2024年11月21日競馬マスターズ
こんにちは。実況アナウンサーの百瀬です。
今週は11月17日から19日の3日間、金沢競馬場で実況を担当しました。北陸もすっかり寒くなりましたね。次回伺う時はコートを忘れずに持っていきたいと思います。
さて17日には北陸東海交流で牝馬限定の重賞・第6回徽軫(ことじ)賞が行われ、笠松からは4頭が参戦(他愛知2頭、金沢5頭が出走)。そのうちの一頭、サンマルブライトに騎乗した筒井勇介騎手に近況を伺いました。
筒井勇介騎手は2002年4月に笠松競馬場でデビュー。2019年、2020年と2年連続で笠松リーディングを獲得する等、笠松競馬場を代表する騎手として活躍をしていました。しかし関係者の馬券不正購入問題に関わったとして、2021年4月に競馬関与停止処分を受け、騎手免許取消となり一度は引退。
その後処分取り消しを求める訴訟を、同様に免許取消となった髙木健騎手と起こし、昨年6月に最高裁で勝訴が確定。騎手免許試験を経て、今年8月1日付けで騎手免許を再取得。筒井騎手はここまでの成績は219戦35勝(11月17日現在)。騎乗期間は3か月半程度にも関わらず笠松競馬リーディング8位につけ、「さすがは元リーディングジョッキー!」と言わせる活躍を見せています。
以下、筒井勇介騎手のコメント。
―再デビューまではどのように過ごしていましたか。
「最初は牧場で勤務して、裁判が終わった後に競馬場に戻れることになり、1年間厩務員として従事していました。騎手復帰までは不透明なことも多かったですが、周りの方や関係者に相談しながら、進めていきました」
―復帰していかがですか。
「やっぱり楽しいですね!」
「やっぱり勝ち負けの世界にいるのは楽しいですね。牧場で馬には乗っていましたが、愛情かけて乗っていても、仕上がったら自分の元から離れてしまいますし、競馬場に戻ってからは ”攻め専”で乗っていましたが、やっぱり勝ち負けがある方が面白いです。やっぱり競馬乗るのは楽しいですね。最初は勘が鈍ってて『やばいな』と思ったりはしましたが、思ったより早く乗れるようになりました。でも細かいところはまだまだです。」
―復帰のレースのことは覚えていますか。
「覚えてますね!この光景も久しぶりだなと、やっぱり騎手はいいなって気持ちでレースに乗りました」
―復帰後の活躍はさすが筒井騎手ですね。
「多くの方に良い馬に乗せて頂いていますから、本当にありがたいです。勝たなければいけないという思いもありますし、良い馬を任させて頂いた期待にも応えたいです。」
―これからの目標は。
「竜也(渡邊竜也騎手)は強力ですけど、またリーディングに返り咲きたいですね。聞かれた時にはいつもそう答えていますので、頑張りたいです。また自厩舎にも楽しみな馬が入ってきているので、田口先生と重賞や大きいところも勝ちたいですね」
筒井騎手とはお互い子どもの年が近いこともあり、笠松競馬場に伺った際には競馬の話はもちろん、仕事以外の話もよくしていました。しかしコロナ禍や開催休止などで取材の機会が少なくなり、今回本当に久しぶりにお話をさせて頂きました。とりわけ復帰後のことを伺った際、表情が一層明るくなり「やっぱり楽しいですね!」と答えた時の笑顔が、とても印象的でした。
騎手復帰までは想像できない苦労があったと思います。嫌な思いをしたこともあるかも知れません。しかし騎手という仕事に復帰し、充実した日々をおくる様子に、筒井騎手の一ファンとして嬉しい気持ちになりました。
また取材中には「あれっ!?勝負服変わったんだ!」ととある調教師に声をかけられる一幕も。復帰後初めての金沢遠征は4鞍騎乗し、勝ち星こそ挙げられませんでしたが、5番人気を2着に持ってくるなど、金沢のファンに”笠松・筒井勇介”をアピールできたと思います。
近年”渡邊竜也一強”ムードの笠松競馬。是非、リーディング争いに筒井騎手も加わり、笠松競馬をより盛り上げて欲しいと願うばかりです。
「やっぱり騎手は楽しい!」と話す筒井勇介騎手。更なる活躍を期待しています!