『目指すは初夏のビッグタイトル。勝って名乗りを上げる時が来た』
2018年からS3に昇格して今年で七回目。昨年までは施行時期が7月だったが、今年は一連のダートグレードの整備に伴いこの時期に移動。来月ここ浦和競馬場で開催されるさきたま杯(Jpn1)の前哨戦として大きな位置付けを担う事となった。東京スプリントを制したジャスティンをはじめ、交流G1勝ちのあるアランバローズ、カジノフォンテンという南関東のビッグネームが顔を揃え、さきたま杯に向けて益々期待高まる一戦となった。
浦和の重鎮アマネラクーンが悲願の重賞タイトルを手にする。
通算24戦16勝。しかし、重賞は6回挑戦して、最高着順は昨年のプラチナカップ2着とあと一歩のところで涙を呑んでいるが、重賞以外ならオール連対という超堅実派。遠征競馬も7歳を迎えた今年の川崎マイラーズが初めてという正に浦和の守護的な存在。今回は休み明けであくまでも目標は次のさきたま杯というのは明白。しかし、持ち時計ではメンバー上位だし、月曜日に降った雨の影響が残る軽めの馬場というのも同馬にはお誂え向き。そして今回は一番手の合う相棒の森騎手とのコンビ復活というのは何よりも心強い。ある程度先行できる機動力も備えており、自在に立ち回ってタイトルを手中に収める。
相手は前走東京スプリントでJRA勢を完封。鞍上ともども勢いのあるジャスティン。
昨年の夏から南関東に移籍して勝ち星こそ挙げられなかったが、交流重賞でも再三ハイレベルな走りを展開して、力落ちはないことは十分にアピールしていた。東京スプリントははJRA在籍時の20年に一度勝っており、嬉しい2勝目を挙げるとともに南関東へ移籍しての初勝利を挙げることとなった。近走の結果を踏まえると一番適しているのは右回りのダート千二に思えるが、千四以上でも勝ち星があるし左回りもこなせている。前走の余勢を駆って更なる栄誉を掴むかに注目。
20年全日本2歳優駿、21年東京ダービーを勝ち、同年のテレ玉杯オーバルスプリント3着のアランバローズ。勝つか惨敗かの両極端な成績の持ち主だが、以前とは違い逃げに拘らなくても結果がついてくるようになったのは更なる進化。内枠の先行馬の動向を窺いながら運べる枠だけに、必ずしも逃げには拘らないがペース如何ではハナを奪取して行くパターンも想像はできる。スンナリさえ運べれば能力全開で単の目も十分。
昨年の当レースを制覇したサヨノグローリー。その後は戦果を挙げられていないが、大崩れせず走れている点は評価できる。調教の動きからも力は発揮できるはずだし、連覇に向けて体勢は整っている。
今年8歳を迎えたボンディマンシュだが、年齢の割にキャリアは浅く衰えは一切感じられない。休み明けの2走前は思わぬ大敗を喫したが、キッチリと馬体を絞った前走で巻き返して存在感を誇示。初めての浦和参戦でも大仕事をやってのける可能性は十分。
21年のかしわ記念を勝った後は不振を囲っているカジノフォンテン。そんな中でも大井記念2着など一定の力を示しており、見限るのは早計だろう。鞍上二度目、初コースの千四がカンフル剤となれば復活の目も十分。夏場に成績を落とす傾向にあるだけに、ここは全力投球と行きたい処だ。
◎アマネラクーン
○ジャスティン
▲アランバローズ
△サヨノグローリー、ボンディマンシュ、カジノフォンテン
(ケイシュウNEWS:石井 一治)