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【大井】競馬専門紙記者の重賞予想(8/17 黒潮盃 )

大井 重賞

2022年08月16日レース予想

「距離の壁を吹き飛ばす。黒潮に乗って初の栄冠へ」

 

今開催は8月14日、日曜からの6日間開催。日第56回黒潮盃(S2)が4日目(17日・水曜日)に実施される。
このレースは東京ダービーとJDD上位組。そして他地区から遠征してくる強豪馬(近年はホッカイドウ競馬が活躍)の取捨がポイント。
2019年リンノレジェンド1着、2020年コパノリッチマン2着と好走実績のある北海道組だが、今年の参戦はなし。
今年は王冠賞(道営3冠目)の実施が8月16日で例年より後ろ倒しになったことが影響した模様。
遠征馬は兵庫からの参戦のローグネイション1頭のみだが、実力伯仲の好メンバーが揃った。

 

◎はスプリント界から参戦するエスポワールガイ。
距離延長が焦点となるのは言うまでもないが、リスク込みで狙いたい1頭。
最大の理由は、1週前追い切りで惚れ惚れする動きを披露したこと。攻め駆けするナッジと2頭併せを敢行したが、内一杯に食下がる相手に対して抜群の手応えで駆け抜けた。時計も出色のタイムと文句なし。当然、一連の戦績からスプリンター色が強いことは確か。ただ、素質は3歳馬の中でも一級品であることは間違いない。デビュー3戦目のひばり特別がその証拠。出遅れ&外に膨れる不利(約4馬身ロス)がありながら直線一気の鬼脚は並みのレベルではない。前走は強豪集まる優駿スプリント(S2)2着と力は示した。距離延長が不安視されるところだが、距離の壁があるのならば4走前に試した千六で惨敗しているはず。(逃げ粘って3着)
ここに、一筋の光を見た。枠的に逃げる可能性は低いと予想。内に入ったスティールルージュ、サンドファルコン辺りが逃げて引っ張る形になれば、トップジョッキー森騎手が好位から巧みに波に乗ってエスコートする。

 

対抗は東京ダービー2着、JDD5着と実績断然のクライオジェニック。
これまでの軌跡から1番人気濃厚で作戦が気になる処。陣営に直撃すると『直前に決める』と熟考の様子。近走は脚を溜めて結果、過去には逃げて勝利と自在性を兼ね備え、どんな形になっても好勝負可能だろう。中間は至って順調。最終追い切りの動きからは前走以上。仕上りに関しては太鼓判を押したい。
安藤騎手と共に初重賞制覇を掴む最大のチャンス到来。

 

コスモファルネーゼのJDDはクライオジェニックと約1馬身半差で、そこまで力差はない印象。千七以上に距離延長してからの快進撃は見逃せない。
2走前の古馬混合B3戦はJRAから転入4連勝馬に猛追し2着好走。渋太い末脚は今回のような混戦向き。父アイルハヴアナザー産駒はアナザートゥルース(ダイオライト記念1着、チャンピオンズC3着)を筆頭に晩成型のイメージ。恐らくこの馬も古馬になって、更に力をつけるタイプ。現状千八はベストの舞台といえる。展開次第で突き抜ける場面も。

 

最大の惑星はラブリーホライズン。無傷の2連勝と底を見せていない点が魅力的。また、近親にアルナスライン(菊花賞・天皇賞2着)やブラストワンピース(有馬記念1着)など活躍馬を輩出する母系。
唯一の不安は長期休養明けだが、馬体重35キロ増の調教試験は太目感を感じさせず、成長とパワーアップを感じた走り。重賞出走に参戦は勝算ありと踏んでのことだろう。勝って秋の主役に踊り出る可能性は十分。

 

東京ダービーではレース中に手綱が切れるアクシデントに見舞われたライアン。
これは不完全燃焼の一戦だけに当然見直しが必要。羽田盃2着の末脚は父ディープインパクトを彷彿。底力はメンバー屈指。休養は良い充電になったと聞いているし、緒戦から狙いたい。

 

ナッジはクラシックを盛り上げた功労者。今回は1枠をゲット。好枠を生かしてロスなく運べれば逆転も。
サンドファルコンは上がり馬として注意したい。これまで6戦4勝と安定感抜群。4世代前の母が千八の米国ダートG1を2勝しているし、母系的に距離を克服しても驚けない。


◎エスポワールガイ
○クライオジェニック
▲コスモファルネーゼ
△ラブリーホライズン
△ライアン
△ナッジ
△サンドファルコン


(ケイシュウNEWS堀越 裕己)

 
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