「ヴィアメント、8歳にして重賞制覇へ」
金盃は今年で69回を数え、ダイコウガルダン、アマゾンオペラ、コンサートボーイ、インテリパワー、ボンネビルレコード、サウンドトゥルーなど歴代の優勝馬には名馬が連なる。昨年はランリョウオーが2番手追走から早めに先頭に立ち、直線外から並び掛けてきたセイカメテオポリスをアタマ差斥けて優勝。1、2着馬にはダイオライト記念への優先出走権が与えられる。近年は比較的若い馬の決着になっているが、16年が7歳馬同士の決着で、17、18年の優勝馬は8歳馬。19年に至っては9歳と8歳馬での決着になり、翌年は昨年9歳で優勝したサウンドトゥルーが10歳で連覇を果たすなど高齢馬の活躍が目立つ。今年は8歳馬が4頭、7歳馬が5頭で、明け4歳馬の出走はない。
ヴィアメントは、中央時芝で1勝クラスを勝ち上がれず、ダート路線に切り替えて3勝を挙げてオープン入りを果たしたが、オープンで結果を残せず今度は障害戦へ。障害で初戦を勝ったがオープンでは通用せず、その後は大井へ転入。大井転入初戦は川崎へ遠征して12着に敗れたが、次走地元の1800mを快勝し、前走の2000m戦も強い内容で連勝を決めた。クアトロ騎手が距離は延びても大丈夫、と言っていたそうなので距離は問題なし。相手は揃うが、ここで通用する器だ。血統的にも5歳下の半弟アドマイヤズームが昨年12月に朝日杯フューチュリティSを制し、弟に先を越されてしまったが、8歳にして重賞制覇は十分可能だ。
キリンジは、勝ち上がるのに5戦を要したが、その後は2連勝し、挑戦した兵庫チャンピオンシップ、ジャパンダートダービーがともに2着。その後は中央在籍時には勝ち切れなかったが佐賀記念で2着、名古屋グランプリで3着があった。兵庫移籍後は5戦して1勝したのみだが、3着が4回。その4回の3着の中には佐賀JBCクラシックもある。勝ち味に遅い面はあるが、反面堅実。距離は課題だが、母父ルーラーシップなのでこなせると思われる。
ラッキードリームは、道営時にJBC2歳優駿ほか、道営三冠を果たした実力馬。川崎在籍時は重賞制覇とはいかなかったが、兵庫移籍後重賞7勝。その後大井に移籍して3戦はもうひとつだったが、前走金盃トライアルではハナを切り、4頭横並びのとなったゴールでハナ差凌ぎ切って勝利を掴んだ。今回もこの馬の逃げが予想され、マイペースの逃げに持ち込めれば前走同様逃げ切りが期待できる。
ヴェルテックスは、大井転入後は未勝利だが、相手なりの走りができるタイプ。中央在籍時に名古屋グランプリを制しており、浦和記念と川崎記念で3着があった。前走金盃トライアルがハナ差の2着。ここも崩れはない。ミヤギザオウは、羽田盃を勝って以来勝ち切れないが、東京記念と金盃で3着があり、長距離適性は高い。前走金盃トライアルでは5着だったが、2番手の競馬で見せ場十分。叩いた上積みがある。タイガーチャージは、重賞は3歳時の戸塚記念3着が最高だが、その後着実に力をつけて前走金盃トライアルで僅差の3着。3走前の東京記念トライアル(2400m)で2着に好走したように長距離適性が高い。更に相手強化だが上位争いに加われる。セイカメテオポリスは金盃は3年前と昨年が2着で、2年前が3着と安定感抜群。力量的にも上位だが、今回は長期休養明け。追い切りの動きも物足りず割引が必要。ヒーローコールは、3歳時に戸塚記念を勝って以来勝ち切れないが、古馬になってからも重賞で2着が2回ある。距離は課題だが、前々で流れに乗れれば渋太いタイプ。先行策からの粘り込みに注意したい。
◎ヴィアメント
○キリンジ
▲ラッキードリーム
△ヴェルテックス
△ミヤギザオウ
△タイガーチャージ
△セイカメテオポリス
△ヒーローコール
(勝馬:山形宗久)