「未知の魅力コンシリエーレの走りに注目」
川崎正月開催の重賞といえば報知オールスターカップだったが、2024年から川崎記念が4月に施行時期が変更になり、そのため報知オールスターカップが2月に移行し、それに伴って5月に行われていた川崎マイラーズの施行時期が正月開催へ移行された。昨年は今年も出走しているデュードヴァンが鮮やかな差し切り勝ちを決めて、重賞初制覇。昨年の2着馬ギャルダル、4着馬アランバローズも今年出走している。転入初戦になるが、中央時にデビューから2連勝して挑んだサウジダービーで3着のコンシリエーレ。重賞初挑戦だったマイルグランプリで2着と充実著しいムエックス。明けて9歳になったが得意の川崎で期待できるリンゾウチャネル。休み明けのゴールドカップ6着からの連闘策となるオメガレインボー。地元1600mでどうかだが、実績的には上位のゴールドホイヤー。転入初戦のトライアルレースで3着に善戦して出走権を得たルコルセール、好メンバーが揃った。
コンシリエーレは、中央2歳時にダート戦でデビューから2連勝し、3歳初戦でサウジダービーに挑戦して惜しい3着。帰国後は兵庫チャンピオンシップに出走し、勝ったブリッツファングには離されたが、2着ノットゥルノとはコンマ1秒差の3着に善戦。秋初戦の2勝クラスから3連勝でオアシスSを勝っているように素質はかなり。さきたま杯5着からリズムが悪くなり、芝に挑戦して関屋記念では17着。そこから半年後のバレンタインSで出走取り消しになり、その後大井に転入して今回の出走に至る。南関東の場合、6カ月の出走期間が空いた場合調教試験を受けることになるが、その調教試験(1200m)のタイムは、速い馬でも1分14秒台なのだが、この馬は1分12秒8で走り、それも持ったまま。鞍上の御神本騎手もかなりの手応えを感じたよう。長期休養明けではあるが、しっかりと乗り込まれて仕上げに不安はなく、初戦から期待できる。
アランバローズは、トライアルを2着馬に2秒5の大差をつけて逃げ切って復活をアピール。昨年8月のスパーキングサマーカップはフォーヴィスムに差されはしたが勝ちに等しい内容での2着。次走マイルグランプリもスマイルウィ、ムエックスに差されはしたがこちらも勝ちに等しい内容で3着。2歳時に全日本2歳優駿を制し、翌年は東京ダービーを制した実力馬。東京ダービー以来重賞は未勝利だったが、ここは久々に重賞制覇のチャンスだ。
ムエックスは、中央時未勝利から3連勝したが、3勝クラスを勝ち上がれなかった、しかし、船橋転入後素質が開花し、転入後は11戦8勝2着2回3着1回の成績。昨年の正月開催はB2、B3混合戦で2着に敗れていたが、1年でここまで成長。前走のマイルグランプリでは早め先頭から押し切りを図ったアランバローズをゴール前差してスマイルウィの2着。重賞初挑戦だったことを考えれば高く評価できる。短期放牧を挟んだが仕上げに不安はなく、今の充実ぶりなら重賞初制覇まで。
昨年の覇者デュードヴァンは、昨年7月のサンタアニタトロフィーも勝っているが、勝つ時は本当に強い競馬をする。しかしその後2戦の走りが物足りずこの評価だが、力を出し切れば連覇は十分可能だ。川崎では4着以下がなく、安定した成績を残している点も強調できる。
ギャルダルは重賞は23年、24年のフジノウェーブ記念の連覇のみだが、3歳時に東京湾カップと東京ダービーで2着があり、昨年のこまのレースでも2着。短距離で結果を残している印象だが、距離は幅広くこなし、川崎との相性もいい。前走大井1400mで3着は物足りないが、巻き返しは可能だ。
明けて9歳となったリンゾウチャネルは、道営三冠馬で、楠賞も勝っている。南関東では重賞は未勝利だが、2着は3回ある。同じ舞台設定のスパーキングサマーカップは23年がスマイルウィの2着で、24年がフォーヴィスムの3着。川崎では崩れがなく、穴で狙うならこの馬か。
オメガレインボーは、休み明けのゴールドカップ6着からの連闘策。元中央6勝の実力馬で、転入初戦のオープン特別ではエンテレケイアを破っているし、昨年のフジノウェーブ記念ではギャルダルの2着。距離が延びる分追走が楽になり、相手は楽ではないがここで通用して不思議はない。
◎コンシリエーレ
○アランバローズ
▲ムエックス
△デュードヴァン
△ギャルダル
△リンゾウチャネル
(勝馬:山形宗久)