「雲の上の高みを目指して、ゴールドドリーム産駒2頭が躍動」
昨年のダート3冠ダート改革元年から、中央交流のJpn3として実施。その昨年はJRAから参戦したブルーサンが勝利し、2着のアマンテビアンコが1冠目の羽田盃を制覇。今年もクラシックに向けて重要なステップレースになることは間違いない。
◎グランジョルノの新馬戦は後方から一気に捲り上げての差し切り勝ち。勝ちタイム1分50秒0は平凡だが、時計以上の強さだった。2戦目に選択したJBC2歳優駿は地元ソルジャーフィルドの決め手に屈したが、JRA勢では最先着。キレる脚はないが、息の長い末脚がこの馬の武器。まだ馬体も緩く仕上がり途上の中、結果を出せたことが大きい。母ヴィータアレグリアの重賞初制覇(船橋マリーンC)は5歳時。
晩成寄りの血統構成で、2歳の早い時期から活躍している点はポテンシャルが高い証拠。前走の全日本2歳優駿は末脚不発で7着に惨敗。これは単純に左回りコースが合わなかったと割り切りたい。昨年の勝ち馬フォーエバーヤングが1分43秒5。コンマ2差なら時計的に悲観する必要なし。逆に前走の負けっぷりで評価急落なら馬券的に妙味が出る。追い切りの動きが良化した点にも注目したい。12日に行われた3頭併せでは、仕掛けると内から鋭く伸びて先着。これまでの追い切りと比べて反応がガラッと一変しており、前走以上の仕上がりで臨めるのは確実。大井外回りコースは末脚を最大限に発揮できる舞台だし、パフォーマンスが上がる右回りに替わるのもプラス。当地を熟知している戸崎騎手が再び手綱を取るのは心強い。
〇ジャナドリアは2戦2勝の無敗馬。特に前走は圧巻のパフォーマンスを披露。最後方12番手から抜群のキレ味を発揮して豪快な差し切り。勝ちタイムこそ1分54秒1と大きく強調できるものではないが、子供扱いした2着馬が次走で時計を詰めて善戦しており、決してレースレベルは低くない。兄コンシリエーレはデビュー2連勝からサウジダービーと兵庫CSで3着に健闘した素質馬。この血統は牝馬に活躍馬不在だが、牡馬に相性が良いのだろう。兄同様に非凡なポテンシャルを秘めているのは間違いない。当舞台の距離と同じ1800メートルを2勝と、出走メンバーの中で距離適性は一番。500キロを超える雄大な馬体でタフな馬場もこなせるはずだし、鞍上はルメール騎手。無敗の3連勝でクラシック戦線へ名乗りを上げるかに注目。
JRA勢に立ち向かうのが、地元大井の▲スマイルマンボ。門別からの転入2戦目ハイセイコー記念は、他馬を寄せ付けない圧巻の逃げ切り勝ち。転入緒戦の勝ちタイムを約3秒縮めて1分42秒6。昨年の覇者ダテノショウグン(8戦8勝)とコンマ1差でポテンシャルは同等の見立て。レースぶりから折り合い面の不安はなく、1ハロン距離が延びても心配ないだろう。母ハルサンサンはTCK女王盃勝ち馬で、同馬もJRA勢に負けず血統的な魅力がある。調教師のコメントからも、久々で良化途上の面はあるが、南関東の大将格として意地を見せて欲しい。
今回が門別からの転入緒戦となるリコースパローの巻き返しにも警戒。前走のJBC2歳優駿は先行勢に厳しいペース。強気な競馬をした同馬の失速も仕方ない処。ただし、それまでの重賞2戦で勝ち馬ソルジャーフィルドを下しており、力差は同等かそれ以上。門別デビュー組はサントノーレ(昨年の京浜盃でJRA勢を撃破)筆頭に毎年活躍馬を輩出。JRA勢相手でも侮れない存在。
初ダートに挑戦するタイセイカレントは名門矢作厩舎が送り出す刺客。サウジアラビアRC2着の実績は断然。姉のキャリックアリードは南関牝馬重賞で連対実績があり、兄もJRAダート2勝と血筋はダートOK。ただ、父モーリスにダート活躍馬が不在な点は気になるし、飛びが大きく芝向きな印象も…。今後の方針は定まっていなくても、ここをアッサリ勝つようだとダート戦線での台風の目になる。
最後に地元大井シビックドリームを大穴候補に挙げる。まだ1勝の身だが、大井重賞を含みデビューから全て3着以内の安定感が売り。勝ち味に遅い反面、相手なりに走れる強さが魅力的だ。休み明けをひと叩きして追い切りの動きはグンとアップ。終いの脚は確実で混戦になれば面白い。
◎グランジョルノ
○ジャナドリア
▲スマイルマンボ
△リコースパロー
△タイセイカレント
△シビックドリーム
(ケイシュウNEWS:堀越裕己)