サマーチャンピオン(JpnIII) 2024｜特集

「スピードあるテイエムトッキュウが展開を味方に付けＶ最短とみたい」

【テイエムトッキュウ】芝の２歳未勝利戦を勝ち上がると、次走のさざんか賞(２歳１勝クラス)も突破して２連勝を決めた。５歳でダート路線にシフトチェンジすると、初春ステークス(３勝クラス)、京葉ステークス(Ｌ)を制して、後のカペラステークスＧⅢで重賞初制覇。東京スプリントではスタート後に躓くロスがありながらも、スッとハナへ行って強豪相手に３着に粘っていた。ダッシュ力は抜群に良いものを持っているし、小回りで直線も短い佐賀コースは最も得意としそう。斤量面と実績からも押し切る力は十分。

【メイショウテンスイ】前走は約３年９ヶ月ぶりの勝ち星。先行策からの正攻法で押し切ったし、この顔ぶれでもスピード上位で得意の形に持ち込めそう。短距離戦に良績を残しており、この舞台は３年ぶりとなるが、２着した相性のいいコース。スピード派が多く揃った印象だが、スンナリの先行競馬が叶えばチャンスもある。

【タイガーインディ】中央のダート戦で４勝を挙げ、大井で２戦使って、現所属の兵庫へ。転入４走目の神無月特別Ａ１で圧勝すると、兵庫ウインターカップを優勝し重賞初制覇。黒船賞で３着と好戦した内容も悪くなかったし、前２走の兵庫大賞典、オグリキャップ記念の勝ちっぷりも良い。黒船賞よりも斤量は軽く、55キロの斤量なら展開次第で一発あっても不思議ない。

【コパノパサディナ】なにわステークス(３勝クラス)を勝ってオープン入り。京葉ステークス(L)、その後のオープン競走でも勝ち馬からは大差ない走りだし、自在に立ち回れそうなタイプでもある。４歳馬でこれから成長していくだろうし、斤量56キロも魅力のひとつ。

【アラジンバローズ】昨年９月の鳥栖大賞で地方交流重賞を初制覇。1400ｍ戦を使うのが初めてで適性がどうかだが、先行力はあるしこなせない距離ではなさそう。ここに向けて攻めも意欲的で好仕上がりに持っていけたようだし、展開がハマれば上位進出狙えて良い。

【サンライズホーク】昨年の覇者。次走の兵庫ゴールドトロフィーと、名古屋のかきつばた記念を制し、ＤＧ競走３連勝を決めた。気性の難しさがあり、黒船賞、さきたま杯は案外だったが、このメンバー構成だと先行して得意の形に持ち込めそう。昨年より斤量は４キロ増えて、今年は59キロのハンデはあるが、地力の高さからも侮れない。

今年のサマーチャンピンはＪＲＡ勢の負担重量を考えれば地方馬にも上位に食い込むチャンスは十分にありそう。とは言え、やはり勝ちとなると有力になるのはＪＲＡ勢。その中でもスピードあるテイエムトッキュウが展開を味方に付ければＶ最短とみたい。先行力あるメイショウテンスイも近走成績からもヒケは取らないはず。地方馬だと黒船賞で３着と好戦したタイガーインディが有力。斤量に恵まれたコパノパサディナも良い位置に居そうだし流れ込み警戒。兵庫のアラジンバローズも1400ｍ戦は初めて使うが、佐賀コースは鳥栖大賞で勝った実績もあるし展開ひとつで対応できそうなムード。サンライズホークは去年の覇者。自分の立ち回りでレースを進めて行けば強いし、59キロのハンデを克服できれば連覇する可能性は十分に秘めている。

(文：佐賀競馬専門紙通信社)