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【開催見解】大井競馬(2024/7/8~12)

大井

2024年07月07日競馬情報

 令和6年度の第6回大井競馬は7月8~12日の計5日間のナイター開催。開催メインとして10日に第14回SⅡ・優駿スプリントが組まれている。その他にはジュライ賞(3歳以上OP)などスピード自慢が集うレースも翌日に控えている。ここで力をつけ、秋以降の飛躍に各陣営も力が入る。

 

 1日目のメインは「ルビー賞」A2(一)B1(一)  1800メートル

 

 ようやく軌道に乗ってきたタイガーチャージ。門別→大井に移籍後、3歳クラシック路線を中心に戦ってきたが、いずれも善戦とまりとなっていた。年が明けても惜しい競馬が続くも中々結果に繋がらない日々であった。しかし2走前の初船橋遠征で復調気配感じる3着確保と上昇へのキッカケを掴んだ。その後地元に戻っての前走は、中団追走から徐々に先頭まで距離を詰め、最後はしぶとく伸び脚を使い、4馬身差の勝利。今回は条件も上がり前走以上に厳しい戦いになりそうだが、手頃な頭数なら十分好勝負になるだろう。OPでも実績のあるレッドソルダードも負けていられない。転入緒戦は危なげなく勝ちきったが、その後はさっぱり。地元レースでは案外な成績も2走前の川崎遠征で変わり身みせる2着と好走。前走は重賞ということもあり参考外とみていいだろう。相手も兵揃い、見せ場がなかった。今回は条件も緩く仕切りなおしとしては良い舞台だ。この馬の傾向をみると力の要る馬場よりも軽い馬場があいそうで、条件次第だと圧勝もある。久々のリフレッシュした状態はどこまで仕上がっているのか注目したい。
 

 2日目のメインは「三宅坂賞」B3(四) 1400メートル

 

 好調のハニートーストが人気の軸になってくるだろう。2走前は枠順に恵まれなかったが、それでも終いは伸びてきており2着と健闘した。久々も加味すれば上出来の内容であり、叩いて上積み見込めた前走は人気に応えた結果であった。引き続きクラスに恵まれここは2連勝は目前。シトラスダルも自分の形に持ち込めば好勝負可能だ。実績からみてもハナもしくは番手までの位置に構えれば馬券圏内は濃厚。メンバーを見ても主張する馬は少なく、展開が向きそうな雰囲気。前走は相手も強く参考外のファーガスにもチャンスが巡ってくる。今回クラス緩和で好勝負が期待できそうで、ここは見直したい一戦。自在性のあるマンティコアやアポロリアムの末脚にも注目したい。

 
 3日目のメインはSⅡ「優駿スプリント」 3歳OP 1200メートル

 

 間違いなく人気するのはギガース。既に重賞3勝をあげている実力者で交流重賞では力及ばずであったが、地方馬限定レースであれば差は歴然。今年に入り未だ負けなしと勢いある。前走の若潮スプリントではこの日この距離なら逃げ先行が圧倒的有利とされていたが、ゴール寸前で見事に差しきる勝負強い競馬を披露。3着以下には約5馬身の差をつけており、地力を改めて証明したレースであった。ここも十分期待がかかりそれに応える結果をだしていきたい。これに待ったをかけるのはデビューから4連勝中と未だ負けなしのカプリフレイバー。優駿TRでは出足つかずも道中押し上げ、直線向いたところで追って反応鋭く伸びて最後は突き抜け、着差以上に強い内容であった。重賞初勝利も目前でありまだまだ余力も感じる。発馬も決めればギガース相手もおもしろい。スピード勝負ならこちらに分があるか。ザイデルバストも虎視眈々と上位をうかがっている。今回初の遠征となるが、直近船橋1200m戦は3戦全て馬券圏内入りと地力は確か。母ウララカ自身も現役時、この大井1200m戦では4戦2勝と結果も残しており血統面でも相性は良さそうだ。叩き2戦目前進期待のチャダルクンや桜花賞2着馬パペッティアなど実力者が揃っている。
 
 4日目のメインは「ジュライ賞」 3歳以上OP 1200メートル

 

 2連勝中と勢いあるローウェルに注目。南関東に転入後、平場レースでは全て連対と安定感がある。唯一の着外であった習志野きらっとスプリントは重賞初挑戦であり、プラス枠の影響で道中は常に外を通るロスもあった。その後休養を挟み、挑んだ自己条件のレースでは2連勝と内容も快勝といってもいい程。このOPクラスでは抜けており、再び重賞挑戦もそう遠くはない。約1年5ヶ月ぶりの実戦となるスターシューターも侮れない。中間稽古時計を見る限りでは、まだ本来の動きとはもうひと気合必要な印象。多少の割引は必要になるが、実績だけならメンバー中トップクラス。可能であれば当日のパドック周回や返し馬など馬の雰囲気をチェックする事が大事になりそうだ。その中間稽古で併せて先着したのがボイラーハウス。着々と大井の馬場に慣れてきており、前走は自己条件とは異なる距離でも結果を残し、復調気配を感じる。慣れた距離に戻して前進を期待したい。

 

 5日目のメインは「夕凪賞」B2(四)B3(一)  1800メートル

 

 南関東転入後、抜群の安定感を誇るミエノサンダーに注目が集まる。ここまで連対を外さず、まだまだ高みを望める能力を秘めている。前走は内回りコースに枠も外枠とやや不利気味で、発馬もスムーズさに欠いた序盤であった。しかしこのクラスではスピードが違い、直線も他馬を寄せつけない強さを示した。レース内容をみていれば、ここも昇級の壁は感じなく4連勝は濃厚。これに追撃をかけるのはウインレゼルヴ。近走はさっぱりだが、キッカケひとつで上位に加わる能力を持っており、高知時代を合わせて7連勝したこともある。実際にこのクラスでも勝鞍があり、改めて見直したい。終いの伸び脚使えるコスモファルネーゼにスミソニアン、B級昇級後凡走続くオールアルミュールもこのメンバー構成なら前進も期待できる。

 

 【出走予定馬は7月6日現在】

 

(日刊競馬 山本 翔太)

 
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