名古屋大賞典 (JpnIII) 2023｜特集

名古屋大賞典

昨年の移転に伴い、新競馬場で開催される初めての名古屋大賞典。かきつばた記念や名古屋グランプリの決着を見ても、コース設定は前舞台に比べて、いい意味で癖がなくなっている。脚質はどこからでも。力と力のぶつかり合いが存分に見られそうだ。

◎３番ハギノアレグリアス
　約１年８カ月のブランクを乗り越えて昨年に復帰。重賞勝ちがないのは、そういった経緯もあるが、これまで常に人気に支持されてきたように、器の大きさは折り紙付き。それぞれ強豪が集ったみやこＳでタイム差なし、東海Ｓも直線で空馬がいて競馬がしづらいシーンがあったことを思えば内容は濃い。奥行きはかなりある印象で、順調なら実績を積み重ねていきそう。ひと叩きして狙いを定めての参戦。初戴冠に向けて準備は万端だ。

〇６番バーデンヴァイラー
　マーキュリーカップに続いて、佐賀記念も制覇。中央場所の重賞では２桁着順の大敗を喫しているが、条件的なものもあるし、交流重賞ではガラッと変わって２戦２勝の土つかず。地方の馬場に高い適性を見せている。佐賀記念は名古屋大賞典のステップとして活躍馬が多く出ている相性のいいステップレース。同じ距離が舞台となったとあれば、なおさらのことだろう。５歳の年齢からも伸びしろは大きく、勝ち負けの一頭。

▲７番ニューモニュメント
　初めて交流重賞戦線に打って出たＪｐｎⅠの川崎記念でウシュバテソーロらを相手に３着と健闘。今後に視界が広がる一戦となり、勢いはさらに加速している印象を受ける。旧名古屋コースだと不利と言われた脚質だが、新競馬場ではこの点はあまり気にならない。決め手の鋭さでは最右翼といえ、腹をくくっての追い込みは不気味感が漂う。人気どころが牽制しあうようなら、一気に台頭してくる可能性は十分あるだろう。

△２番ケイアイパープル
　年齢を重ねるごとにじわりと力をつけ、ついには昨年の佐賀記念で悲願のタイトルを奪取。秋には白山大賞典も制している。また、名古屋グランプリで２、４着、名古屋大賞典２着など当地との相性はなかなか。交流重賞路線のキャリアという点ではこの馬で、歴戦の雄といった雰囲気。前走が離される結果で心証は良くないが、コース経験を生かして巻き返しを狙う。

×５番アルサトワ
　これまで６勝しているが、キャリアの全てが芝でのもの。頭打ちの現状を打破しようと、ダート戦に矛先を変えてきた。ジュンライトボルトやウシュバテソーロなど、最近は立て続けにダート転向で大成功した馬などもいて、そういった変身の余地を考えて印は打ったが、常識的には簡単ではないか。

×９番ジンギ
　地方屈指の実力馬で、名古屋大賞典への参戦は一昨年（４着）、昨年（３着）に続いて３回目となる。ともに３連勝後の勢い最高潮の状態で迎えていたのが共通点。７歳となった今回は３連敗からの臨戦。状態は悪くないとうつるが、年齢的なものもあってピークは過ぎた感もある。

ひと叩きして上昇気配のハギノアレグリアスを中心にすえたい。１、２着を折り返して⑤⑨は押え程度に。

３連単
③→⑥⑦②→⑥⑦②⑤⑨
⑥⑦②→③→⑥⑦②⑤⑨　　（計２８点）

（競馬東海　大台和也）

3/14（火）から続くダートグレード競走3連戦のラストは、名古屋競馬開催の「名古屋大賞典(JpnIII)」。歴代優勝馬にはホッコータルマエや、アウォーディー、そしてケイティブレイブなど多くのGI級ホースが名を連ねているレースであり、新スタンド移転に伴って今年から1900m→2000m戦での開催に変更となります。旧スタンドで開催された昨年の大会はJRA所属・クリンチャー号がアタマ差での接戦を制し、見事名古屋大賞典を連覇（同馬は昨年で引退）。なお、先日発表されたダート競走の体系整備に伴い、3月開催の名古屋大賞典は今回で見納め。2024年からは12月に開催時期を移す予定となっています。ここを勝利し、勇躍大舞台に名乗りを上げるのは果たしてどの馬か、ぜひご注目ください！