『短距離の頂を目指してビッグウェーブを掴み取る』
2021年から重賞に昇格して4回目。過去3回はゴールデンウィーク開催に行われていたが、今年はこの時期に移動。何れにせよ、優勝馬に優先出走権が与えられる大井で行われる優駿スプリント、そして習志野きらっとスプリントを視野に入れた戦いが繰り広げられる。
ニューイヤーカップ、ネクストスター東日本の重賞2勝。前走はダートグレードの兵庫チャンピオンシップ5着と実績では一枚抜けているギガースが主役を張る。兵庫チャンピオンシップでは先団でレースを運び、向正面からマクり上げていく積極的なレースを展開。最後は勝ったエートラックスに突き放され、後続馬にも殺到されたが、2着馬とはコンマ7秒差で地方馬最先着の5着なら悲観する必要は全くない。そのレースぶりから考えると、千四・千五でも勝ち星はあるが、スピードを遺憾なく発揮できる船橋千二に舞台が替わる大きなプラス。船橋千二は昨年12月以来の出走だが、持ち時計は上位だし連対パーフェクト。更には揉まれず運べる外目の枠を引いたのも大きく後押し。唯一斤量58キロを背負うことになってしまったが、そこは実績の差でカバー。馬格のあるタイプでもあり克服は可能と見た。
相手は船橋千二で◎に土をつけたエイムフォーエース。今年に入っての4戦は更なる高みを目指しJRAに挑戦。ジュニアカップは終始離れた最後方から進めたが、直線で外へ持ち出すと敢然と追い込んで0秒8差の6着。正に脚を余したという一戦で次に期待を抱かせる内容だった。クロッカスステークスは内目を大事に運んだのが裏目に出てしまい、直線では完全に進路が塞がるという不運。それでも最後までしっかり伸びて4着。上がり33秒フラットも優秀なモノだった。その後重賞2戦を使うも勝ち星こそ挙げられなかったが、存在感は十分に示した。そして今回は久々の地元千二へ復帰。一見芝向きにも思えるが、力の要るダートでも戦果は挙げているからその点は杞憂だろう。千二でギガースに土をつけているのは同馬だけだし、鞍上に「重賞請負人」吉原騎手を迎えてタイトル獲りへ万全の構えだ。
現在二連勝中のザイデルバストか一角崩しを狙う。北海道から転入緒戦は初の千五に加え直線での不利もあり5着。ただし、千二に切り替えた2戦目から強気の競馬で二連勝。走破時計も連続して14秒台なら優秀。このレースを照準にひと開催あけ、ジックリ調整されきた経緯。ギガースとは斤量差もあり、そこを突けば逆転も十分可能。
前開催の船橋千二に参戦し完勝の小林所属のエドノフェニックス。これでコースへの不安は一掃されたし、何よりも千二は負けなしの四連勝で勢いは一番。上位の一角を争い存在。
同じく小林所属のフクノフードゥルは初コースがカギ。デビューから一貫して千二以下を使われてきており、スプリンターとしての資質においては一日の長がある。速い時計にも対応可能だし、当然重馬場も何ら問題なし。
前走で重賞馬クルマトラサンを破る金星を挙げたビッグショータイム。そのクルマトラサンが兵庫CSで6着だったことを考えると、単純な力比較に当てはめればギガースらと肩を並べる実績であることは間違いない。昨年8月以来となる地元千二のレースだが、培ってきた経験を糧に一発を狙う。
◎ギガース
○エイムフォーエース
▲ザイデルバスト
△エドノフェニックス、フクノフードゥル、ビッグショータイム
(ケイシュウNEWS:石井 一治)