「本格化したマテリアルガール」
春の実績馬に夏の上がり馬、さらには他地区から金沢のショウガタップリ、岩手のミニアチュールと強豪参戦。川崎の名牝「ロジータ」の名を冠した現3歳世代最後の牝馬戦だ。
マテリアルガールは4月にJRAから転入後【5-1-0-2】。春先は1200mの優駿スプリント(10着)に出走など短距離~マイル戦を歩んできたが、8月に地元浦和のB3下2000m戦に出走し、2着に2秒8もの大差を付ける圧勝劇を飾ると、その後は川崎2000m戦にターゲットを絞り連勝。特にこのレースのトライアル戦でもある前走のサルビアカップでは、道中楽な手ごたえから難なく抜け出し8馬身差の圧勝。2分11秒5のタイムも同開催A2下を3秒近く上回るものだけに高い評価ができる。同様の競馬ができればここは勝ち負けの期待十分。
桜花賞馬メイドイットマムも巻き返しを狙う。サルビアカップは放牧明け4か月ぶりの実戦に加えて斤量57キロ。さらに不慣れなハナだったこともあり最後マテリアルガールの独走を許したが、3着以下はキッチリ押さえ込んで地力自体は示した。今回は定量戦で54キロで走れるし、この距離も春に関東オークスで勝ち馬パライバトルマリンから0秒3差、地方馬最先着の4着なら軽視はできない。
他地区勢の注目は金沢のショウガタップリだろう。ここまで通算【12-0-0-1】で、前走西日本ダービーで3~4コーナーひとまくりで圧勝し、地方馬同士なら全国レベルを証明している。唯一の敗戦は牡馬相手の黒潮盃6着で、再度の南関遠征も牝馬同士ならチャンスはありそう。
スギノプリンセスはサルビアカップでメイドイットマムからさらに0秒3差の3着。好位で前を射程圏に追走したが、いざ勝負どころでジリジリとしか伸びず。本質的にはマイル前後がベターか。4着フークエンジェルも、春の東京プリンセス賞ではメイドイットマム、後述のエオリエンヌから差のない5着で、上りは最速38秒1。脚質的に展開次第も流れが向けば入着以上も。東京プリンセス賞で4着と健闘したエオリエンヌも展開次第だが、牝馬限定のB3下とはいえきっちり勝って地元川崎は3戦3勝。ワイズゴールドは百花生2着、ユングフラウ賞、桜花賞はともに4着で、東京プリンセス賞へは向かわず水沢の留守杯日高賞に勝利。続く園田ののじぎく賞で3着と、全国レベルで入着級の実力はある。前走中山の紫苑Sは14着大敗も、そこで何かをつかめれば。
◎マテリアルガール
○メイドイットマム
▲ショウガタップリ
△スギノプリンセス
△フークエンジェル
△エオリエンヌ
△ワイズゴールド
(日刊競馬:小山内完友)