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灼熱の兵庫優駿 豪快な競馬で世代の頂点に立つ【競馬マスターズ 鈴木セイヤ】

園田・姫路 重賞

2024年07月09日競馬マスターズ

園田・姫路競馬実況アナウンサーの鈴木セイヤです。

2024年は中間点を折り返して後半戦に入りました。吉原寛人騎手の地方全場制覇や小牧太騎手の重賞Vなど様々な出来事があった上半期。時間の流れが速すぎて戸惑っています(笑)。

今開催から競馬場内に巨大エアドームが登場!

猛暑が凌げる環境を作り夏の開催を楽しんでいただこうという事で設置されました。中にはテーブルと椅子があり、涼しい環境の中で食事を楽しめるエリアとなっています。さらに、今年も第4投票所はご家族連れが利用できる休憩スペースとして利用が可能との情報も入っています。気温と共にさらに熱いレースが展開される園田競馬。快適な環境で休憩をしながらレースをお楽しみください。

ウマ娘コラボウィークの余韻が残る園田競馬は兵庫三冠路線の2戦目、第25回兵庫優駿が7月4日(木)に行われました。気温34℃、高温多湿の過酷な環境の中で行われた一戦は3番人気のマルカイグアスが豪快な競馬で勝利。道中3番手につけると向正面から意表を突くロングスパート。2周目3角手前で先頭に立つと後続との差をぐんぐん広げ独走状態。2着馬に8馬身差をつける完勝で重賞2勝目を挙げました。

2着は中団で脚をためた5番人気のウェラーマン。後方から終い勝負に徹した最低人気のゴールデンロンドンが3着に入り高配当決着。3連単の払戻金は37万2550円でした。なお、無敗制覇を目指した1番人気のウインディーパレスは5着。速い流れの中で2番手追走。マルカイグアスに捲られる厳しい展開でも渋とい粘りをみせていました。菊水賞馬のオーシンロクゼロはゲートで落ち着きを欠き、スタートで痛恨の出遅れ。見せ場なく8着に敗れました。

※6月17日の西脇トレセン取材時に橋本忠明厩舎でマルカイグアス号を撮影させていただいた時の画像です。

マルカイグアスは昨年の園田ジュニアカップに続き重賞2勝目。前回の優駿TRから-16kgと馬体を絞ってきての出走。万全の仕上げで兵庫3歳路線の頂点に立ちました。

鞍上の鴨宮祥行騎手は7度目の挑戦で兵庫優駿初制覇。大一番で豪快な競馬で地元のビッグタイトルを獲得。笠松の白銀争覇(バーニングぺスカ)に続き重賞8勝目。

鴨宮騎手「幾分太めだった馬体が前回よりも絞れて素軽さも出て良かったです。マルカイグアスは二の脚、三の脚が速い馬なので外枠も良かったです。ゲート練習の成果も出て良い発馬でした。内にオーシンロクゼロがいなかったので『おや?』と思いましたね。ウインディーパレスの背中を見られる位置につけられたのも大きかったです。レース前に田中学騎手から『枠も良いから強気で行け』と言われていたので強気で攻めました。直線半ばで『うわ、勝つわ』と思いました」と休養中の名手からのアドバイスを貰い結果に繋げた。

橋本忠明厩舎は兵庫優駿初勝利。兵庫ダービー時代で2着3回、先月引退が発表されたジンギで4着と届かなかったタイトルを掴み取りました。重賞通算は43勝目。

『一度は獲りたい』と思っていたレースを見事制覇しました。

鴨宮騎手「橋本厩舎が兵庫優駿は2着3回という話を聞いていてタイトルをプレゼント出来て嬉しかったです」。

橋本忠明厩舎の看板馬「ジンギ」が先月で引退。そのジンギと馬房が隣同士のマルカイグアスが偉大な先輩が厩舎を去る前に兵庫クラシックの二冠目を制覇。『橋本厩舎は僕が引っ張っていきます!』とアピールをしているかのような圧勝劇だった。

鴨宮騎手「まだまだ緩さを残している馬なので、厩舎力でさらに上の舞台を目指せる馬になってほしいです」

インタビューの最後には微笑みながら「最高です!」と締めくくった鴨宮騎手は現在兵庫リーディング4位(62勝)。自身初の年間100勝を目指せるペースで勝ち鞍を積み上げています。

三宅きみひとアナウンサー調べによると、

★馬体重500kg超の馬が勝利するのはカラテチョップ以来、15年ぶり2頭目。★8馬身差Vは歴代2番目の着差

※最大差は2003年シンドバッドの大差(1.7秒)

★10番枠の勝利は初。過去10年で一度も3着以内が無かった枠で優勝

なお、先月引退が発表されたジンギ号に関する特集が園田、姫路競馬チャージアドバンスにて掲載されています。橋本忠明調教師、ジンギを担当する山本秀信厩務員にお話を伺いましたので是非ご覧ください。

↑そのだ金曜ナイター 今後のイベント情報

次回の園田競馬も水曜日からスタート。3歳馬が古馬に編入されてレース表記も3歳以上に変わります。7月12日(金)の『その金ナイター』には古馬牝馬の重賞「兵庫サマークイーン賞」が行われます。

今年最初のナイター重賞には“金沢の女帝”ハクサンアマゾネスが連覇を目指して登録。今年に入ってからも圧勝続きで優勝候補筆頭です。高知のアンティキティラ、大井のグレースルビーなど重賞ホースの名前が入っています。(7月4日時点)

地元兵庫からは中央3勝の実績があるスマートアライヴ、クリノメガミエースなどがエントリーしています。お仕事終わりでも間に合いますので真夏の女王決定戦は現地でお楽しみください。