競馬:小山内完友)