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【開催見解】金沢競馬(2024/10/5~8)

金沢

2024年10月04日競馬情報

 2024年度第14回の金沢競馬は前半週が終了。残すは10月5日(土)、8日(火)の2日間。

 5日(土)のメイン10Rは「北陸四県畜産協会長賞 重賞 第59回サラブレッド大賞典」(3歳・2000m・1着賞金300万円)
 秋の3歳チャンピオン決定戦。2012年から距離が1900mから2000mに、2014年から施行時期が10月から9月に(2021年だけJBCの関係で8月に)。大半が未知の距離に挑んでいたが、2017年からは同じ2000mの石川ダービーが新設されて少し様相が変わっている。なお、今年は西日本3歳優駿が金沢で行われたことで1ヵ月遅れの実施となり、臨戦過程が違うため過去の傾向に当てはまらない馬が多くなることはご了承を。
 過去5年の優勝馬・勝ちタイム・配当などは
 2019年 タンクティーエー(牡・2番人気・藤田弘治)…前走・MRO金賞④着
      良 2分12秒8 馬単410円 3連単740円
 2020年 カガノホマレ(牡・1番人気・吉原寛人)…前走・石川門カップ①着
      良 2分11秒3 馬単1540円 3連単9160円
 2021年 ベニスビーチ(牝・1番人気・吉原寛人)…前走・MRO金賞②着
      良 2分11秒0 馬単310円 3連単740円
 2022年 スターフジサン(牝・1番人気・吉原寛人)…前走・加賀友禅賞②着
      良 2分10秒6 馬単7040円 3連単38250円
 2023年 ダイヤモンドライン(牝・2番人気・栗原大河)…前走・石川門カップ①着
      良 2分10秒8 馬単450円 3連単1030円
 過去1番人気で勝った馬の大半は既に重賞勝ちという共通点(もしくは重賞連対)。2012年の牝馬アルドラや2017年ヤマミダンスも春に北日本新聞杯勝ち。古馬A級で好走歴ある馬の好走率も高い。ただ、下のクラスから好成績を挙げて臨んだ馬も好走しており、実績もしくは勢いが必要。
 かつては金沢デビュー馬が強い傾向だったが、近年はJRAデビュー馬の好走が増加し、過去10年3勝(2014年ケージーキンカメ、2018年アルファーティハ、2019年タンクティーエー)・2着5回(2014年デューイ、2016年ウインプリマ、2018年ハーキマーダイヤ、2019年ハクサンウェーブ、2020年アウティスタ)。出走数は少ない他地区地方デビュー馬も2016年スマイリーキュート、2021年ベニスビーチが勝利。
 牝馬は過去10年で6勝・2着5回。2002年トゥインチアズ、2006年チヨノドラゴンなど名牝も勝っているし、2021年ベニスビーチも後に古馬重賞で活躍。また、2015~2017年の勝ち馬3頭は前走1300mの牝馬重賞・加賀友禅賞で敗れての巻き返し、2014~2021年の勝ち馬8頭はMRO金賞に出走という共通点もあったが、その2重賞は現在実施時期や距離が違うため参考にならなくなった。
 今年のメンバーは
 1番 サンヨウラフェスタ 甲賀弘隆
 2番 バージンエスパー 兼子千央
 3番 ガガヒャクマンゴク 中島龍也
 4番 フレーズタルト 松戸政也 
 5番 ダブルアタック 栗原大河
 6番 ナミダノキス 柴田勇真
 7番 エイシンノヴァ 米倉知
 8番 ロックシティボーイ 鈴木太一
 9番 サザンフィールド 魚住謙心
 10番 ラシェンテ 沖静男  
 11番 スターマンモス 加藤翔馬
 「一冠目」北日本新聞杯を勝って「二冠目」石川優駿2着のリケアマロンは岩手に移籍して不在。楽しみな新勢力に思えた4連勝でトライアル勝ちのフレーズタルトはその後に連敗を喫してしまい…。
 そうなると転入後負けなしで石川優駿を制したナミダノキスが断然の存在に。休養から8月下旬に帰厩も、ぶっつけ本番になる誤算はあったが、最終追い切りは問題なく動けているし、体が極端に太いなどもない。例え発馬で後手を踏んでも補って余りある走力を信頼したい。
 対抗格は石川優駿3着馬ロックシティボーイ。雨馬場での敗戦や枠入り不良による再検を経て、感触アップしての再挑戦となる。石川優駿の3/4+8馬身という着差は大きいものの、今回の状況なら間違いなく差は詰まるはずだ。
 この主力2頭は道中で動いてくると思われるもののテンに動けない差し・追込脚質。そうなると一発快走があるなら先行馬。該当するのは石川優駿に出走していない点でもガガヒャクマンゴクとなる。6月の戦列復帰後は着実に上向いて、8月の3走前・石川門カップ(1700m)は世代上位の実力馬ダブルアタックやトルピードを完封しての勝利。同距離の前々走・西日本3歳優駿6着は他地区馬が強すぎた結果だが、前走の一般クラスC1でキッチリ結果を出しての臨戦。他の行く馬に惑わされず運べれば面白くなる。
 北日本新聞杯2着→石川優駿4着のダブルアタックは1700m以上だと少々割引が必要ではあるし、夏場に落とした調子も戻り切っていない段階だが、1400mとはいえ前走を完勝して臨んできた。メンバー的に上位争いは必至。
 他で馬券圏内の候補を挙げるなら、1700m以上で末脚勝負に徹すると伸び確実なラシェンテ、この距離でスンナリ先行できると面白くなるスターマンモス、ゲート難を解消できた時のフレーズタルト。

 8日(火)のメイン(最終12R予定)は「楽天ポイントでネット投票特別」(A1-1・1500m)
 ベニスビーチ、ハクサンパイオニア、ソーラーフレア、ダイヤモンドライン、フェイマスダンディ、ハクサンアルタイル(転入)、オクトニオン、フィードバック、レディオマジック、ファントムルージュが出走予定。(登録のあったハクサンアマゾネス、ヴェレノ、オヌシナニモノ、ノブノビスケッツ、コパノフランシスは回避予定)
 1500m以下であれば底を見せていないハクサンパイオニアに注目。前走の名古屋・ベイスプリントは距離も少し忙しかったことで惜しくも差し届かなかったが2着と重賞レベルの走力は示した。前開催を回避する誤算があったし、状態をどう立て直せるかがポイントではあるが、普通に出走してくれば連勝時の内容からも最有力は間違いない。
 前走、同距離のA1-2を勝ち切ったフィードバックも夏を過ぎて復調ムードとあればここも期待できそう。その2着ベニスビーチ、3着フェイマスダンディも展開一つ。同距離だった前開催2~4着オクトニオン、ダイヤモンドライン、ソーラーフレアも態勢アップが見込めるだけに圏内十分。

(競馬カナザワ 大井 明洋)

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