「栄光の女王へ、勝利への咆哮が鳴り響く」
フランス語で月桂樹を意味するローレル。その花言葉は「栄光」。未来へのステップとなる舞台に今年は14頭がエントリー。現段階で牝馬戦線のトップクラスが集ったハイレベルな争い、昨年優勝したミスカッレーラは今年の関東オークス2着。14年の優勝馬ララベルは後にJBCレディスクラシックを制しており、偉大な名馬に続く馬は現れるのか今年も目が離せない。
北海道から参戦する快速リオンダリーナに◎。門別ではデビューから一貫して千メートルを使われ、3連勝で重賞リリーカップを制覇。特にリリーカップは後に重賞を3勝するゼロアワーを破った価値のあるモノ。前走の園田プリンセスカップは初の遠征、初の一周競馬となったが、ここも人気に応えて5馬身差の圧勝。道中競られる厳しい展開でも直線で伸びて圧倒しており、現状このメンバーに入れば実力が抜けている。
今回も初の左回りで初のマイル戦と課題は残るが、叔父に中京ダート千八で3勝したテイエムマグマがいるだけに適性はありそう。持ち前のスピード存分に発揮して2歳牝馬の頂点へと駆け抜ける。
それを迎え撃つのはデビュー2連勝中のドナギニー。前走つばめ特別は好位追走から4コーナーで仕掛けると、上がり3Fメンバー最速の末脚で突き離し6馬身差の圧勝。勝ち時計1分43秒2は先週のハイセイコー記念2着に相当するし、そのハイセイコー記念で3着だったユウユウスキーも破っているなど内容も優秀。南関2歳牝馬の中ではトップレベルの実力を持っていると言える。更に「経験が重要」と言われる2歳戦に於いて、メンバーで唯一マイル戦の勝利経験がある点も強み。初めての左回りが課題になるものの、母ポッドジゼルは17年のローレル賞で5着。その点からも川崎コースへの適性は備わっていると判断。逃げが予想されるリオンダリーナをがっちりとマークする展開に持ち込めれば、逆転の可能性も十分。
地元川崎のモンゲーキララも上位争いへ名乗りを上げる。九百の新馬戦では1番人気で敗れたものの、距離を延ばして1周競馬にシフトした2戦目以降は①④①①着と安定した成績。前走のトライアル・小町特別では、外を回るロスがありながらも渋太い末脚で勝利を収めた。今回が初のマイル戦だが、祖母フラワーチャンプはJRA芝千八の中山牝馬ステークスで3着に入った実績があり、難なくこなせそう。矢野騎手の継続騎乗も心強く、自分のペースで運べれば首位争いに加わる可能性も十分。
前走、初の浦和遠征で見事に勝利を収めたピーチブロッサム。4コーナーから続いた熾烈な叩き合いを、ゴール直前でハナ差制する勝負根性を見せた。遠征を無事クリアできたし、母はローレル賞で好走していて川崎千六に替わるのもプラス材料。前走で馬体重を落としていた点は気懸りだが、今回はソフトな調整で馬体も戻っている様子。万全の状態であれば主役の座も。
前走はミシェル騎手とのコンビで、牡馬混合の一組を制したピンクタオルチャン。2走前には、前述のモンゲーキララと僅差の勝負を演じており、上位陣と力量的に大きな開きはないと見る。小柄ゆえに競られる場面での不安は残るものの、機動力の良さで応戦。
末脚の鋭いウィルシャインとチャチャハツゴウもマークしたい存在。
ウィルシャインは出負けして前走でも直線で馬群を捌いて連勝と競馬センスが光る。
今回は距離が2ハロン延びるが、中団でジックリ追走できれば距離の壁も克服できるだろう。
一方、デビューから3戦連続で2着と歯痒い競馬が続くチャチャハツゴウだが、休養明けの前走では馬体が大幅に増え、初めて上がり3ハロンでメンバー最速をマークするなど成長著しい。今回は相手が強化され時計の短縮が課題だが、渋太く脚を伸ばせるタイプだけに前が競り合う展開になれば浮上のチャンス。
◎リオンダリーナ
〇ドナギニー
▲モンゲーキララ
△ピーチブロッサム
△ピンクタオルチャン
△ウィルシャイン
△チャチャハツゴウ
(ケイシュウNEWS:海野 秀徳)