北海道スプリントカップ (JpnIII) 2022｜特集

６月２日　門別競馬11Ｒ　第26回　北海道スプリントカップ　(JpnⅢ)　３歳以上オープン　距離1200ｍ

【概説】　門別で施行される４つのうち、最初に行われるダートグレード競走。1200ｍ戦に替わった2010年以降、地元馬で勝利を挙げたのは一昨年のメイショウアイアンだけであり、JRA勢有利の傾向が強い。昨年の優勝馬ヒロシゲゴールド、２着馬リュウノユキナが今年も参戦。今年もJRA勢有利の様相は変わらないと見ていいだろう。

【展開】　昨年のこのレースでハナを切っていったアザワクが今年も先手を主張しそう。前走は例年以上にタフな馬場状態だったこともあり、前半３ハロン36秒０のペースで入ったが、降雨の影響で馬場が軽くなった今回はテンから速力全開で行くだろう。昨年同様、３ハロン通過が34秒台半ばくらいのペースになりそうだ。JRA勢は余力を残しつつ、このペースに対応できるが、地方馬にとってこのペースで引っ張られるのは厳しく、終いの伸びに懸ける形でないと上位進出は望めない。直線での追い比べに持ち込んだダンシングプリンス、ヒロシゲゴールド、リュウノユキナに、後方待機勢がどれだけ迫れるかというレースになりそうだ。

◎８．リュウノユキナ
　1200ｍ戦では目下11戦連続で連対を果たしており、高い安定感が魅力のひとつだ。内で揉まれ込む形になったり、普段より位置取りが後ろになったりしても崩れることがない。３走前のカペラＳではダンシングプリンスに先着を許しているが、これはスピードを求められる条件で適性の差が出た格好だろう。時計を要す馬場を苦にしない点は昨年の当レース２着で証明済みであり、門別1200ｍに舞台が替われば逆転が可能と見た。

○５．スマートダンディー
　2020年３月以降、勝利から遠ざかっていたが、今年緒戦の千葉Ｓで約２年ぶりの勝利を挙げると、続くコーラルＳも制し、完全復調を示した。これまでは良馬場だと決め脚を欠く傾向が見られていたが、ジリジリと脚を伸ばしてきた前走の内容を見る限り、時計のかかる馬場でもそれほどパフォーマンスが落ちることはなさそう。地方のダートでも能力を発揮できるのではないか。前崩れの展開になるようなら、勝機が生じる。

▲７．ヒロシゲゴールド
　武蔵野Ｓは相手が強く、兵庫ゴールドトロフィーはコーナー４つのコース形態が向かなかった。前走の東京スプリントでは出遅れが敗因と明確であり、昨年にこのレースを制して以降に勝利を挙げられていないのは、力が衰えたからということではなさそう。それを裏付けるのが千葉Ｓでの奮闘であり、トップハンデを背負いながらもよく２着に踏ん張った。昨年優勝の実績を信頼してもいいだろう。

△１．ダンシングプリンス
　中央の重賞を制しているのは出走メンバー内でこの馬だけであり、前走では海外の重賞で勝利を挙げていることから、実績では最上位の存在と言えるだろう。ただ、大和Ｓの敗因が輸送による馬体減にあるとの見方もできるだけに、今回はそこが鍵になりそう。前走は現地での調整がうまくいったようだが、今回は函館で最終調整を終えてからの輸送となる。当日の馬体重は注視しておきたい。

△９．フジノパンサー
　JRA勢に割って入るなら、H3エトワール賞を制して波に乗るこの馬か。JRA勢もいるメンバー構成ならハイペースになることは必至で、流れに乗らず自分の競馬に徹するタイプに展開が向くケースも十分に考えられる。北海道スプリントカップは2019年に６着、2020年に９着という成績であるが、当時に比べて末脚の安定感が増した今なら、より上位に迫れる走りができそうだ。

（競馬ブック・岡田紘幸）

門別競馬場にダートグレード競走シーズン到来！ 全国各地から集った快速馬が自慢のスピードを武器に、カクテルライトで照らされた６ハロンを戦います。 昨年はJRA所属・ヒロシゲゴールド号が、重賞連勝がかかる1番人気・リュウノユキナを抑えてゴール。ダート重賞で惜しい結果が続いていた当馬でしたが、北の大地で見事念願の重賞初制覇を成し遂げました！！